Luces.

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04/2023

久しぶりの鑑賞記録。映画よりシリーズもの多。

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ほの蒼き瞳 ★★★★☆(3.8) マジでハリー・メリングが最高。あの子がこんな名優に…
THE BATMAN-ザ・バットマンー ★★★☆☆(3.2) そろそろこの手の鬱陶しくなってきた
ファンタスティック Mr.FOX ★★★☆☆ 懲りずにウェス。原作がアレだからアレな感じ
ラストベガス ★★★★☆(3.6) 踊るモーガン・フリーマン最高です…

アントマン&ワスプ:クアントマニア ★★★★☆
楽しかった! アントマンらしく軽やかで深刻になりすぎないテンポがいい! 今回アベンジャーズ側からはスコッティ、ホープ、キャシー、ピム博士、ジャネットだけしか出てこず、新キャラも多くないので、そういう意味でシンプルな良さもある。やっぱりスコッティはヒーローの心を持ってんだよな…! と感慨深くなるシーンもあるし、とてもオーソドックスなヒーロー映画。

が! フェーズ5、そしてマルチバースサーガ本格開始とでも言えばいいのか、新ヴィランのカーンが分かっちゃいたけどマジでどうやって倒すのこんなやつ…。サノスはまだそれでもインフィニティストーンありきなところがあったし、インフィニティウォーからエンドゲームに関してはデシメーションされてしまったことが大打撃だったわけで、解決策はその辺にあるなってのはまあみんな分かってた。と思う。けど今回のあいつはどーなんのかさっぱりわかんねえ…。願望も込みでロキとメビウスがその突破口になってくれたらなとは思うけど…。

しかもこのカーン、サノスより「何を言っても話通じない、理屈が全然異なる思考なので話しても無駄」て感じがものすごく強くて、「これは必要悪なのだ、私はその大いなる役目のために揺るがないのだ」っていうタイプのヴィランだったサノスの数倍厄介な感じがして、とにかく怖かった。というかジョナサン・メジャース上手すぎん…? まだ33歳ですってよ…? 何あの威圧感と狂気が知性と品格の服着てますみたいな迫力…私40代後半くらいの方かと思ってたよ…

しかし。だがしかしどうにもオーソドックスなヒーロー映画なだけに、結局「穏やかな暮らしを送ろうと努力してる主人公(男)の周囲の女たちが厄介事を起こしてその尻拭いをされられてるが英雄になっちゃう」ていう手垢のついたアレだったので、そこはちょっとなあ…と思った。トラブルの原因はジャネットとキャシー、何やかやで問題を解決したのはスコッティとピム博士、ホープはその間にいるけど結局アントマンをサポートするワスプでしかなくて、そういうところはだいぶ残念だった。

あとほんと蟻よ蟻。蟻!!!

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス ★★★★☆(4.2)
オスカーいっぱいおめでとう!!!

先にひとつだけ。キー・ホイ・クァン、役者としてのキャリアがほとんどない人の演技じゃないんだわ。普通にベテラン中堅どころの風格だし、改めて役者って、演じるって、「誰にでもなれる」ってことなんだなと思い知らされるし、やっぱり「いつ始めるか」なんて些細な問題だなと納得して帰ってきた。

未だにその理屈が腹立たしくてつい引用するんだけど、日本の某有名演出家は「長年の努力だけが結果を生むし、キャリアのスタートはせめて18歳くらいまでであるべき。若い頃から業界というものを体で覚えないとダメ」だと言う。キー・ホイの場合、役者のチャンスはなくとも業界にはいたので厳密には異なるものの、この理屈では努力したくても演じる側に入れなかった彼は「ダメ」ということになる。だけど今、彼は高い評価を受け、この作品の監督は「こんなにすごい人をハリウッドは見過ごしてきたんだぞ」と言う。業界のローカルルールに染まり切る「キャリア」なんかなくても、本当に優れた役者は何歳になったっていつから始めたってベストな演技が出来る。観客も業界人が見たいわけじゃない、素晴らしい作品が見たいだけ。

子供の頃、データとショート・ラウンドが大好きだった。彼はたぶん自分よりお兄さんだろうから、きっと今は学生に違いない、勉強が終わったらまたスクリーンで見られるようになると思ってた。でもそんな機会はなく、ネット時代に突入して調べてみても「今は裏方の方に興味があるので役者はやってない」らしいという情報しか出てこなかった。本人曰く、嘘だったらしい。30年以上振りに映画の中の彼に会えて、本当に嬉しかった。もう何十年も役者を休んできたのだから、もう死ぬまで思う存分役者を続けて欲しい。

作品については、それぞれが生きてきた人生によりけり受け取り方が全然違うタイプの物語だと思う。キャッチコピーみたいなものを作って「こんな作品だよ、わかる?」と言いたがる人が多そうな内容ではあるけど、その奇抜さに反して優しい心を持ってる作品だなと思う。全然話題になってないけど、娘役の人もすごくよかった。

アナザーラウンド ★★★★☆(3.6)
酒に溺れるマッツは最高なんすよ。言いたいこと描きたいこともわかる。そこは悪くない。ある種の現代人を縛り閉じ込める閉塞感からの解放ていう側面も見える優しい仕上がりでもある。

しかしだ。

アジア人、特にモンゴロイドにはアルコールを分解する能力が低い、あるいは全く機能していない体質の人が少なくない。その「アルコール脱水素酵素2型の不活性化」は日本人には多く見られるものの、実は白人と黒人にはほぼ存在しないとのこと。なので「酒を飲む」ということ自体が我々日本人の感覚とは極端に異なっている、という前提を頭に置いて見ないとならない作品。(とはいえこの不活性化体質は遺伝するようなので、この先東アジア人との混血が増えると変化するのかもしれない) あるいは舞台となるデンマークでは「法的にお酒を飲んでいい年齢」に決まりはなく、アルコール度数により店で購入出来る年齢のボーダーラインがあるだけなので、社会的にも「飲酒」という概念、文化は全く違う。つまりそれが長い歴史に与えてきた功罪も全く異なる。そこを押さえておかないと、ただの酒飲みの言い訳映画にしか見えないので注意が必要。正直、日本で上映するならR15くらいでもよかった気がする。

また、監督は制作の途中で家族を亡くしたことから内容を方向転換しており、飲酒文化をテーマにしていることは同じだが、より「人生賛歌」の作品になっている、ということも頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれない。そうしないと「人生をよりよく生きるために好きなだけ酒を飲んじゃえ」という物語に見えてしまうので。

マッツはほんと最高なんだけどね。

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 ★★★★☆ (3.8)
マッツ大正解だしアルバスとやり合うシーンほんと最高だったし麒麟ちゃんかわいいしジェイコブ相変わらず素晴らしい人だしクイニーよかったね…! とか、いいところいっぱいあるんだけど、なんせ前回あの盛り上がりで終わっておいてこれ…? というオチのクリーデンス、そして数年越しの取ってつけたようなアリアナの真実。アバーフォース出るっていうからすっごい楽しみにしてたけどその程度?! っていう。ダンブルドアの秘密ってサブタイだけどそんな大した秘密でもないし、みんなダンブルドアってアルバス1人のことだと思ってただろうけど家のことも込みだし、ゲラルトに対して愛情があるってことも別に秘密って程じゃ…そもそも本作よりずっと前に明かされてたことだったしね。だからわたし監督がよくないと思うのよ…ポタの時に制服を脱がせてパーカーに変えた人だし、ポタ以外の作もあんまり…って人だから、前作でようやくそれっぽいの出来るようになったんだと思ってたけどまた戻った、っていう。

個人的には前作からずっとバンティが気になってて、彼女を本当に今作中で示されているキャラクターのまま受け取っていいのか、ずっと疑問を感じてる。子世代におけるセブルスであれだけ読者を振り回した過去があるわけだし、どうにも彼女の「唐突に現れたティナより密接な関係にある人物、人物について助手という以外詳細なし」というところが気になって気になって。「でも愛してるの」「全て把握しているとは限らない(うろ覚え)」もサラッと流していいもんだろうか…

ほぼ公式なのかな? バンティは元々ニュートのファンで、のちに友達になり助手に、ってあるけど、ニュートがそんな簡単に?????? てのもちょっと疑問だし…。もしそのまま「先生を盲目的に慕うだけの助手」だとしたらちょっと意地が悪いし、そんな雑な仕事…と思うんだけど。そういうキャラだとシリーズ続いたら殺されそうだなあ。シリーズ自体が怪しいけども

イニシェリン島の精霊 ★★★☆☆(3.2)
まあ、雑に言えば煮詰めすぎて焦げたブロマンスというのも間違いではないと思う。世の男性は何かというと「女は怖い」というけど、そういう種類の「怖さ」を互いに全開にしてしまったおっさんとおじいさんの愛憎が美しい島の景観の中で繰り広げられるので、正直醜悪だなあとも。方々の解説によれば監督の生い立ちから来る様々なものを比喩だったり直接的にだったり込めているらしいんだけど、刺さりもしなければ唸るほど上手くも感じないというか…。アイルランド内戦に引っ掛けているという側面が強いのかもしれないんだけど、だとすると余計に実感として物語が遠くなるというか、現地で、近くで育った人ほど肌感覚で見られていないのでは、とも思う。何が込められているにせよ、凄まじくウェッティなおっさんとおじいさんが愛憎、というのが面白く感じないと見られたものじゃない。動物たちと妹の存在がなければ本当に苦痛な景色。そんな世界を描いてるのだから、正しいのだけども。

かといって、この手の作品は「奇妙に賢くない人物」や「極端に横暴な権力者」や「唯一まともな美しい人物」などが必ずセットになっていて、そういう意味では結構ありふれた作品だなあと。アンチムラ社会作品としてはかなり尖ってるのかもしれないけど、島を出ればムラ社会から解放されるわけでなし、振り上げた拳が下ろせないのはともかく、狭い場所だけで話が終わればいいけどね…と

バッド・バッチ S2 ★★★★☆
めちゃくちゃ気になるところで終わりやがって~~~!!! 次でファイナル、時期的にマンダロアの大粛清という可能性もあるし、それでなくともまだ18BBYくらいだろうから、寿命のことを考えても彼らの結末としてはどうしても「兵士としての人生を全うして散る」か「人間としてひっそり生きていく」のかの二択しかないと思うのね。実際反乱者たちで一時レックスは後者を選択していた時期があるので、果たしてハンターたちがああいう生活に慣れることが出来るのかっていうのは現時点では少々望み薄。途中兵士にしかなれない自分たちを少し引いた目で見られるエピソードがあったけど、結局自分たちの意志とは関係なく戦いの中に引きずり込まれていってしまうし、特にハンターとしてはオメガには人間として生きていってほしいと思ってると思うけど、当のオメガにのつもりがまったくないので、まだ子供の域を出ないキャラとは言え、あまりハッピーエンドも期待できず…。言ってもディズニー作品なので子供の域を出ないオメガが無惨に死ぬことはないのかもしれないけど、家族だと思っているクローン・フォース99をどれだけ失うかは本当に未知数。全員が生き残れば良い物語…とは思わないけど、クローン戦争終結後のクローンたちの処遇もストーリーの題材のひとつだと思うから、できれば多少の希望を感じさせる終わり方であればな…と願ってはいる。クローン・ウォーズS7最終話で心がズタズタになった記憶はまだ遠くないので…

マンダロリアン S3 ★★★★☆
そうは言っても世にいう「完璧なスター・ウォーズ」とは思ってない。やはりスター・ウォーズとはジェダイの物語だと思うので、グローグーがフォースセンシティブなだけではジェダイの物語とは言えないと思うし(実際修行は放棄してる)、バトルがアツいだけでスター・ウォーズだとも思えないのが正直なところ。ディズニープラスのスピンオフとしては、いわゆるネット論客が言いがちな「ポリコレ/棒」成分(差別やめような表現)がとても少なく、かつての男性中心のスター・ウォーズらしさが強いし、そもそもSWファンはやたらとEp5とボバ・フェットが好きなので、題材がマンダロリアンというのも評価の役に立ってるんじゃないかな。

かといってマンダロリアンシリーズが評価出来ないとかそういうことではなくて、これ自体は大好きなシリーズだし、グローグーていう凄まじいキャラクターを生み出した功績は計り知れないんだけど、やはり世の評価とは相容れないな~と実感した次第。

なのでなんといっても今シーズンのハイライトはグローグーがいかにしてオーダー66を脱したかのアレであり、某キャラが実写初登場で突然出てきたとか、あるいは途中ビッグ過ぎるゲストがあったとか、見どころはたくさん。マンダロアパートは正直それほどアツさを感じもせず、マンダロリアンのエピソードとしてはS2のタトゥイーンやフロッグレディのエピソードの方が楽しめたのが本音。そもそもマンダロリアンパートが抗争バトルアクションめいているだけで、それほどストーリーが強くないからかも。ダークセーバーの件もそんな騒ぐことなのか…と別の意味で驚いてたりもする。

このマンダロリアンを含んだあたりの集大成になるらしい映画が1つ控えてるので、マンドーとグローグーの物語がどう今後展開していくのかしないのかはまだわからないけど、ひとまず一段落、お疲れ様でした。できれば続いてほしいけど、どうかな…

ウィロー ★★★☆☆
元となった映画「ウィロー」は大好きな大好きな大好きな作品。シンプルで素朴だけど無駄がなく贅沢に要素を詰め込んだ、ネバーエンディングストーリーやラビリンスと並ぶ80年代ファンタジーの傑作だった。なのでその直接的続編のシリーズと聞いて浮き足立ったんだけど、蓋を開けてみたらヤングアダルト向けの軽~い感じのエモエモアクションファンタジーになっていて、タイトルこそウィローなんだけど、当のウィローがまったく活躍せず、しかもウィローというキャラクターが結局大した人物ではなかったという設定になっていて、なんというか…寂しい限り。

というかまさかこれをオリジナルリアタイ世代に向けて作ったわけではないと思うけど、かといって現役のYA世代にウケるのか…? という疑問はある。YA世代ってこれ見たい気になるのか…? でも日本の場合、主人公の女の子が金髪碧眼で痩せていれば評価されるので、まあ大丈夫なのでは。タイトル、「エローラ」にしちゃえばよかったのにね。

スーパーガール ファイナル ★★★★☆
主軸は相変わらずネタ切れ感がすごかったけど、いいファイナルだった。S1が大好きなので初代スーパーフレンズが話してるところだけで大満足。レナが大好きなので、彼女が無事だっただけで完璧。最後の最後にシャツがはち切れんばかりのジェームズの胸筋をありがとうございました。でも、このシリーズの指針というか、道標だったのはいつでもキャット・グラントだったなって、やっぱり思った。カーラは特別過ぎる特別なキャラクターだけど、ただの人間であり長短清濁全てを持つグラントさんこそがスーパーガールを体現してるんじゃないかな。

スーパーナチュラル S14★★★★☆(3.6) S15★★★★☆
大好きというほどでもなく、シリーズ後半に差し掛かってちょっと首を傾げるような展開もありつつだったのでザッと一見という程度なんだけど、長く愛されたシリーズの完結というものには、造り手の作品やキャラクターに対する愛情の程が見えるので、そういう意味では良い完結だったと思う。

フラッシュ S8 ★★★★☆(3.8)
まさにネタ切れ、シリーズとしてキャラクターや設定は好きだけど、次でファイナルでいいよね、という説得力はすごい。それにちょっとした不安を感じさせるイオバードの「可能性」にちょっとハラハラしてたのに、その挙げ句が顔バリバリ~「オレだよ~!」は大草原不可避。ファイナルS9にシスコと何らかのスナートが出てきてくれないかな~と期待はしてるけど、難しそうだよね…

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