ルーザーズ&ラバーズ

Side-F 15

新学期、そのほとんどが内部進学である海南の3年生達はのんびりしている。外部受験クラスと違って内部進学クラスは授業も緩やか、部活も引退しているし、朝から残り少ない高校生活を惜しむように穏やかに過ごし、授業が終わると一斉に帰る。受験もないし、毎日遊びたい放題だ。バイトや教習所も多い。

そんな中、はまた米松先生の面談に来ていた。ホットはちみつレモンである。

「なんか揉めてるんだって?」
「まーね。お母さんがナナコを退学させたいって言っててさ」
「だけどそれもうずっと言ってるよね」
「今までは平行線だったんだけど、兄が退学賛成になったもんだから、父親が激怒してて」

元々ナナコ自身はさっさと退学してしまいたいと思っていたようなのだが、父がそれを許さなかった。父と母は平行線のままナナコは留年、と同学年を1年間過ごした。が、これまで中立だった長男がもう退学してもいいだろと言い出して、家は現在大揉めの状態にある。

「私がいる間はまだよかったんだけど、卒業しちゃうからね」
「そういう理由?」
「そうだよ、知ってるでしょ、兄貴のナナコ溺愛っぷりは」

米松先生は「うへぇ」という顔を隠さないで苦笑いをした。そう言えばそうだった、という表情だ。

「本人ももうすぐ就活始まるし、なんか自分が独立したらナナコ引き取りたいとか言い出して」
「えええええ」
「笑っちゃうでしょ」
「ナナコはなんて言ってんの」
「やだって言ってる」

そう、兄はナナコを溺愛しているが、ナナコの方は父と兄と離れることを望んでいる。米松先生はナナコのその意志が崩れないことを祈りつつ、今日はナナコのための面談ではないので、話を変える。

「そんな中では大丈夫?」
「まあ別に自宅で毎日大喧嘩してるわけじゃないし、私は揉め事の中に入ってないし」
「藤真くんはどうしてる?」
……会ってないから」
「連絡も取ってないの?」
「たまにおはよーとか連絡するくらいだけど」

気まずくなっていても、一応繋がりはある。良き理解者であったことは覆らないし、藤真の方はへの思いが変化しつつあるし、にとっても藤真との関係は一瞬で嫌悪に変わってしまうものではなかったようだ。

「会いたいな〜とか思ったりする?」
…………たまに」
「だけど会いたいとは言えない?」
「その時自分がどうなるのか、わかんなくて怖い」

は米松先生から目を逸らし、寒風吹きすさぶ窓の外を見ている。

「予選までの間、すごく幸せだった。健司といると、自分が落ちこぼれだなんて思わなくて済んだし、ナナコもいないから戦わなきゃって思わなくてもよかったし、誰も私たちを負け犬だなんて言わないし」

それは藤真も同じだったろう。もう冬の予選しか後がない、これで勝てなかったら一度も牧に勝てないまま3年間を終わるのだという思いに押し潰されそうになっていた日々、そんな中、少し離れた場所にいたは何より心が安らぐ相手で、幸せな日々だったに違いない。

「だけど今、健司に会ったら、嫌味を言っちゃいそうな気がする。あんたはいいよね、どこが負け犬なのって、健司だって牧に一度も勝てないままなのはよくわかってるのに、そういうこと言って、絶対傷付ける気がする」

で、気持ちの置きどころがないわけだ。

「それでもいいから会いたいって言われたらどうする?」
……会いたいけど会えないって言う」
「ははは、それはつらいな」
「別につらいとかそういうことじゃ……
「ああいや、じゃなくて藤真くんがだよ」

藤真と会って話したことを言うつもりはない。しかし米松先生は藤真の気持ちがの心に明かりを投げかけるのだと確信していた。藤真にとっての瀬田さんのように、には一瞬で心の晴れる時など訪れないのかもしれない。けれど、いつかその時が来るのだとしたら、それは藤真にしか出来ないと米松先生は考えていた。

「藤真くんももう引退したろ。に会えなくて寂しいんじゃないかな」
「そ、そんなことないでしょ、まだ監督はやってるって言うし、瀬田さんと会ったとか」
「やだな〜、そういうのとは別に決まってんじゃん」

むず痒そうな顔をしているだが、米松先生は手を緩めない。

「監督は疲れるし、瀬田さんも緊張するだろ。だけどと一緒に過ごすのは幸せで嬉しくて安らぐだろ。だから、藤真くんにとっては『特別』なんだと思うけどなあ。他の誰かじゃダメなんだよ。いくら褒められたって、本当の藤真くんを知ってるのはだけなんだし」

はカーッと頬を染めて俯いた。藤真と傷を舐め合っている間は感じなかっただろうが、他人から改めて言われるとものすごくラブラブにでも聞こえたんだろう。切なく苦しい過去があることを除けば、まあそう考えて差し支えあるまい。

……先生って、奥さんラブなんだよね」
「そりゃーもう! 先生の奥さんは宇宙一だから」

愛情豊かな米松先生は奥さん大好き、好きすぎて子供が4人な人である。ちなみに本人の談によれば、愛する奥さんと結婚してから太り始め、奥さんへの愛情とともにベイマックスのように成長してきたとのこと。あくまでもそれ以前はナイスバディのイケメンだったのだと言い張っている。誰も信用していない。

「奥さんと会えなかったら寂しいの?」
「そりゃそうだ。修学旅行とか地獄だよ」

米松先生が真顔でそんなことを言うので、はつい吹き出した。

「いや、笑い事じゃないよ。恋人同士とか夫婦なんて喧嘩して当たり前、いつか憎み合うものみたいに言う人もいるけど、そうじゃない人だっているんだよ。先生はそれなの」

は自分の両親のことを思い出したが、自分にはあまり関係のない話だった。父親の興味は上から順に減じて行くので、は一番関心を持たれていないし、兄の興味は95パーセントくらいナナコだし、母とは仲良く出来ているけれど、の方も執着がないし、そういう意味で言うなら、よっぽど藤真の方が大事だ。

予選の前までは、藤真に欠けたまま戻らないものを取り戻して欲しいと思っていた。海南の勝敗はどちらでもよかったし、それならいっそ藤真のために翔陽が勝てばいいと思っていた。自分と同じ苦しみを知る藤真に、そこから抜けだして欲しいと願っていた。大事な相棒だから。そのはずだったのに。

「私、健司のこと大事に思ってるつもりだった。予選も勝って欲しいって思ってた」
「今はどう?」

年末に藤真と話したのと同じような展開になってきた。米松先生はにこやかな笑顔を保ちながら、細心の注意を払っての言葉を取りこぼさないように身を乗り出す。またお腹がつかえているが、今日は我慢。

「今……
「ふたりで甘え合ってた頃と、今と、の藤真くんへの気持ちって、変わった?」

少し考えていただが、やがて顔を上げるとゆるりと振った。

「それは、変わってないんじゃないかな……そんなこと考えたことなかったから」
「どんな風に思ってる?」
……大事に、思ってる。大事な、人、なんだけど、先生、怒らない?」

内心ぎくりとした米松先生だが、そこは伊達に落ちこぼれ部担当を何年もやっていない。笑顔で頷く。

「やっぱり、私なんかって思ってる。大事に思ってるのに嫉妬するし、だけどもう前みたいに嫌いになんかなれないし、そういうのがなかったら会いたいと思うけど、お前なんか私に比べたらって、思わない自信ないよ」

米松先生はこれまで絶対に自虐を許さない姿勢を取ってきた。自虐は何も生まないどころか、続けているとどんどん自己評価を歪め、自分自身と真正面から向き合えなくなり、その上簡単に治らないからだ。一度歪んでしまった自己像は不治の病にも等しい。それならいっそ、過大評価しているくらいの方がいいという主義だ。

けれど、米松先生はキャスター付きの椅子でゴロゴロ転がりながらに近付くと、ふくふくした手を伸ばして頭をわしゃわしゃと撫でた。米松先生が自虐発言を咎めなかったのはこれが初めてだ。

「それ、藤真くんに言えばいいじゃん」
「えっ、何言ってんのそんなの――
「それもの気持ちだよ。藤真くんに、全部言ってみたら。怒らないように、ひとつずつ、本当のことを」

米松先生の眼差しがあまりに真剣なので、は反論しようとして上げた手をそっと膝に落とす。

「そんなことして、嫌われない?」
「なあ、自分に置き換えて考えてみなよ。藤真くんにそんな風に言われたら、嫌いになる?」
「私はならないけど、そんなのわからな――
「大丈夫、、藤真くんを信じてみなさい」

もちろん米松先生は藤真と話して彼の本音を知っているからこんなことが言えるだけだ。それでも米松先生はにとっても藤真にとっても、それが一番いいという確信を持っている。

「先生はも藤真くんも、信じてるよ。ふたりともつらい思いをしながら頑張ってきた者同士で、だけど卑屈になったりしないで、同じ思いをした人を大事に出来る、それは素晴らしいことだと思う。この先ふたりの関係がどうなったとしても、そういう気持ちはずっと大事にしていて欲しいな」

頭を撫でる手には手を重ね、目を閉じると微かに頷いた。

米松先生との面談を終えたは、のろのろと昇降口を出て下校しようとしていた。体育館の脇を通り、今日も練習に明け暮れているバスケット部を見ないようにしながら、足早に歩く。ボールの跳ねる音、バッシュの軋む音すら今は無性に心を騒がす。

そんな風にして、いつかたちダンス部が座り込んでアクロバットの計算をやり直していた入り口の所まで来た時のことだった。は聞き覚えのある声に呼び止められて顔を上げた。

「やっぱりちゃんだよね? 久しぶり!」
「え? 、知り合いなのか」

顔を上げたはげんなりした上に青い顔になり、面倒くさいあまり、少し頭痛がした。瀬田さんと牧だった。

「知り合いっていうかこの間――
「この間たまたまマックスと一緒にいる時にね。お久しぶりです」
「あ、う、うん、久しぶり――

米松先生に誘われたからとはいえ、藤真を見に予選に行ったなど知られたくないは瀬田さんの言葉を強い口調で遮った。牧はきょとんとしているし、瀬田さんは何かマズいことを言ってしまったかと目が泳いでいる。

、頭はどうだ」
「なーんにも。大丈夫だよ、後遺症も出てないから」
「そうか、それならよかった」
ちゃん、今から帰るの?」

世間話で済ませたいが牧に愛想笑いをしていると、瀬田さんが体育館の中から出てきて近寄ってきた。

「はい。米松先生なら社会科準備室ですよ」
「そっちはもう行ってきたよ。帰るなら送っていくよ、と思って」
「え、そんな、悪いです」
「いやその、少し聞きたいこともあって、途中まででもいいんだけど」

瀬田さんが何かヨコシマなことを考えているわけでないことはわかるので、は首を傾げつつも、まあいいかと頷いた。寒いので車で送って行ってもらえるなら助かる。それなら車を回してくるからと駐車場に向かった瀬田さんの後ろ姿を見送ったと牧は、しばしポカンとしていた。何なんだろう。

……、まだ、つらいか?」
「だから大丈夫だって言ったじゃん」
「そうじゃなくて、その、気持ちの方」

引退したので制服姿の牧は、体育館の入口ドアに寄りかかって、足元を見ている。

「無事に退院したのは聞いてたけど、大会もアレだったみたいだし、辛かったろうと思って」
……うん、辛かった。ライヴハウスに入り浸って、頭振り回して踊ってた。このまま死ねばいいやって思って」
「そんな――
「今はもうそういうの、ないよ。平気。辛かったけど、死んじゃえばいいやなんてもう思ってない」

驚いて目を剥いている牧を見上げたは、彼の向こうに藤真を見た。海南のシンボル、誰よりも強くて誰よりも厳しくて、だけど歴代の主将たちのように寛大で大きな器の、そういう牧の向こうに、は藤真を見ていた。牧に3年間1度も勝てなかった藤真が見える。

に、わかるよ、同じだねって言ってもらいたかった――

私たちはずっとこの人に負けてたのかもしれない。一度も勝てたことがなかったのかもしれない。だけどそれを負け犬だと言ったのは誰? 落ちこぼれだといったのは誰? 少なくとも、牧じゃなかった。

「同じ思いした人がいたから……その人が一緒にいてくれたから、もう平気」
……それって」
「牧だって、勝てないことあるんだし、私たちだっていつか勝てるかもしれないから」

海南は冬の選抜本戦でも優勝に届かずに終わった。牧はの言葉に何かを勘付いたようだったが、それを追求する気にはならなかったらしい。ゆっくりと頷くだけで、深追いはしなかった。

「そりゃそうだ。みんな勝ちを目指してるだけで、そういう意味じゃオレもたちも、何も変わらないだろ」
「ありがと」

それだけでもう充分だった。牧は何かを察したし、はその言葉に心の中でいつまでもつかえていたものがポロリと外れた気がした。藤真に嫉妬してしまう気持ちは残っているけれど、バスケット部や牧に対して抱いていた劣等感がサッと流れて消えていくのを感じていた。

「じゃあ、またね」
「おう、瀬田さんにお礼言っておいてくれるか。あと、オレも負けないからって伝えといてくれ」

牧はそう言ってニヤリと笑った。藤真が瀬田さんの出身校に進学することは当然知っているはずだ。伝えておいて欲しいのは瀬田さんか藤真か――はそれには返事をせず、親指を立てただけでその場を立ち去った。私だってもう負けないから――そんな気持ちをしっかりと飲み込みながら。

駅に近い門の方へ出ると、瀬田さんの車が待っていた。瀬田さんはやはり190センチ前後の身長だが、車は小さめ。米松先生もだいぶ大きいが、彼も車は小さめ。はそれが可笑しくて、つい笑ってしまいそうになる。

「すみません、わざわざ」
「何言ってんの、オレが誘ったんだよ。あ、いや、誘うって嫌な言い方だね」
「あはは、そんなことありませんよ。寒いので助かります」

瀬田さんはちょっと顔が怖いけれど、優しくて頼れる感じのする人だ。なぜか海南の主将はこういう人が多い。

「そういえば、アウトドア部のBMXを寄贈してくれたのって、瀬田さんだったんですね」
「ああ、そうそう。ちょっと年俸がいい感じだった時にね。せめて何かしておきたいと思って」
「バスケ部の主将だったからですか」
……オレが主将やってた頃は、アウトドア部みたいなのはなかったからね」

瀬田さんは落ちこぼれ部創成期の話をしながら、少し遠い目をした。

「退学しちゃう子も多かったし、米松先生には頑張ってほしいと思ってさ。今もそうだろうけど、男子の脱落者のほとんどはバスケ部だろ。何か出来ないかって思いながら、先生と話すくらいしか出来なかったから」

BMXは自分でちょっとやってみたいと思ってたからつい、と言って笑った。1月の曇り空の下、信号待ちの停車で静まり返る車内、瀬田さんは笑い顔を引っ込めると、言いづらそうに口元をしきりとこすり、やがて口を開いた。

「あのさ、藤真くんの大事な人って、ちゃんのことかな」

一応落ちこぼれ部の部長であったは感慨に浸っていて、急にそんなことを言われたので大いにむせた。

「な……
「いやその、それを咎めてるとかじゃなくて、どうもその、藤真くんが落ち込んでるもんだから」
「落ち込む……ですか」
「なんて言ったらいいのかな、自分を責めるような感じなんだよね」

しかしとりあえずには心当たりがなくて、何とも言い様がない。

「詳しくは話してないけど、大事な人にひどいことをしたとか、そんなことを言うもんだから」
「それが……なんで私だと思ったんですか」
「落ちこぼれ部の話とか、すごく聞きたがってさ」

しかも冬の予選の時、なぜ海南の教師である米松先生が藤真と面識があるのかということについて、「を通じて」と聞かされていたのだという。それしか情報がないので、単純にくっつけて考えてしまった。

「オレも高校時代、大事な人がいたんだ」
「彼女さんですか」
「いや、付き合ってなかった。……脱落者だったんだ」

はサッと瀬田さんから視線を逸らして窓の外を見る。なんとなく、聞くのが怖い。

「結論から言うとオレが振られたんだけど、脱落者とバスケ部でも関係ないって言っちゃったんだ」
「言っちゃっ……それ何か問題ありますか」
「あったんだよ。自分はそんなこと気にしてないのに、なんでその前提なんだって怒られてさ。部活上の立場で付き合うのなんて嫌だ、ってね。今から考えると当たり前のことなんだけど」

それが3年生の2学期だったそうだ。その後、大学1年の時に怪我をして額を陥没させた時、瀬田さんは見舞いに来てくれた彼女に向かってまた口を滑らせた。彼女が励ましてくれるので「頑張って這い上がってみせる」と言ったのだそうな。

……それもダメだったんですか」
「高いところから落ちたと思ってるんだね、って言われた」
「厳しい方ですね……
「そういうところも好きだったんだけどね」

苦笑いの瀬田さんは片手で首筋を掻いている。照れているらしい。

「オレと藤真くんが同じ状況にあるとは思わないけど、オレは彼女に対して後悔があるし、藤真くんにはそういう後悔を残してほしくないし、もしその『大事な人』がちゃんだったら……と思って」

期待の新人の高校生活に悔いが残らないように、ということか。そう考えてはそっとため息をつく。藤真が落ち込んでいるのだとしても、なぜ自分がその話を聞かされなきゃいけないんだろう。自分の好きだった人が脱落者だったから何だって言うんだ。

途端に不貞腐れただったが、瀬田さんは続ける。

「去年の話になるけど、同窓会でその彼女と久しぶりに会ったんだ。そしたら、いきなり謝られた」
「えっ、何でですか」
「彼女も後悔してたって言うんだよ。あんなこと言ったけど、本当はずっと脱落者ってことに囚われてたって」

瀬田さんのことは嫌いでもなんでもなかったし、告白されたのはすごく嬉しかったのに、海南バスケット部の主将のくせにバカにするなという思いがどうしても拭いきれなかったという。瀬田さんが怪我をした時も、ざまあみろと思ってしまった。這い上がると言う瀬田さんへの言葉は嫌味でしかなかった。

「それ……どう思ったんですか」
「どう思うというか、少し話して、それで、思ってたことをちゃんと言えばよかったね、ってお互いに」
「瀬田さんも言えなかったんですか」
「言ってたつもりだったけど、今思うと、確かにオレもすごく気を遣ってた気がするんだ」

彼女は脱落者で自分はバスケット部の主将だから――それを気にしていないのだと、気にしていないことを知ってもらわなくちゃならないと、そういう気持ちがずっとあったと言って瀬田さんは少し遠い目をした。

「藤真くんだけじゃなくて、ちゃんにも、後悔は残して欲しくないんだ」

はまた窓の外に目をやりながら、ぼんやりとその声を聞いていた。

「例え、いつか離ればなれになってしまうのだとしても、今がその時ではないんじゃないかな」

だとしたら、残り少ない時間の中で、何が出来るだろう。