星屑の軌跡

20

スターダスト2

尊が気付くと、独特の匂いが鼻を突いた。ああ、病院か。すぐにそう思った。

体が重い。手足も背中も何もかもが強張っている。体が粘土になってしまったみたいだ。尊はもぞもぞと体を動かしながら、記憶を手繰り寄せる。ええと、セイラちゃんに付き合って、双子を連れて――

思い出した。風が強くて、ガラスが割れて、彼方が――

「かな、た――
「おっ、目が覚めたか。わかる? セイラだよ」
「セイラ、ちゃん」
「覚えてるか、怪我、したの」
「わかん、ない」

どうにも顔が強張る。尊はだるい体をちょっとずつ動かしながら、セイラちゃんの声のした方へと首を捻った。するとそこには赤いTシャツの上に白衣を羽織ったセイラちゃんが立っていた。

「そうとう古い窓だったみたいね。割れた窓ガラスが落ちてきて、その下にいた彼方を庇って、降り注いできたガラスをいくつも被っちゃったんだよ。でも命に別状はないよ。ぜーんぶきれいに取りました。頭も耳も全くの無傷だし、あんたの下にいた彼方も無傷」

と明るく言う割には、セイラちゃんは厳しい表情だ。

「でも、3つほど深く切れたところがあって、そこはもしかしたら傷が残るかもしれない」
「残る?」
「左肩と、右の脇と、あと……顔」

そう言われた尊は重い腕を上げて指先を顔に運んだ。感覚はないけれど、探っていくと左のこめかみの辺りに大きなキズパッドが貼られていた。浸出液でぷっくりと膨らんでいる。

「彼方を庇った時に勢いが付きすぎて少し体を斜めにしちゃったんだな。耳は無事だったけど、目尻から頬骨にかけて。縫ったから少し引き連れが残る可能性もある」

セイラちゃんは椅子を引きずってきて腰を下ろす。騒がしい音は遠く、室内は静かだ。個室らしい。

「ここ、どこ?」
「付属の大学病院」
「セイラちゃんが、縫ってくれたの」
「救急だったし、私外科医だし、しかも紛争地域の近くに2年もいたから摘出すげえ得意」

意識がはっきりしてきた尊は、次第に痛むポイントがわかってきた。背中を中心に肩や脇腹をいくつも怪我したらしい。セイラちゃんの「摘出すげえ得意」につい吹き出した尊は、顔の傷を指先で撫でた。

「そんなとこにいたの」
……尊敬してる先輩がそこにいてね。どうしても行きたくて」
「好きな人……?」
「そう。でも感染症にかかって弱ったからすぐに帰国しちゃって、私が戻ったら結婚してた」

セイラちゃんが先輩の抜けた穴を頑張って埋めている間に、やはり先輩のことを慕っていた女が献身的に看病をし、そのままゴールインした。鳶に油揚げをさらわれるって、まさにこういうことだよ、とセイラちゃんが言うので、尊は痛みに身を捩りながら笑った。

「男は優しくされるとすぐ勘違いするからね」
「仰る通り、2年目くらいで憎み合い始めて、3年半で離婚したよ」
「チャンスじゃん」
「そんな男もういらないもん」
「ああ、それどんどん結婚できなくなってくやつだ」
「それそれ。ま、いうほど願望もないしね」

へらへらと笑い合ったふたりはしかし、そのまま息を吸い込むのと同時に黙った。空気が重い。

……セイラちゃん、もしかして、顔の傷、わざと残した?」

尊は体を戻して仰向けになると、ぼそぼそとそう呟いた。

「これでも医者だからそんなことはしてない……けど、ここに、残った方がいいんじゃないかって、思ったよ。あんたのために、ここには傷跡が残る方がいいんじゃないかって思った。それは事実」

完璧な美しい顔の、それも髪で隠すには少し厄介な場所の傷。

「看護師の子たちは『傷があってもイケメンだから大丈夫』って言ってたよ」
「入院するの初めて。彼女が増えるかもしれない」
「ここでは手を出すなよ」
「ちょっとロマンなんだけどね」

傷のない太腿をパチンと叩いたセイラちゃんは立ち上がると、白衣のポケットに手を突っ込んで肩をすくめた。こうしていると本当にお医者さんに見える。

「ま、別に痛いだけで絶対安静ってわけでもないし、明日傷の具合見たら退院できるよ」
「ていうか今いつ?」
「翌日。麻酔はそんなに強くかけてないけど、まあよく寝てたわ」
「会社……
が元カノさんたちに頼んで連絡付けてくれたよ。大丈夫」

と聞いて尊はパチッと目が覚めた。実家、家族、みんな心配してない?

「このクソ忙しいのに私とあんたを欠いたから大変だよ。私は先に帰るね」
「そっち〜? オレの心配してくれないの」
「してるに決まってんだろバカ。昨日親父さん飛んできてずっと泣いてたよ」
……ごめん」
……あとで、が来るよ。少し、話したら」

セイラちゃんの小さくて骨ばった手が頭に触れる。尊は頷いて目を閉じた。

忙しいだろうに、しかしを寄越してくれた判断は正しい。この夏の不安定な気持ちは、両親や兄弟に話したいことではなかった。ごくごく無垢だった頃を知る小山田夫婦もだめだ。もちろん付き合いの浅いセイラちゃんやウサコでも話しづらい。がちょうどいい。

がひとりで尊の病室を訪ねることを信長が嫌がったとしても、夫が本気でやめてくれと言えばはそれを優先するだろう。だから、が来ると決まっているということは、反対しなかったに違いない。それも助かる。

誓ってもう、に対してひとりの女性としての興味はないのだ。

それでも、今全てを話せるのはしかいないと思った。

それから2時間ほどして、病室のドアをノックする音が聞こえた。ゆっくりと痛みを誤魔化しながら体を起こして携帯を見ていた尊は、すぐに返事をする。いい機会だからに何を話しておこうか、それもほとんど考えてあった。

だが、ドアが開くと、の足元には宇宙と彼方がいて、怯えた顔をしていた。

自分の知らないところで思い込みの激しい女がこんな幼い子供に父親は清田尊だと嘘を信じ込ませた。尊にはそれは嘘だった。ユニコにとってはそれは何だったのだろう。そして双子には、宇宙と彼方には、何だったのだろう。嘘? 思い込み?

思い込みの激しい女と知らない方が幸せなゴミクズ男との間に生まれたはずの、ただコスモが何らかの目的のために利用して連れてきただけの、迷惑な子供。身寄りがなくて持て余されて、子供らしい溌剌とした感情を抑圧されて、ふたりで身を寄せ合っていただけの、宇宙と彼方。

この子たちにとって、オレは、何だった?

この子たちの心にあるオレは、何だった?

に話そうと思っていたこと、今後のこと、これまでのことが全て飛んでいった。

「ま、宇宙、彼方、おいで……!」

痛む腕を伸ばす尊、に背を押されたふたりは駆け出してベッドによじ登り、そのまま飛びついた。足は全くの無傷なので、尊はふたりを膝に抱えて強く抱き締めた。に話そうと思ってたのに、と腹を割って話そうと思ってたのに。

自分ひとりのことだけを好きなだけブチ撒けようと思っていたのに。

「パ……みこ、痛い?」
「みこ、大丈夫」
「みこじゃなくていいよ、パパで、いいよ。パパって呼んで、いいから……

言いながら尊は泣き出し、驚いた宇宙と彼方が揃って頭を撫でるので、くしゃくしゃと顔を歪めた泣き笑いになってきた。尊は少しだけ身を引いて、ふたりの頬に触れる。

「ねえ、宇宙と彼方のパパって、誰なんだっけ」
……みこ」
「みこって、オレだよ。オレがパパでいいの?」
……うん」

宇宙と彼方にとっては、それ以外の認識がないのだ。ユニコに「この人がパパだよ」と何度も教えられて、パパというものの顔はこれだ、と覚えてきてしまった。それなのにパパと呼んでも返事はなく、「みこ」と声をかけなければ相手にしてもらえなかったことは、よっぽど戸惑ったことだっただろう。

「宇宙と彼方のママは天国に行っちゃったから、今度はパパと一緒でいい?」
「うん」
「宇宙、彼方、パパと仲良くしてくれる?」
「うん!」

最後は、大きな声の、よいお返事だった。またふたりを抱き締めた尊は抑えきれずに嗚咽を漏らし、そしてを呼んだ。宇宙と彼方を膝の上に残したまま痛む体を捻ってに腕を伸ばし、彼女の手を掴んだ尊は強ばる体を無理矢理曲げて頭を下げた。

さん、一生のお願いです、オレ、この子たちの父親になりたい」

は尊の背に手を添えて体を戻してやると、ベッドの端に腰掛けた。

「いつか、そう言うんじゃないかなって、思ってた」
「だけど」
「昨日の夜、信長と、お兄ちゃんと、セイラちゃんと話した」

尊がぎゅっと手を握りしめるので、はその手の甲をゆっくりと撫でる。

「色々話したあとに、セイラちゃんに言われたの。『もし尊くんが双子を引き取りたいと言い出したら、許してやってくれないか』って。みこっさんがずっと揺らいでたの、セイラちゃんはわかってたみたいね。信長もお兄ちゃんも、反対しなかったよ」

また尊が俯いて泣き声を上げるので、双子がよじ登ってきて頭をよしよしと撫でる。アマナと寿里がそうするのを見ていたからだろうか、双子は尊が喜ぶ方法を知っているらしい。

「お兄ちゃんはね、正直なことを言えば、これから子供が生まれるのにさらに子供が増えるのはどうかと思うって。信長も、何の関わりもない他人の子、しかもふたりも、日中私が育てることになるのは負担が大きすぎてどうかと思うって。でもふたりとも、だけどこの騒ぎの顛末をカズサは覚えてると思う、持て余された子供を親たちがまた持て余して追い出したと、あの子は覚えているだろうって、だから尊がもし引き取ると言い出したんなら、もうそれは運命だと思って受け入れるって」

果たして尊は心の中に隠していた感情の爆発に逆らえなくて、ふたりに腕を伸ばした。

「どうしてもユニコの子だと思うと、嫌だったんだよ」
「元カノってわけでもないし、彼女を知れば知るほど重かったしね」
「だけど、この子たちにとって、パパって、父親ってオレだけだったんだよ、最初から」

繋いだ手が少しだけ震える。尊は涙の伝う顔を上げて、無理矢理微笑んでみせた。

、オレの告白、聞いてくれる?」

双子は尊をパパと呼んでいいと言われて上機嫌、ベッドの足元でリュックから絵本やおもちゃを取り出して遊んでいる。それを眺めながら、尊はと手を繋いだままぽつりぽつりと話しだした。

「この間、目的の話が出たでしょ」
「親方とか、エンジュのお義姉さんの話ね」
「そう。ユニコの地元を訪ねたのも、それを探しに行くつもりだった」

結局それは曖昧な結論しか出なかったわけだが、尊は自分の「目的」を思い出して帰ってきた。

「この間、孫煩悩だったみたいな話が出たけど、オレが生まれた時、既におじいちゃんは癌に罹ってて、おばあちゃんは一緒になって悲観してて、部屋にこもってほとんど出てこなかった。だから新九郎と由香里はめちゃくちゃ忙しかったし、頼朝はひとりで黙々と本読んでるような子だったし、オレはいつもひとりで、犬くらいしか遊び相手がなかった」

親方が病に倒れてから、亡くなって数年が経過する頃まで。それが新九郎と由香里にとっては一番忙しい時期だったに違いない。基本的にひとりを好むタイプの頼朝はともかく、一番甘えたい盛りの尊は、ぶーちんにすら回顧されるほどいつもひとりでポツンとしていた。

「そこに出てきたのが信長でしょ。アマナみたいな妹が欲しかったんだけど、カズサみたいな弟が出てきちゃった。みんな信長にかかりっきり。あいつもそれはそれでひとりの時間は多かったけど、オレはその頃、頼朝と信長が迷子になってこの家から消えればいいのにって、そう思ってた」

静かな病室に尊の声が吸い込まれていく。はいつしか撫でるのも忘れて、繋いだ手にぎゅっと力を入れたまま黙っていた。

「あの頃のオレが欲しかったのは、新九郎と由香里と、3人だけの生活だった。お父さんとお母さんしかいなくて、お兄ちゃんとか弟はいなくて、寝る時はふたりの間に入って好きなだけ甘えて、3人で手を繋いでお出かけして、アイス食べて、お風呂に入って。そういう生活をしたかった。兄弟なんかいらない。消えればいいのにって思ってた」

また身近な親友であった桃香と豪はどちらもひとりっ子、尊が追い求める「お父さんとお母さんとぼく」という生活を毎日を過ごしていた。尊は両親を独占したいと強く願っていたけれど、清田家はどんどん他人が出入りするようになって、ちっとも「親子3人」になれないまま自分だけがどんどん成長していってしまった。気付けば父と母を恋しがるのには恥ずかしい年齢になっていた。

その代わりとなったのが、女の子たちだったのだ。

父と母への強い気持ち、それを埋めるには、とてもひとりでは足りなかった。何人もの女の子が「みこ大好き」と語尾にハートマークがつくような声色で囁いてくれても、完全には埋めきれなかった。

「でも変なもんで、別に頼朝と信長が嫌いだったわけじゃないんだよね。家族5人でいるのも楽しかったし、自分の恋愛スタイルがポリアモリーっていうんだってことを知ってからは異常かもと思う気持ちもなくなったし、今はもちろん、新九郎と由香里を独り占めしたいなんて、思ってないよ」

幼い彼の「目的」は彼の体の真ん中に大きな穴を空け、それはたくさんの女の子に愛情を注がれても埋まりきることはなかったが、尊自身の気持ちはゆっくりと「家族が好き」という姿に形を変えていった。家族はいつしか増え、彼が愛するものはどんどん増えていった。

だが、彼の体の真ん中の穴は、空いたままだったのである。

決して自分だけのものにならない両親、その空虚を埋めたくて「変わらないもの」を求めた尊の前に、5年間もの遠距離恋愛を完遂して帰ってきた。桃香と豪の子供。甥っ子、姪っ子、寿里、犬たち。それらは彼を慰めたけれど、穴は大きく空いたままだった。

「だけどさ、この子たち、こんなちっちゃいからさ、写真かなんか見せられてこれがパパだよなんて刷り込まれてさ、コスモにそそのかされた時は喜んだんじゃないかな、パパに会える! って。それで遠くまで来たらさ、そのパパがパパじゃなかったんだ。嘘だったんだよ。オレはこの子たちの父親じゃない、母親であるユニコは何をどう頑張っても好意的に思えない、だけど、そうしたら、この子たちにとってはもう最後にひとつ残ったきりのパパっていうものを、オレが奪うことになる」

まだほんの3歳の宇宙と彼方である。ふたりは教えられたままに尊をパパだと思っていた。ただそれだけのことだった。幼い頃に欲してやまなかった父と母、自分はそれを独占したくて出来なかった。しかし、両親はありがたいことに健在である。愛する家族はたくさんいる。宇宙と彼方には、それがひとりもいない。母も祖父母もない。父と教えられた人は本当は父ではない。

「自分だけを愛してくれる人がほしいっていう気持ちは、オレが一番よく分かってるはずなのに……!」

布団の上に涙のしずくがボタボタとこぼれ、染みを作る。そうやって尊が嗚咽を漏らす度に双子はよじ登ってきて頭を撫でる。尊が泣きながら頬にちゅーっとキスをしてやると、ケタケタと笑ってまた戻っていく。は枕元のティッシュを引き抜くと、尊の涙を拭いてやる。

「この子たちのお父さんになったら、今までみたいに女の子と遊べないよ。それはいいの?」

すると尊はぎこちなく腕を伸ばしてにそっと抱きついた。そこに家族としての愛情以外の何も感じなかったは、ゆっくりと抱き返して背中を撫でた。

「母さん、おばあちゃん、、アマナ、ウサコ、今度生まれてくるウサコの子、ぶーちん、ナオとヨミ。オレ、心から愛してて大事に思ってる女の子は、こんなにたくさんいるから」

今までだって、家族より彼女たちを優先したことはなかった。彼女たちは幼い頃に埋められなかった心の穴をちょっとだけ塞いでくれるけれど、それだけの存在だ。誰ひとりとして自分の家族として迎え入れたい人ではなかった。だから、構わない。

そして尊は体を引くと、真っ赤な目でにっこりと微笑んだ。

、あの時、キスした時のこと、ごめんね。ひどいことして」
「ううん、キスまでは私も充分その気になってたし、みこっさんのこと王子様みたいに思ってたよ」
「あの時は本当にのこと好きだったけど、でも付き合うかどうかくらい、聞くべきだったよね」
……あの頃は、子供だったね、私たち」
「そうだね。オレも、も、自分はもう大人だと思ってる子供だったね」

尊はもう一度をぎゅっと抱き締めると解放し、息子たちを呼び寄せて膝に置いた。

、なんて呼ばせようか。寿里はお母さんて言ってるけど」
「一応立場は叔母さんなんだけど、みんな伯父さんのこと『みこ』とか『とも』とか呼んでるしね」
……やっぱり母の名はユニコに残しといてやりたい」
「もちろん。ゆっくり考えよ。この子たちが何でも話せるように、言いやすいのを」

尊はふたりと向き合うと、ピッと人差し指を立てた。

「宇宙、彼方。いいですか、パパは昼間お仕事があるので、その間はおうちでいい子にしててほしいんだけど、その時、このの言うことを、ちゃんと聞くんだよ。いたずらしたり、わがままを言ったりしないで、お兄ちゃんお姉ちゃんたち、赤ちゃんたちとも仲良く出来るかな?」

まあそんな一言言っただけで簡単にいくわけはないのだが、宇宙と彼方はまた片手を上げて「はーい!」とよいお返事をした。パパがやっとパパになってくれたので、嬉しくてしょうがないらしい。

……、本当に申し訳ない」
「気にしないで。みんな色んなことあるよ。だけどみんなでいれば、なんとかなるって」
がノブと結婚してくれて、ほんとによかった。が妹でよかったよ」

尊の顔には目尻から頬に渡る傷が残った。

看護師さんたちの言うように、傷があっても尊の「かっこよさ」にはなんら影響はなかったわけだが、それでも顔に傷を残した尊は以後その傷跡が数年かけて薄れていくまで、毎日鏡で自分の顔を見る度に、何も考えずに彼方を庇ってガラスの雨の中に飛び出していったことを思い出していた。

それは、ユニコの過去や、自分のライフスタイルよりも彼方の安全を選んだ瞬間だった。それを毎日繰り返し実感しながら尊は生きていくことを選んだ。その決断を彼の家族は歓迎し、また新たに家族となった宇宙と彼方をも、ようこそと両腕を広げて歓迎したのだった。