星屑の軌跡

25

告白2

子供たちが小学校やら幼稚園やらに行きだして1ヶ月、夏休みよりは落ち着いて毎日を過ごせるようになっていた10月のことである。まさか自分の人生にこんなことが起こるとは、宝くじで高額当選するよりありえないと思ってきたウサコの出産が間近に迫っていた。

夫は少々行き過ぎた過保護モンスターと化し、本人も自虐がぶり返して不安になってばかりの妊娠だったが、そんな親ふたりとは裏腹にお腹の子は順調そのもの、あまり腹を蹴ってこない穏やかな子だった。カズサに蹴られすぎて眠れず、自分の腹に向かって文句を言っていたはしょっちゅうウサコの腹を「いい子ね〜」と撫でていた。

なのでひとまず自然分娩の予定である。ウサコは怖がりつつも、が自宅出産をした時のコーディネーターに紹介してもらった助産院で出産に挑むことになった。

というのも、ウサコは昨今では珍しくかかった医院2件でいわゆるドクハラにあたるような対応を受け、本人は理不尽な扱いの中で生きてきたので「またか」で済まそうとしたのだが、それを聞きつけた夫とセイラちゃんが許さなかった。当然である。

そこでがコーディネーターさんに相談し、産科との提携がしっかりしている助産院を紹介してもらった。おかげで検診は少々遠い病院に通うことになってしまったけれど、何しろ夫がモンスターである。毎回車で送り迎えだったので、結果的にはそれほど負担ではなかった。

さらにこの清田家、の長女であるアマナが自宅出産だったため、経験者であるおばあちゃんと由香里、そして信長はもとより、新九郎も頼朝も尊、カズサですらも出産直前までを経験済み。赤ちゃんというものは妊婦さんがふらっと数日いなくなったと思ったら生まれてくるもの、という距離感でしかなかったウサコ、そしてエンジュだけがビビっていた。

「出産というものに立ち会った回数だけなら私が1番だろな」
「しかもアフリカ」
……ああいうところは子供はもちろんだけど、母体が危険なことも多くてね」

セイラちゃんがアフリカに滞在していたのは1年と2ヶ月ほどだったという。その間に何度も出産に立ち会ったが、取り上げた子のうち数人が数ヶ月で亡くなったり、または母親の方が亡くなってしまったり、ということは何度か経験してきたそうだ。

「だからこの国で出産というのは本当に安心できる。手練の助産師さんていうのも面白い選択だと思うよ。古い話だけど、私の母親はでっかい総合病院で陣痛の間の家族の介助も禁止されて放置だった、ってよく言ってたから。好きな姿勢で産めるのもいいと思う」

セイラちゃんはリスクや悪いケースを隠したりはしない。だが、怖がらせたり脅かしたりするようなことも一切言わない。なのでウサコは高まる緊張だけを残して、いよいよ陣痛を迎えたのである。

その時の完全にテンパっている頼朝のことを弟ふたりは「笑っちゃいけないけどクソ笑える」と評して、またやセイラちゃんに怒られていた。まあ元がモンスターなのでそれも無理はない。

しかも助産院の方針により促進剤などの類は使わない、異常が見られて搬送の判断になるまではとにかく自然に任せる、という分娩だったので、ウサコはやたらと陣痛が長かった。頼朝はそれにつきっきり、ほとんど寝ずに付き合ったのでふたりともヘトヘトになっていた。

それを経て生まれてきたのは、やや小さな丸顔の女の子であった。

出産当日は薄曇りの肌寒い陽気だったのだが、彼女が生まれた午後になると雲が晴れ、暖かい日が差してきた。それを見た疲労困憊の頼朝は予定を変更、子供には「小晴」という名をつけた。

「頼朝ちゃんにしてはずいぶん優しい名前になったね」
「ええとその、夏頃まではだいぶ激しい名前の予定でした」
「ああ、やっぱり」

ウサコと頼朝を欠いたので手伝いに来てくれているぶーちんは、そう聞くなり遠い目をしてへらへらと笑った。はホッとして緩んだ顔をしている。時間はかかったが、ウサコも無事、コハルも無事。名前も色白で小さな女の子によく似合う名になった。

「家族とはいえ他人が突っ込めるようなことではないからみんな黙ってたけど」
「まあ、頼朝に尊に信長もそこそこ派手な名前だしね」
「ううん、戦国ネームの方がまだマシだったかもっていうレベル」
「頼朝ちゃんブレねえな」

そういうぶーちんも生まれた後に予定が変わって名付けられたくちである。事前の予定では香織という名になるはずだったそうだ。だが、医院に桃を持ってきた親戚がいたそうで、また生まれたばかりのぶーちんが桃そっくりのピンク色で真ん丸な顔をしていたので、ご両親は愛しさが募るあまり「桃香」と名付けた。本人も桃香という名は気に入っていると言う。

「でも……コハルが生まれたってことはセイラちゃんとユリイが出ていくってことだから」
「ああ、そういえばそうだったね。すっかり清田家の人みたいに思い始めてたよ」
「まだちょっとお兄ちゃんが心配なんだけど、引き止めるわけにもいかないし」

対象がふたつに増えてしまったのでモンスターがパワーアップしないかとは警戒している。ぶーちんはペットボトルを潰しつつまた笑った。今後もvs頼朝のバトルは続くに違いない。

それから少し遡って無事にコハルを産み落としたウサコの部屋である。

スヤスヤと眠っているコハルをよそに、やっと父親になったモンスター、もとい頼朝は休むウサコの傍らでまだ泣いていた。分娩の間どころか、陣痛にウサコが呻いている間から泣き出し、以来ほとんど泣いて過ごしていた。助産師さんにも「お父さん水分補給しないと倒れますよ」と言われるくらい頼朝はずっと泣いていた。心なしかやつれているようにも見える。

それを弟たちがコソコソ笑っていたわけだが、当人はそれに反応している余裕もない。

ウサコの方は感動して泣くどころの話ではなく、陣痛の痛みで頼朝が何をしようが言おうが、構っていられなかった。母親がやって来たこともうろ覚え、彼女が名前を考えたと言い出して頼朝がイライラしていたことも覚えていない。

なので、そういえば頼朝がずっと泣いていた気がするな……とやっと気付いたところである。

「頼朝さん、あんまり擦ると目に傷が付きますよ」
「オレの目の傷くらい、別に、ウサコの傷に比べたら」

助産院なので医療行為にあたることには制限がある。そのため会陰切開が出来ないので、ウサコは自然に任せて、普通に裂けた。妊娠中にはそれなりにマッサージなどでケアをしていたけれど、気にする間もなく裂けた。それを途中で聞いた頼朝は血の気が引いて真っ青な顔をしていた。裂けるって!

私もおばあちゃんも裂けてるわよ! と怒鳴る由香里の声も聞こえていなかった模様。

ウサコは手を伸ばして頼朝の手を掴み、目を擦るのをやめさせるとティッシュを差し出した。

「頼朝さん、もうそういうのダメですよ。お父さんに何かあったらコハルも悲しいです」

頼朝はティッシュで目頭を押さえつつ、おやと顔を上げた。いつものウサコの声だったけれど、その声音や言っている内容はいつものウサコではないような気がする。見ると、ウサコの目の中からいつものオドオドした他人の顔色を伺うような色が消えていた。

それを感じ取った頼朝はまた目が潤みだした。そうか、オレはお父さんなんだな。

「ウサコ、聞いてくれるか」
「えっ、どうしたんですか」
「本当にすまん、オレが子供を欲しかったのは、欲しかったのは、見栄っ張りだったからだ」

またメガネの向こうから涙が溢れて頬に伝った。ぎゅっと強く握り締められた手をウサコは静かに握り返し、かすかに頷いた。突然の告白だが、頼朝だと思えば不思議はない。

「30過ぎた頃から、一級建築士なんて大層な資格持ってるのに彼女もいないのか、嫁は、子供は、まさかホモじゃないだろうな、外見はそこまで悪くないのに相手がいないってよっぽど性格悪いの? って、そういうことを言われ始めてて、だけど別に彼女や嫁子供がいなくても困らなかったし、例え彼女や嫁子供がいたって必ず幸せになれるって決まったわけじゃないって、思ってた」

頼朝の考え方は何も間違っていない。運悪くそうした言葉を上から目線で投げつけるのが楽しくてしょうがない人々と縁があっただけなのだが、それが例えスルーできていたとしても、精神的な負担にならないわけがないのである。

「だから、ウサコと一緒になって、独身じゃなくなって、あとは子供さえ生まれたら、もう二度とああいうことは言われないで済む、未だに『子供を持って親になって初めて一人前』みたいな人にもあれこれ言われずに済むって、思ってた」

特に頼朝の場合、仕事で高齢の職人さんやらと接する機会が多い。新九郎は22で結婚して24で頼朝を授かっているし、彼らにとっての「末っ子」は既に3人も子供がいるし、未婚で子供がいないのは尊も同じなのに、頼朝はそういう言葉にさらされ続けてきた。長男で、跡継ぎだったから。

「だからなかなかウサコが妊娠しなくて、それはオレのせいかもしれないのに、焦って、イライラして、オレたちは親になる資格がないんだろうかとか、そんなことばっかり考えて」

だから妊娠の報告を受けた時は安堵するあまり号泣した。ふたりの間に子供を授かったことも嬉しかったけれど、それよりも、これでやっと誰にも文句を言われない「親」になれる、そう思って。

「ウサコにこんなつらい思いさせるって、のも見てて知ってるのに、そんなこと考えてなくて」
「私より赤ちゃんに慣れてるのに」

ウサコはふんわりと笑って頼朝の頭を撫でた。ぶーちんやの出産で、ウサコより頼朝の方がよっぽど「赤ちゃんが生まれてくる」ということには慣れているはずだった。けれど、彼は「あとは子供が生まれれば完璧」という思いに取り憑かれたままだった。

「カズサたち、あの子たちもかわいい。血が繋がってても繋がってなくても子供たちはかわいい。それは変わらないけど、だけど、最初にコハルを抱っこした時に、ものすごく後悔した。今言ったことだけじゃなくて、にひどいことしたとか、ウサコにひどいこと言ったとか、由香里にも、おばあちゃんにも、女の人に対して抱いてたオレの一方的な感情全部が最悪だった。コハルがもし大きくなった時に、オレみたいな男に嫌味を言われたらと思ったら、死にたくなった」

頼朝の手に力がこもる。ウサコはそれもそっと撫でた。生まれてきた子が男の子だったら、頼朝はおそらくこんなことを思いもしなかっただろう。コハルは生まれてきただけで大きな役割を果たしたのだなと思ったら、ウサコは自分の体の真ん中にある「心」が大きく膨らんでいくのを感じた。

頼朝の後悔は過去にあるもので、それは覆ったりしない。彼が思い出せる限り、いつまでもその記憶は自身を苛むかもしれない。だが、強い後悔が共にある限り、人はそれを繰り返したくないことも忘れないのである。ウサコは繋いだ手を引いて、胸元に抱き寄せる。

「ごめん、ウサコ、本当に後悔してる。ごめん」
「頼朝さん、じゃあ今度は私の話を聞いてくれますか」
「えっ?」

一世一代の告白を吐露した頼朝はまたウサコの声に顔を上げた。いつもの朗らかなウサコのゆったりした笑顔だったけれど、やはりそこにはウサコお得意の自虐の色は見えなくて、けれど高揚しているようにも見えなくて、頼朝は黙った。こんなウサコは初めて見る。

「頼朝さんのそういうの、わかります。頼朝さんならそう考えるかもしれないっていうのも、簡単に想像つきます。それに対して腹立つとかは、私はないです。頼朝さんと結婚できただけでも奇跡だと思ってたから、それ以上のことなんか何も望んでなかったから」

そもそもが周囲から心無い言葉を浴びせかけられるばかりの人生を送ってきたウサコである。ちょっとくらい上から目線で嫌味でも頼朝が好きだったし、それでも彼に愛されるのが何より嬉しかった。

「だから謝らないでください」
「だけどオレ――
「でも、頼朝さん、後悔出来るって、すごいことなんですよ」

頼朝の言葉を遮ってウサコはしっかりした声を上げた。夫の話を遮って自分の意見を口にするなど、これまでのウサコなら考えられないことだった。頼朝は驚いて目を丸くした。

「いくら20代の時につらいことがあったからといって、私がそこで考えるのをやめて、前に進めなかったのは、私が後悔しなかったからです。もう忘れよう、なかったことにしよう、私は何も悪くないから、過ぎたことは流してしまおうって、考えるのをやめた、それが1番良くなかったんです」

頼朝は首を傾げた。つらい過去など記憶の中に閉じ込めて引きずらない方がいいはずじゃないのか。

「いつまでも過去のことでグズグズ言うのは違うと思います。だけど、私は、過去に起きたすべてのことを、後悔して、考え直して、いらないものは捨てて、必要なものを探して、道を見つけるために使うべきでした。私は傷があるのにそれを見ないふりをして、隠して、もっと積極的に傷を治そうとか、傷があっても心地よく生きられるようにとか、そういうことを何ひとつ考えようとしませんでした」

ウサコは「年金を貰う前に死ね」と言われたあの時から、考えることをやめたのだ。思考しなければ苦痛は流れていく。思考しなければ余計なことも考えつくまい、願ったり、望んだり、それが手に入らなくて嫉妬することもあるまい。考えれば考えるだけ苦しみは増える。

「私が頼朝さんに出会う前にも、頼朝さんみたいなことを考えてて、しかもそれを平気で口にする人はたくさんいました。その方が普通です。じいじや、信長くん、尊くんみたいな人の方が珍しいです。彼らは後悔なんかしません、彼らがするのは正当化だけです」

後悔はつまり、過去の自分を否定することでもある。自己否定、それは苦痛でしかない。

……私はそうやって自分の過去を活かそうともしないで生きていたので、後悔しない生き方とかいうものが素晴らしいことだと思い込んでいたので、そうすると私の世界には怖いことしか残らなくて。私も正直に言いますね、妊娠も出産も、怖くて怖くて、恐怖でしかなかったです。頼朝さんがほしいっていうから、清田家にいる限りはやエンジュと一緒に育てていけるかなって思ったから、それしか自分を誤魔化す方法がなかった」

ただでさえ愛情に飢えて育ち、自虐の沼に沈みきっていた。小さい子供なんかほとんど触ったこともない。自分なんかが子供を産んだらすぐにしくじって殺してしまう、そんなことしか考えられなかった。とエンジュがいれば大丈夫かもしれない、それだけが心の支えだった。そこに心から愛しているはずの夫という存在はなかった。

「だけど、不思議ですね、なんか今は気持ちがスッキリしてるんです。私が毎日怖がって悲観してたっていうのに、コハルはへでもないって顔して生まれてきちゃって、おっぱい飲んでげっぷして寝ちゃった。それを見たら、色んなことがバカバカしくなりました。これから忙しくなるのに、そんなことに構ってたら疲れる、もうどうでもいいやって」

そして、陣痛がつらすぎて、恐怖を煽る余計な妄想が頭を駆け巡る暇もなかった。

たちに、気後れがありました。どうしても『私なんか』って最初に考える癖が抜けなくて、今でもそれはなくなったわけじゃないです。だけど、今はすごく疲れたし、だけど熟睡も出来なくて、そんなこと言ってる暇があったら寝たいって、思っちゃいます」

そう言ってウサコは笑う。母体は授乳に備えるため、脳が勝手に出産の前後の睡眠を浅くする。人間の雌に備わっているたくさんの機能のうちのひとつだ。頼朝はウサコの頭を撫でた。熟睡できてごめん。

「私も、後悔したんです。たちに気後れして、頼朝さんの後ろに隠れていられればいいやって思ってた、それはどうなんだろうって。これからコハルを育てていかなきゃいけないのに、そんな風に頼朝さんの後ろに隠れてるだけじゃ、コハルを守れないよねって、思いました」

もいるし、エンジュもいるけれど、コハルの母親は自分だ。そう思えた。

「後ろに隠れてるんじゃなくて、今は隣にいたいです。頼朝さんとふたりでコハルのお父さんとお母さんになりたいです。そういう状態で清田家にいたいです」

また涙ぐんでいる頼朝の頬を撫で、ウサコは柔らかく微笑んだ。

「でも私全然ちゃんと出来る気がしません。失敗しまくって後悔しまくると思います。それだけは自信あります。だけどそういうの、ふたりでやっていきませんか?」

嗚咽を飲み込んだ頼朝は、何度も頷いた。過去は失敗しようが成功しようが、どちらにせよ取り返しがつかないのである。問題はそれをどう活かすか、現在の糧とするか、であろう。そんな一瞬の現在もまた、さっさと過去になって流れ去っていくのである。

「で、コハルが大きくなって、大人になったら、また頼朝さんの後ろに隠れていいですか?」

頼朝はつい吹き出してウサコの頭を抱え込んだ。子供を産んだからといって、それまで生きてきた自分自身というものがなくなるわけではないのである。それは大事にとっておけばいいだろう。いつかまた引っ張り出してくればいい。頼朝の隣にいたいのも、後ろに隠れていたいのも、どちらもウサコだ。

……ウサコ、ありがとう」
「頼朝さんも。ありがとうございます」
「ウサコ、ついでにもうひとついい?」
「はい、なんですか?」

グズグズと泣きっぱなしの頼朝だったが、ちょっとだけいたずらっぽく目を細める。

「コハルに夢中になりすぎないで、オレも構ってください」

何が出てくるかと構えていたウサコはそれがツボに刺さってしまい、勢いよく吹き出してむせた。それに驚いたか、スヤスヤ寝ていたコハルがビクッと体を震わせて泣き出した。モロー反射である。

「お父さん、コハルがそれはヤダって言ってますよ」
「ちょ、え、コハル、今からそんな親父に冷たいとか」
「頼朝さんこそコハルの方が可愛くて私なんかどうでもよくなるんじゃないですか〜?」
「なっ、そんなことないから! コハルはコハル、ウサコはウサコ!」
「ほんとですかー?」
「ほんとだって! だってコハルはいつかどっかに嫁に行っちゃうかもしれないんだし!」
「頼朝さんコハルに好きな人とか出来たら厳しそうですね」
「そっ、それは……っ! 出来るだけ、我慢、します……!」

小さなコハルを抱いてあやしつつ、頼朝は呻いた。ウサコが言うように、この社会には自分のような後悔しない男が大量に生息しているのである。それを思うとモンスターの血が騒ぐけれど、それをやるから嫌われるんだということは重々承知している。嫌われるのはダメ。絶対ダメ!

「コハルもたくさん失敗して、たくさん後悔すればいいんです。そういう機会がたくさんあればあるほど、きっとコハルは良い人生を送って良い人間になれるんだと、今は思います」

自分たちがそうであるように。頼朝は鼻をすすってコハルの額にキスをした。

頼朝とウサコ、親としてのスタートであった。