エンド・オブ・ザ・ワールド

End of the World. supplement

ミライと未来編2

(翌日、再度春美を自宅に呼ぶと、岩田氏まで一緒にやって来る)
「あっ……ご無沙汰してます」
「久しぶりだね鉄男くん。変わりないかい」
「はい、おかげさまで」
「すまないね、僕まで」
「い、いいえ……
「ミライちゃん、こんばんわ。お邪魔します」
「お、お久しぶりです」
「ミライ、これお弁当買ってきたの。今日はこれでいいわよね」
「わ、ご、ごめん……
「食べられるかい」
「は、はい」
「いいことだ。食欲は生き物の基本だからね」
(ミライと鉄男の住む2k程度のアパート、小さなテーブルを4人で囲む)
「呼ばれてないのに僕まで来ちゃって申し訳ない。だけど、僕からいいかな、ミライちゃん」
「はい」
「春美から話は聞きました。それ、誰から聞いた?」
「えっ!?」
「具体的な日付や時間はわからないと言ってたけど、場所や化学兵器を散布するということは知っているようだし、それは誰から聞いて知ったことなのかな」
「えっ、ええっ?」
「身近な人かな? 今のパート先の人? 鉄男くんと君が一緒になってもう5年近くが経つし、春美とも密に親しくしてきたから君がかの教団の関係者だとは思えないし、一体そんな話を誰に聞いたのか、せめて僕たちには話してくれないかな。もしかして君の親しい友人だったりするのかもしれないけど、かの組織は今とても危険だと疑わしい状態にあるんだ。もし君がそこと近い距離にあるなら、今のうちに考えを改めた方がいいと思う」
(ポカンとするミライと鉄男、身を乗り出す春美)
「ミライ、何も私たちは信仰自体を否定する気はないの。それは古くから人々の心の支えになって――
「ちょちょ、ま、待って! 何の話!?」
「何の話って、だってあなた、カルト教団がって言ってたでしょう」
「去年の夏にやっぱり毒ガス事件があっただろう。それが、かのカルト教団がどうも怪しいという報道が出たのはついこの間、元旦のことだ。以前から問題の多い組織だったけれど、殺傷能力の高い化学兵器ともなると話はまた変わってくるし、その情報があるなら話の出処を足がかりに事件を未然に防げるじゃないか」
「て、てっちゃん……
「ええと……
「ミライ、私たち別にあなたをどうこうしようなんてつもりはないのよ」
……はる、イワさん、ちょっといいですか」
「おお、もちろん。話してくれるかい」
「いやあの、ちょっとふざけた話に聞こえるかもしれないんですが、一旦最後まで聞いてもらえますか」
「鉄男くんからでいいのかい」
「は、はい」
「ええとですね、その……
「鉄男、大丈夫だから」
………………この、ミライは、未来から来た、未来人、なんです」
……は?」
……は?」

「生まれたのは、というかこれから生まれてくるんですが、今から3年後、オレが以前つるんでた仲間の子供として生まれてくるのがこいつで、本来は2015年の世界で高校生でした。それがあることをきっかけに5年前、オレがハタチの時に、ええとその、いわゆるタイムスリップをして、それで、戻らないまま、ここに、います」
「2015年……
「同い年というのも嘘です。実際はオレより3歳年下で、今年22歳、だから当然、戸籍はないので、結婚というのも、正式な話ではなくて、ただ自分たちで結婚したと言ってるだけの、そういう、話で……
(静まり返るリビング、しばらく沈黙が続く。やがて岩田氏が口を開く)
「ミライちゃん、証拠のようなものはあるかい」
……はい、あります」
(未来の小銭、ミライの学生証、スマートフォン、Suicaを並べる)
……なるほど、夢見がちな思い込み説を否定するには充分な証拠だ。じゃあどうやって時間を遡ったんだい?」
「それは、これです」
「腕時計?」
「これが、いわゆる、タイムマシン、です」
「これを腕につけて、何か操作をすると時間移動が出来る?」
「はい、過去と未来、一度に60年以内しか移動できませんが」
「なるほど、アナログ時計だからね。例えば僕が今これをつけて操作しても、時間移動できるのかな?」
「それはわかりません。作動する人と、しない人がいます」
「当然ミライちゃんは作動したんだよね? 鉄男くんは試してみたのかい?」
……オレは動きませんでした。他にも、元々その腕時計自体を所有していた人も、動きませんでした」
……ミライちゃん、君は過去の世界に何をしに来たんだい?」
「最初は、偶然です。タイムマシンだなんて知らずに、可愛い腕時計だと思って付けていて、学校に行く途中にいじっていたら、そのまま26年前の世界に移動していました。だから、何をしに来たとか、そういう目的はなかったです」
「なぜすぐに帰らなかったんだい?」
「ええと、父と、母の、出会いを邪魔してしまったんです」
「どこかで聞いたような話だね」
「その映画は私も見たことあります。だからこのままでは自分が消えると思って、映画のように父と母を出会わせようと、そのまま26年前の世界に滞在することになりました」
「でも今君が消えてないということは、ご両親はちゃんと恋に落ちたわけだね?」
……はい」
「それでもここに残ったのか?」
……てっちゃんと、一緒にいたかったので」
「ミ、ミライ……
「元の時代にはご家族や友達がいただろうに、それでもか?」
「はい。元々てっちゃんは私の父と友人でした。だから、私は、3歳とか4歳の時にてっちゃんと知り合っていました。てっちゃんは、私の、初恋の人、だったんです」
(同時に泣き出すミライと春美)
「それじゃあ、毒ガス散布の件は、君の記憶なんだね?」
(喉が詰まって話せないミライ)
「ミライ、大丈夫か……はい、そう聞いています。ただ、まだ彼女は生まれていないので、中学生の時の社会の先生にこの間の地震と合わせて体験談を聞いたに過ぎないと」
「よし、じゃあひとつ、聞いてもいいか。だったら、このタイムマシンを使ってその毒ガス事件を調べてくることが出来るはずじゃないのか? 少なくともミライちゃんは使えるんだろう? どうしてそんなに曖昧な記憶だけで春美を止めようと思ったんだ」
……既に、何度も過去を変えてしまったことがあるからです」
「過去を変えた? 何をしたんだ」
「まずはミライの両親です。ミライが本来の出会いを邪魔したので、最終的にはミライが聞いていたものとは全く違うルートを辿りました。ふたりが付き合うようになったという点では結果は変わりませんが、ミライが介在した時点でもう過去は変わっています」
「それで何か変化があったのかい?」
「ミライの両親に関してはわかりません。以来一度も未来に戻っていないので。だけど、その、ミライがここに残りましたので、少なくともオレは、人生がまるっきり変わっています」
……それはそうだな。これが本当の話なら君は存在しないはずの女性と暮らしてることになってるわけだしね」
「オレは、ミライが知っているオレは、本来なら、30代の後半に仕事の都合で愛知に転居し、そこで結婚をするそうなんです」
「ふむ。だけど君はもうミライちゃんと別れたりはしないだろうからね」
「はい」
「それだけでもかなり過去を変えていることにはなるね」
「他にも、ちょこちょこと。自分たちで望んで変えたことではありませんが」
「待って、ちょっと待って、だったら、だとしたら、あんたたちが私を見つけてくれたのって、鉄男が記憶を取り戻したのって、まさか」
……そうだよ。はる、覚えてるか、オレが記憶をなくした時、はるともうひとり、覚えてた人が、いただろ」
「ま、まさか、背が高くて、バスケットが上手なお姉さんて……
……てっちゃんが、子供の頃の記憶があんまりないって、だけど父親が死んだことで離婚をして引っ越してきたっていうのに、父親の葬式に出た記憶もないっていうから、てっちゃんが8歳の頃に、ええと、今からだと17年前に、本当のことを、探しに行ったの。だから、はるが、てっちゃんのお父さんにとどめを刺したところ、実は私たち、向かいの神社から、ずっと見てたの……
(泣き崩れる春美)
「あの事件から救えなくてごめん。もう、過去を変えたくなかったんだ」
……そうだな。あの事件がなかったら、我々誰ひとりとしてここにはこうして揃わなかっただろうからね」
「嘘をついていて、すみませんでした。本当に申し訳ありません」
……いや、よく話してくれた」
「信じて、くれるんですか」
「少なくとも僕は信じよう。というか、僕は、今の今まで、自分の人生というものが本当に下らなくて意味のない、とても空虚なものだと思ってたんだ。春美と出会って所帯を持ったことは唯一の幸福だと思ってきた。そこに君たちというまるで娘と息子みたいな存在が現れたことだって、いつか消えゆくかりそめの奇跡みたいなもんだろうと思ってきた。だけど、そうじゃなかった。僕の人生にも意味があったんだ」
「イワさん……?」
「僕が以前反社会的組織の一員だったことは、知ってるね」
「は、はい」
「その頃の知人に、戸籍売買をやっているやつがいるんだ」
……えっ?」
「春美、すまん、僕の最後の悪事だ。ミライちゃん、この時代の人間になろう」

(春美が落ち着いたので食事を取りつつ)
「だからこんなに貯金に躍起になってたのね」
「まあ、確かに実際金があればなんとかなるということは多いからなあ」
「てか病院とかはどうしてるのよ」
「幸い滅多に風邪も引かないから、そこは市販薬でなんとかしてきたんだけど、去年むし歯が……
「それに、自費でって言い出す方が逆に不自然じゃないかって話になって」
「どうしたのそれ」
「この腕時計の元の持ち主がオレより少し年が上の女性で事情を知ってるから、彼女のを借りて少し遠いところの歯医者に。職場が近いとか言って。それだけかな。免許関係が困ったなとは思ってたけど」
「まあ確かに、例えば税金や年金関係にしても、未払いで逃げ回ってるってのと違って存在しないんだから請求のしようもないしな」
「そういうのも結局金があればなんとでもなるかなと……
「例えばふたりが商売を始めたとしても鉄男くんの名義にしておけば問題はないわけだしな」
「バイトやパートくらいだといちいち履歴書の内容を精査したりもしないしね……
「じゃあミライちゃん高校行かれなかったんじゃなくて」
「そ、そうです。高2の時にタイムスリップしてそのままです」
「他にこれから起きることで覚えてることはあるかい?」
「えーと、何から話せばいいやら」
「新潟に地震」
「えっ!?」
「ええと、覚えてる言葉は、たぶんだけど、新潟中越地震という名前だけで」
「中越って、まんま長岡が入ってるじゃない」
「だけど長岡という地名は記憶にないんだな?」
「たぶん私がすごく小さな頃のことで、母親が話していたり、テレビで振り返っている映像を見たくらいなので……確か山でがけ崩れが」
「うーん、がけ崩れか。君たちの住んでたところも山に近いけど……。サトルくんには言ったのかい」
「いえ、まさか」
「だけど阪神の地震がちょうどいいきっかけになる。しっかり地震対策をするように勧めておいた方がいいよ」
……そういうのって、いいんでしょうか」
「過去を変えることになる?」
「だけどもし私がその毒ガス事件の被害者だったとしたら、既にここで変わってるわよ」
「そ、そうなんだけど……
「それにサトルくんに進言するくらいなら大した影響力はないと思うね。しっかりやっておけよとアドバイスしたところで、サトルくんやそのご家族がそれを軽視して何もしなければ変わらない」
「他にはないの?」
「ええと、私も子供の頃の記憶でしかないものもあるから、正確じゃないことの方が多いと思うんだけど」
「それはしょうがないわよ」
「えーと、2011年、3月11日、14時46分」
「なんだ、急に具体的な数字が出てきたな」
……はい。東日本、大震災」
……何?」
「ものすごく、大きな地震が来る」
「東日本てことは、ここも入るな?」
「この辺は、震度5弱くらいだったかな。だから言うほど地震の被害は多くなかったけど、東北が、ものすごい大きな地震で」
「関東大震災よりもか?」
「関東大震災がどれくらいかわからないんだけど、とにかく東北がものすごい津波で、それで福島にある原発が爆発して」
「は!?」
「確か震源は海で、陸じゃなくて、最大震度は7くらいあって、だけどとにかく凄まじい津波が」
「あんたは何もなかったの。怪我とかしなかった?」
「その時私はまだ学校にいて、友達と喋ってたら立っていられないくらいの揺れが来て、怖かった」
……さすがにそういう話になると、知っていたからと言って」
「もしかしたら私が話したことで何かがずれてこの話も正確ではなくなるかもしれない」
「まあ、そうだな。そんな大きな事象に対して我々のような卑小な存在が出来ることはたかが知れてる」
「あとは……私がほんとに小さい頃の話だったと思うけど、ニューヨークのビルに飛行機をハイジャックしたテロリストが突っ込んで」
……知っててもどうにもならんな」
「あとね、アメリカの大統領にね、黒人さんが」
「何!? それはすごい!」
「あ! いいともが終わるよ!」
「何ィッ!?」
「何だって!?」
「嘘、タモさん死んだの!?」
「死んでない死んでない! タモさんは元気!」
「なんてこった……いいともが終わるなんて……おいまさかとは思うけどタモリ倶楽部は終わらないよな!?」
「だ、大丈夫、たぶんやってる。Mステもやってる」
「あなた落ち着いて」
「す、すまん、いいともはタモさんが死ぬまでやってるもんだとばかり思ってて」
「正確なことがあんまり記憶になくてごめんね」
……いいのよ、未来のことを全て知っていたって、さっきの大きな地震を止められるわけじゃないわ」
「来るぞ来るぞと言いながら東海に地震が来る前に阪神に来たように、今ここで僕らが大きな地震が来るぞと騒いだところで誰も本気にしないしな」
「じゃあええと話が戻るけど、その毒ガス事件ていうのは」
「日付がわからないの。中学生の時の先生が授業の中で思い出話みたいにしてくれたり、あとはずっと逃亡してた人が逮捕されたりしてニュースとかで事件を振り返ったりしてるから多少は知ってるけど、っていう」
……オレのバイト時代の先輩が暴行事件に巻き込まれるんだけど、それをその妹が止めたくて、何度か過去に干渉したことがあって」
……止められなかったんだね」
「最終的には事件当日に現場を通報するという手段に出たりもしたんですが、ほんのちょっとのことで物事が噛み合わなくなって、時間や日付がズレたりして、結局事件自体は回避できなかった」
……そうだろうね。僕が疑ったように内部からの情報漏洩ならともかく、今僕がミライちゃんの話だけを拠り所に、かの団体がとんでもないテロを画策してるぞとご注進に及んだところで警察は100パーセントは本気にしないだろうし、じゃあ突っついてみましょうかってなったら、ミライちゃんの言うように、計画が練り直されて実行が先送りされるとか場所が変わるとか、我々にはそんな程度の影響力しかないだろうからね」
「あの、戸籍なんて、本当に手に入るんですか?」
「僕が売買をしていたわけじゃないから何とも言えないけど、連絡を取ってみようと思う。通常は外国籍の人間、まあそれもアジア人でなければ難しいわけだけど、それに対して斡旋してたんだろうから、ミライちゃんのケースの方が発覚しにくいはずだ。その戸籍を使って何か不正を働くわけじゃないし、戸籍を手に入れてすることと言ったら、結婚と免許取得くらいだからな。納税もするようになるんだし」
……やっと、本当の家族になれるのね」
「は、はる……
「ミライ、それから鉄男も。私たちはあんたたちの親じゃないけど、それでも家族よ。正直言うとね、鉄男と再会した時に、まーきれいな女の子連れてきて、結婚だなんてまだハタチそこそこでずいぶん盛り上がっちゃったのねえ、いい子みたいだけど何年持つかしら、でも今はバツイチバツ2くらい珍しいことじゃないから構わないわよね……なんて思ったこともあったの」
「それは僕も思ってた。若いのにもう結婚だなんて、恋は盲目だな、醒めたときが怖いぞって思ったよ」
「だけど、私があんたと再会してからももう5年以上、あんたたちは真面目に地道に『ふたりで暮らす』ということを守ってきた、それは私やクミさんがよーく知ってる。大人になってから知り合って何年も付き合ってから結納だの何だの交わして夫婦になったような人より誠実な夫婦だってことは、身近な誰もが知ってる。それは尊敬に値するわ。だから、私たちもなんだって協力するからね」
「はるぅ……
(またグズグズ鼻を鳴らすミライ)
「それに、正直言うとね、過去が変わろうが、私の知らないどこかで誰かが例え不幸な目にあったのだとしても、失ったと思ってた甥っ子に再会できてよかったと思ってるの。それは私の幸福。それが罪なのだとしても、私は、既にもう罪なんか犯してるけど、だけど、それをありがたいと思ってるのが偽りのない気持ちだし、あんたたちは悪いことしてるからコソコソ生きなきゃって思ってるようなところもあるけど、人が人の世で生きるって、そういうことなんじゃないのかしらって今は思うのよ」
……どういう意味?」
「例えば、そう、さっき言ってたわよね、鉄男は本来ならもっとずっと先の未来で、ミライじゃない女性と結婚するって。その運命がなくなってしまったからと言って、さあその愛知の女性は不幸になると決まったのかしら。鉄男と出会わなければ、その先二度と素敵な男性には出会えないのかしら」
(思わず吹き出す岩田氏)
「笑い事じゃないわよ!」
「いやすまん、違うよ、その通りだなって思ったから。もしミライちゃんが未来人じゃなくてこの時代に生まれ育った子だったとして、誰か別の女の子と鉄男くんを取り合って、そして鉄男くんがミライちゃんを選んだとする。その時恋に敗れてしまった女の子と、その愛知の女の子、なにが違うのかって話だな」
「そうそう、そんな感じ」
「そうかなあ……
「そういう風に、未来人でなくたって誰かを不幸にすることはある。不幸にするつもりがなくても不幸にしてしまった、あるいは、そんなつもりないのに誰かを幸せにしたかもしれない。そういうことが折り重なって私たちは生きてるんだと思うわよ」
「さっき、どうしても変えられなかった先輩の事件、その被害者のひとりが、ミライの幼馴染の母親だったんだ」
「事件を未然に防げていたら、その子は生まれなかったかもしれないわね」
「誰かの悲劇が誰かの幸福になる……またその逆もあるだろうね」
「だから! それをいちいち気にして気に病んでコソコソ隠れて闇に生きるような真似をするくらいなら! 私は誰かを幸せにするために努力をする方を選ぶわよ!」
「おお、それだな!」
「は、はる……
「それでいいじゃない! 私も取り返しのつかない過去を持ってるけど、過去は変わらない、それでいいと思う。問題は今をどう生きるかでしょ! 未来も同じよ! 今ちょっと私たちは少し未来に触れちゃって、そこは『ずる』をしたかもしれないけど、日々に起こる出来事は3つや4つじゃきかないでしょう。回避できることにも限度があるし、だからって不老不死になれるわけじゃない。いいのよ、これでいいのよ」
(ミライと鉄男の手を取る春美)
「いいことも悪いことも全部、人生を謳歌しましょう。私たちにできることなんて、そのくらいなのよ」