続・七姫物語 清田編

18

囚人の護送に偽装したカイナンの軍に守られ、は1ヶ月とかからずに聖都にやってきた。その間信長とじいやは代表会議が集まっていた街道沿いの国に出向き、クラヴィアとじいやの持つ情報で作戦を練り直してきた。さらに隊商の集合を聖都の外れに変更し、再編を急いだ。

「お姉ちゃん、これ。私がみんなと作ったお芝居の戯曲。初版なの。もらってくれる?」
「もちろん。殿下が言ってたのはこれね。すごいわ
「私が書いたわけじゃないんだけどね」

すっかり秋になり、重ね着をしなければ過ごせない季節となった聖都で、3年ぶりの再会にふたりは身を寄せ合っていた。教授の家は暖かいが、ふたりとも身近な人物に迫る戦乱に青白い顔をしている。

「見てみたかったな、お芝居」
「いつかきっと見に来て。なんだかすっかり元気になってるし、いつでも旅が出来そう」
「お医者様ってすごいと思わない、私もうかれこれ1年以上風邪を引いてないの」
「ほんとに!?」

銀国の西館に閉じこもっていた頃のアリスはげっそりと痩せ、いつでも顔色が悪く、毎月のように風邪を引いていた。それが記憶にあるは驚いて甲高い声を上げた。今やアリスは背筋も伸び、頬はほんのり赤く、心なしか胸元まで膨らんだように見える。まるで別人だ。

「これじゃ私の方が風邪を引きそう。聖都がこんなに寒いとは思ってなかった」
「心細くなると余計に寒さを感じると思うけど……信じて待ちましょうね」
「うん……

信長が討伐に出ている間、は当分聖都、そしてこの教授宅のある貴族階級の住宅街から出ずに過ごす予定である。また、教授が方々に掛け合ってくれたようで、カイナンと聖都から警護がつくことになっている。幸いこれから冬になるので、聖都は閉ざされたも同然の街になる。

が到着して数日後、聖都に戻ってきた信長は改めてじいややクラヴィアの件、そして教授の養女の件を説明した。勝手にやっちゃったけど大丈夫だよな?

「そんな簡単な手があったわけね……
「姉上の手紙にも教授のことは書いてなかったもんな」
「お互いどこで手紙が紛失してもいいように最低限のことしか書かなかったからね」

これで婚約ないしは結婚は出来たも同然なのだが、その前に討伐が成功しないと始まらない。

「クラヴィア殿下はまだ食い下がってるけど……
「そろそろ根負けしそう。現地に行ったって役には立たねえんだけどな」
「でも星国に近いんでしょ、潜伏先。それが役に立つことがあるかもしれないよ」
「て、教授も言ってる」

だが、信長としては正直、星国の正統な王位継承資格を持つ人物には危険を冒してほしくないのである。万が一のことがあれば、その身分にと姉上を託したかった。教授でもいいけれど、クラヴィアが王座に就くことは今後のと姉上の身の安全を考えると重要な可能性だった。

暖かい教授の屋敷は広く、周囲には警護が昼夜の別なく隠れ潜み、アリスが指導を受けている尼僧院から毎日人が派遣されて面倒を見てくれることになっている。それも安心できるけれど、まだ気持ちの片隅がモヤモヤしていた信長は、久々に触れるの頬に唇を寄せ、声を潜めた。

、ちょっと出かけないか」
「どこに?」
「すぐ近くだよ。ふたりだけで」
「ふたりって、でも」
「もちろんみんな見守っててくれるけど、じいやや姉上はなしで」

信長に手を引かれたはアリスが用意してくれた外套やらをしっかり着込み、ふたりで手を繋いで屋敷を出た。すぐに聖都の警護官が近寄ってきたけれど、信長が何やら説明をするとにこやかに先を促し、離れてお供しますと言ってくれた。

「どこに行くの?」
「すぐそこ。ほら、あそこにある青い屋根の」

空は白っぽく曇り、今にも雪が降り出しそうな寒さだ。踵に石畳はまるで硝子のような硬い音を立て、そよりと吹く風はまるで氷の刃物のように感じられた。

信長は青い屋根の建物に入ると、僧衣を着た人物に用向きを伝え、またの手を取った。

「今の人は……僧侶とか、そういう? ここって……
「ここは聖都で一番古い御堂なんだ。1000年以上ここでたくさんの人が祈ってきた」
「そんなに……

目立たない小さな建物だが、聖都における信仰の始まりの地である。信長はその祈りの場にをいざなう。色硝子の嵌められた窓から薄明かりが差していて、祭壇には可愛らしい花といくつもの蝋燭、そして聖者の像が並んでいた。

、ここで結婚しよう」

驚いたはつい繋いでいた手をぽいと放り投げ、肩をすくめた。

「で、でも、カイナンに帰れば……
「もちろん教授の養女になったから婚約も結婚も出来る。でもそれは王子としてのオレだろ」

突然のことに身を竦ませているを抱き寄せると、信長は顔を寄せてゆったりと微笑んだ。

「でも、オレは王子でも王子じゃなくても、を誰よりも愛してる。もう本心では、お前と一緒にいられるなら、王子じゃなくなっても、カイナンで暮らせなくても構わない。あの春市からもう3年が過ぎたけど、この気持ちが揺れたことはない。だから、ここで誓ってほしい」

の両目から涙がいくつもこぼれ落ちて、信長はしずくを指で払う。

「オレも誓う。死ぬまでを愛して、支えて、裏切らず、共に生きていく」
「わた、私も、誓います。信長を愛して、支えて、裏切らず、一緒に、いつまでも」

両手をしっかり取り合ったふたりはそのまま静かに唇を重ねた。祭壇の傍らに控えていた僧侶が鈴と、手鐘を3度鳴らす。聖都では祭壇の前で誓いの言葉を口にし、鈴と手鐘を打ってもらうのが結婚の儀式だ。何の記録にも残らず証文も記されないが、これは契約ではなく誓約だ。

「物語ではこういうことすると死ぬって言いたいんだろうけど、約束するよ、身の危険を顧みずに無茶な行動はしないって。オレもちゃんと帰りたい。と一緒にカイナンに帰って、また夏市で踊りたい。そのために全力を尽くすから」

信長の体をぎゅっと締め上げるは鼻を鳴らしながら何度も頷いた。

こんな冷たい聖都の御堂にいても、心はいつもあの夏市の夜に置いておける。

それがふたりの心のある場所で、帰るべき場所だから。

結局聖都を出発する前日になって信長が折れ、アポロン音楽団だけでなくクラヴィアも討伐隊に参加することになった。星国で暗躍していた組織の人物はクラヴィアに現地で合流する旨を伝えてきていたし、その点でも全くの役立たずということはないのではないか。

だが、もちろんクラヴィアが武器を持って戦うわけではなく、アポロン音楽団はあくまでも隊商を装う討伐隊の偽装としての参加だ。あるいはノーテンは偽装のために雇われた人々の警護を務めてくれるそうだし、リートはどんな危険なところでも色仕掛けで乗り込んでいってやるよ、と大乗り気だった。

「リートさん、そんな危険なことはダメですよ。大人しくしていてください」
「どうしてよ。お役に立てると思うけど」
「ノーテンさんなら心配ないですけど、リートさんはダメです」
「なんでよ、私が女だから?」

準備のために教授宅を訪れていたアポロン音楽団だったが、リートはアリスに顔を寄せるとはらりと外套を払い、腰に差した剣を見せびらかした。鞘には金細工や宝石の飾りがついている。

「ち、違います。その剣だって踊り子さんが使うものじゃないですか」
「まあそういう使い方をしたこともあったけど、中身は本物だよ」
「だからって!」
「大丈夫だよ、お嬢。私はお嬢の代わりに全てを見てくるだけだから」

剣を外套の中にそっと隠したリートはアリスの両手を掴んで引き寄せ、にっこりと微笑んだ。

「お嬢、大丈夫だよ。クラヴィアを誘惑する気ならとっくにやってるから」
「そっ、そんなことは思ってません!」
「そんなに真っ赤になって何を言うんだか。しかし、顔色も良くなってすっかりいい女になったね」
「リートさん!?」

リートが肩やら腰やらを撫でるので、真っ赤な顔をしたアリスは悲鳴を上げた。確かに以前はリートがクラヴィアのことを好きなのではと勘繰ったものだが、それはもう3年も前の話で。リートはけらけらと笑い、またアリスの手をそっと包み込んだ。

「特別に、お嬢には秘密を教えてあげる。訳あり音楽団の世話焼きリートの、秘密を」
「リートさん、それは……え!?」

リートはアリスの手を自分の胸元に突っ込んでしまった。するとそこには膨らんだ胸の形の詰め物が入っていて、中身は硬い扁平な胸しかなかった。まさか……

「歌が上手かったんだよ、子供の頃から。天使のような歌声って言われて、街道沿いのちっぽけな国の宮廷でお抱えの歌い手だったんだ。で、お察しの通り、声変わりを惜しんだ変態野郎の王様がちょん切ってしまった、というわけ。女にしか見えないから女として生きてるけど、一応男なんだよね」

それが便利な時もあるしい、とリートはニヤニヤしている。そういえば銀国から聖都へ移動する間、クラヴィアの指示で夜は必ずリートと相部屋だったことを思い出したアリスは口をパクパクさせた。裸にはならなかったけれど、リートの目の前で着替えたりしたことは何度もあったはずだ。

「なっ、なん、なんでクラヴィアさんはそんな、ことを」
「お嬢の安全のためじゃない? どっちみち宦官だからそっちの心配はないしね〜」
「リートさん……
「だから心配しないで、お嬢。私は普段心の中に隠してる冒険心を安全に満たしてくるだけ」

アリスはたまらずリートに抱きついた。リートはその背中をゆっくりと撫でてくれる。

「帰ってきたらまたみんなで旅に出よう。お嬢のピアノで歌わせてよ」
「はい、お待ちしています。危ないと思ったらひとりでも逃げ帰ってきてくださいね」

秘密を知っても間近に見るリートは活発な女性にしか見えなかった。だがアリスは爪先立って彼女、いや彼の頬にキスをし、祈りの言葉とともに部屋から送り出した。

すると入れ替わりでクラヴィアが入ってきて、鍵の束を差し出してきた。

「アポロン音楽団の倉庫の鍵、預かっておいてくれないか。今回は最低限の楽器で行くから」
「はい……もちろんです……
「どうした、具合が悪いのか」
「いえ……リートさんの秘密を打ち明けられまして……
「ああ、そういえば言ってなかったな」
「クラヴィアさんはいつもそれですね……

クラヴィアは珍しく声を上げて笑い、今度は例の灰簾石の指輪を差し出してきた。

「これも頼みたい」
「そ、それはちょっと、これはお持ちになっていた方がよろしいのでは?」
「いや、今回は安全で離れた場所に保管しておきたいんだ」

むしろクラヴィアとアポロン音楽団に万が一のことがあったら、これを証拠に教授とふたりで身元を証明してほしいという。どこかでこの指輪の意味がわからない輩に取り上げられてしまったら二度と星国の王位継承者であることを証明出来なくなる。

「わかりました。リートさんにも言いましたけど、くれぐれも危険に足を突っ込まないでくださいね」
「オレは大丈夫」
「いいえ、今回の件では信用出来ません。まだじいやの言い分に納得していないでしょう」
「それは……

時計屋と魔術師の件はじいやの説明通り、銀国と星国で国王と諜報員の密通が交差してしまったというのが真相のようだが、クラヴィアは時計屋が元凶だと思い込んでいたのでなかなか納得出来ないでいた。信長が同行を許可してくれないので余計に頑なになってもいた。

「討伐に参加して過去を清算したいというお気持ちはわかります。でも、何が原因でも誰のせいでも、過去は覆りません。クラヴィアさんは不運に見舞われたご両親と、命がけで救ってくださったお師匠さまのためにも、生きねばなりません。悲劇に酔って死ぬのは無責任な行いです。絶対にいけません」

3年の間にすっかり健康になってしまったアリスは声も大きくなり、以前のふわふわした幽霊のような雰囲気は残っていない。その声には威厳があり、また優しくもあり、聖都の尼たちのように誠実で、クラヴィアはつい何も考えずに「はい」と返事をしていた。

アリスも、今ならクラヴィアの態度が冷たかった理由は理解できる。壮絶な過去を持ち、ピアノを弾くしか生きる道がなかった彼にとって、アリスやは「安全な場所で贅沢な生活をしていた王女」であり「これからその生活を奪われた苦しみを味わう難民」であり、羨望と同情が自身の消えない心の傷に重くのしかかっていたんだろう。

そんな心が解けきるのには3年もかかったけれど、アリスは本気で思っている。クラヴィアは必ず生還して両親や師匠が見ることのなかった未来を生きねばならない。それがあとに残されたものの使命であり、責任であると。自分も母が見ることのなかった世界を見届けねばならないから。

「私は体が弱いとすっかり思いこんでいて、まさかこんなに健康になれるとは夢にも思っていなくて、きっとまだ若いと言われるうちに亡くなってしまうんだろうなと思ってました。年を取り、おばさんになることも、おばあちゃんになることも出来ずに死んでいくのだと思っていました」

今にして思えば銀国で受けていた診察やら治療やらは本当に自分の体のためだったかどうか、怪しい気がしている。聖都の医師や聖職者たちはアリスを心身ともに健康にしてくれた。おばさんになることも、おばあちゃんになることも可能かもしれないという夢を与えてくれた。

「思いがけない希望です。風邪も引かず毎日元気に過ごせることが私には奇跡」
……そうだな」
「それにクラヴィアさん、私考えてることがあるんです」
「えっ?」
「叔父の家で暮らしながら、尼になろうかと思うんです」

それは銀国で常に弱っていた頃から考えていた唯一の夢らしきものだった。政略結婚には使えない病弱な体を持ち、一応王妃であった母は既に亡く、ピアノを弾いてるか本を読んでいるか寝ているかしかない毎日なら、多少寿命を縮めてでも王宮を出て尼になり、少しでも誰かの役に立ってから死にたいと思っていた。一度でいいから誰かを助け、ありがとうと言われてみたかった。

そんな唯一の夢は健康体になってからも消えることはなく、また、じいやの母と妹と知り合ったことで具体的な選択肢としてアリスの前に現れた。自分で望んだわけでもなく、恐らくは身の安全のためにやむなく尼となったであろうふたりはそれでも安全に生きていられることを感謝していた。

「尼にならなければ手に入ったであろう人生への未練は尽きないけれど、尼になったことで手に入れたものも素晴らしい――長い時間をかけておふたりは自分の心を清め、温め、愛しておられるそうなんです。私もそういう道を進むべきなのではと、このところ考えるんです」

幸い身寄りのない子供を育てる施設へどうかと声をかけてもらっている。自信はないが、求められるということが単純に嬉しかったし、家族のいない寂しさは充分に理解出来ると思った。

そうぽつりぽつりと話していたアリスだったが、ふと顔を上げるとクラヴィアが何だか怒ったような表情をしていたので、ビクリと肩をすくめた。何か気分を損ねるようなことを言ったとは思えないけど、クラヴィアさん今度は一体なんですか……

「あの、クラヴィアさん……?」
「それは、本気で、もう決めたことですか」
「いえあの、ご指導頂いている尼僧様にはまだ何もお伝えしていませんが……
「ではまだ未決事項なんですね。尼になろうかな、っていうくらいの」
「ええまあ、長く考えた末のことではありますが、そうですね……

なんだか先生に叱られているような雰囲気で、アリスはしどろもどろだ。するとクラヴィアは空気が抜けた風船のようにふわっと真顔になり、アリスの両手を取った。

「アリス、尼になるより、私と結婚して下さい」
「は!?」

あまりといえばあまりな急展開にアリスは珍しく素っ頓狂な声を上げた。アリスの二十数年の人生の中で一番思いもよらない衝撃の一言だった。

「私が、星国の王位継承者でありながらそれを名乗り出ず、けれど故郷への思いを捨てることもなくピアノ弾きとして生きてきたのは、自分の過去を直視するのが嫌だったからです。父を殺され、母を失い、師匠をこんな北の果てで死なせてしまった私の半生を認めたくなかった。星国は私の心の傷を抉りながら惹きつけてやまない面倒な存在だった」

中途半端な覚悟で王座につこうものなら、身近な家族を奪われた怒りと苦しみばかりを思い出す日々になるのではないか。そんな暮らしは耐えられないと思った。それに、平民の生活を知ってしまった自分はもうきらびやかな世界への興味を失って久しく、一国の君主の座などどうでもよくなっていた。

「でも、それこそ思いがけず過去を精算する機会を得ました。出来るなら魔術師を捕縛して星国に連行し、星国の法で裁きたい。それが叶うなら、私はもっと素直に故郷に戻れる気がするんです。生まれ育った家に、街に、国に帰り、もう一度自分の人生を始めてもいいんじゃないかと、思うんです」

それはいい、それはわかる。しかし……

「何を仰ってるんですか、私ではお役に立てないでしょう」
「別にオレはあなたを使いたくてこんなこと言ってるんじゃない。求婚してるんですよ」
「待って下さい、今のお話だとクラヴィアさん星国に戻って国王に即位なさるおつもりなんですよね?」
「そう」
「そしたら私は王妃になってしまうじゃないですか!」
「そうですね」
「無理ですよ!」
「なんで?」
「なんで!?」

アリスは自分でも驚くほど大きな声を出していた。というか人間て大きな声で騒いでも息が切れないものだったのか。アリスはまるで他人事のように感じつつも、深呼吸をして気持ちを整える。

「クラヴィアさん、私には誰かの妻も、王妃も、まともに務まるとは思いません」
「まともに務まらなくても構わない」
「構うでしょう……星国の方々はそんな王妃を歓迎しませんよ」
「そりゃ聞いてみないとわからない」
「聞いてみて嫌だって言われたらどうするんですか」
「嫌でもオレがいいんだからいいんだよ」
「そういう問題ですか!?」

自称求婚をしているクラヴィアだが、顔は真顔。アリスはツッコミばかり、息は上がらないが、ちょっと目眩がしてきた。クラヴィアさん突然どうした。

「アリス、さっきも言ったでしょう。別にあなたが王妃としてどうでも関係ない」
「なぜですか」
「愛しているからですよ。尼になるより私と一緒にいてください」

今度こそアリスはぽかんと口を開けたまま固まった。

「だから私の妻になって欲しい、それだけです。明日は出立という時にこんなことを言うなんて、物語だったら確実に死ぬとでも言いたいんでしょうけど、生憎私はカイナンの殿下のように血の気は多くない。危ないと思ったらひとりでもさっさと逃げてきます」

そしてクラヴィアはアリスの頬にそっと触れると、珍しく柔らかな笑顔を見せた。

「もし私の求婚を受けて下さるなら、戻ってきた時にキスをして下さい」