Luces.

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12/2023

鑑賞記録2023年末

特に今年は視聴本数が少なく、66本。途中で合わないことに気付いて視聴をやめた作品を長々と見てしまったので、それだけタイムロスした感じ。みんなが好きって言うから把握しておこうかな、なんて無駄なことだったなあとちょっと反省。

2023年公開で見たものは少なく、でも一番よかったのは「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。ドラマは「探偵ロマンス」。2024年もたくさんエンタメを見たいけど、作業がもっと捗ってほしいのとで悩ましい。

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ピーターパン&ウェンディ ★★★★☆(3.6) アップデートウェンディと根の深いブロマンス
ステイ ★★★☆☆(2.8) はっきりしない解釈自由とか苦手で…
異動辞令は音楽隊! ★★★☆☆(2.8) 邦画らしい邦画。期待しすぎた
アリス(1988) ★★★☆☆ 確かにテニエルの挿絵がなければこういう作品が溢れていたのかも
AIRエア ★★★★☆(3.6) あの説得は実話なんだろうか。売れすぎワロタ
ライト/オフ ★★★★☆(3.6) 彼氏(未定)が単純バカいい人すぎるだろう…
地獄へとつゞく部屋 ★★★★☆(3.6) 雰囲気好き。でもみんなバカすぎないか
ラ・ジュテ ★★★★☆(3.8) フランスっぽすぎる。そして大塚明夫を堪能する30分
アナライズ・ミー ★★★★☆(3.8) なぜかなんとなく面白かった
クリスマス・ウォーズ ★★★☆☆(2.8) ネタは悪くないのになぜか面白くないやつ
ブラックフォン ★★★★☆(3.6) 面白かったけどなぜか微妙に後味が悪い
NOPE ★★★★☆(3.8) 見事なデザインと繊細な物語だけど没入しきれず
エスター ファーストキル ★★★★☆(3.6) やはり前日譚なので控えめというか…
ガール・オン・ザ・トレイン ★★★☆☆(3.2) ミステリっていうから見たのに…
ブルー・マインド ★★★☆☆(3.2) おっさんが絶賛するタイプのやつ
スプートニク ★★★☆☆(3.4) よくある感じの。露産てだけで台詞や設定に無駄な緊張感が…
アンテベラム ★★★★☆(3.8) お ぞ ま し い。現実にあり得るから余計に気持ち悪い
キャンディ・ケイン・レーン ★★★★☆(3.8) たのしい! PTX!
FREAKS フリークス 能力者たち ★★☆☆☆ 主人公のキャラ造形がひどい…高評価なの理解出来ん…
ファーザー・クリスマス ★★☆☆☆(2.4) 色々ひどい

マーベルズ ★★★★☆
おそらく「MCUとしてはどうであれ、映画として評価出来ない」って言われるであろうタイプの1本。実際、予習はなくても大丈夫!なんていう作品ではない。中身(ドラマ)も「キャプテン・マーベル」に比べてしまうと非常に薄い。

でもまあいいんですわ、ファンとしては。そんなことどうでも。Msマーベル大好きなので、本当に本当に本当に楽しかった。カーン家愛しすぎる。今回は前回よりかなりコミカルにポップに作られてるけど、それが「女子チーム」っぽさを際立たせていて、こういうところもMCUのいいところ。かと思えば、「シークレット・インベージョン」の重厚シリアスは何だったのというフューリーパートの、コミカルというか、正直無意味さというか、猫というか、にゃあああああ!!!!!! あの「メモリー」はあれへの当てつけとかでは…ないよね…? このくだらなさがMCUっぽい…! かと思えばモニカが! ラスト! 息止まったよマジで! ケヴィン・ファイギ「もうすぐお見せ出来るはずですよ」ってほんとにすぐだったじゃんよ!!!

このところヒーロー映画不振と言われていて、過去と比べると確かに数字は低調なのかもしれない。だけどエンドゲームまでの10年がおかしかっただけかもしれないし、まだまだヒーロー映画は楽しい!面白い!世界は広がる! ってのを実感してきた感じだった。今回のヒーローとしての活躍がどうでも、やっぱりキャロル・ダンバースは大好きだし、モニカもカマラも本当に大好き。みんな最高。思い返してみると主要なキャラクターの中に白人がひとりしかいないという、それはそれですごい作品でもあった。

ロキ S2 ★★★★☆
前作の方が怒涛の展開だったので狭く静かな印象はあるけど、キー・ホイ・クァンのウロボロスというキャラクターが秀逸。先日有罪判決が出て解雇になってしまったジョナサン・メジャースも演技自体はよかった。ミスミニッツとレンスレイヤーパートも常にホラーじみた演出が途切れなくて緊張感。今回の結末を迎えたことで、もう続編は作られないと思っていいんだろうか。ロキはともかくレンスレイヤーは終わってないよなあれ…

TAR ★★★★☆
単純にとても上手い映画。そこに当て書きでケイト・ブランシェットなので無駄がなく確かに洗練されたスコアのようで、意外性とかどんでん返しとか伏線とかそういうものはない。特にこの手の専門性の高い台詞が多い作品てのは共感を必要としないし、教訓だとか気づきとかも無用。それこそラストシーンの時点で彼女が得た境地だろうし、芸術に立ち向かう者は得てして世俗的な栄光や幸福を取り上げられてしまうことも多い。おそらくリディアには他に道がなかったし、彼女はなるべくしてなった結末にたどり着いたし、でもラストの彼女はまだまだ道半ばでもあり、出来ればもう10年分くらい彼女の辿る道を見てみたい気にもさせられる。残念なのは私にはラストの楽曲と観客の意味がすぐに分からなかったので、あれが分かっていたら拍手喝采だったかもしれない。でもこういう映画を好む人ってやっぱりあれがどういう意味なのかすぐにピンと来ない人が多いんじゃないのかな…? 不祥事起こしたけど芸能職やめられない人が見たら号泣なんじゃないだろうか。

search2 ★★★★☆
前作に引き続き今作もめちゃくちゃ面白かった。

とは言っても初っ端に突破しなきゃならないのが他人のパスワードで、普通ならそこで詰む。だからそこが「スマホよく分からなくて意味のあるパスワード使い回しの親とその恋人」であった時点で探索は比較的ハードルが低くなっていたわけだけど、なので一見「デジタルネイティブならではのスキルでネットを最大限利用して謎を解く」て感じだけど、それよりも「デジタルデバイスだらけの中で生活しているということと事件との絡め方」が上手すぎた…という感じ。

実際デジタルネイティブと言っても、スマホしか使えなければやっぱり今回の話は成立しない。スマホとパソコン(Macだけど)とスマートウォッチだけでなく、それが社会でどう機能しているか、どう使われているか、ということまで網羅できてないと厳しい部分もあった。友達の方がダイレクトに情報となるヒントを見つけるのが上手かったりもしたし。しかも主人公はデジタルデバイスを完全に使いこなしているようで、セキュリティはガバガバだったわけだし、ある意味では犯人の方が高度なデジタルスキルを持っていた。というか洋画見慣れてると主人公母子がどういう状態なのかは途中で予測がつくし、そうするとパズルのピースが一気に埋まり始めてしまうというユルさはあった。ただその「比較的低いハードルの前提」を基点に組み立てたストーリーの緻密さ、無駄のなさ、加えて見ている方にも先が見えないが何となく予想を付けられるようにヒントを散りばめる塩梅、そういうものが上手すぎる。まさに「謎が謎を呼び物語は二転三転、衝撃の結末」と言える出来なのでは。てかこれまだ作れるんじゃない…? 3いこうよ…

フリークス ★★★★☆(3.8)
普通に面白かったし、演者が実際の障がい者であることは現代人にとっては特に奇異には感じない、実に普通な感じ。しかも面白いことに、これだけユニークなキャストの中に入ってしまうと、似たような金髪白人女性であるヴィーナスとクレオの区別がつきにくくて、序盤は大混乱。当時も今も外見が平均値からはみ出すことは迫害の対象になるけど、この世界では逆に没個性に陥るってのはなんとも面白い皮肉。ハンスとフリーダは姉弟らしいけど、まあお姉ちゃんの可愛いこと。で、みんな驚愕のタバコに火。どうなってんのよあれ…ああいうのこそ「人間には無限の可能性がある」っていうんじゃないの…

ザ・セル ★★★☆☆(2.8)
な ん で ト イ レ 使 っ て 排 水 し な い の ? というか給水量に対して排水能力が負けるからってのは分かるけど、天井まで届いた時点で給水が止まるなら、トイレの排水でなんとかなるはず。タンクレスでも繰り返せば助けにはなると思うんだけど、こういうシーンで女は泣き叫ぶしか能がないって描写がな〜。洗面台の排水をどう止めているのかも謎。最初はセル内で漂白しているのかと思ってたけどそうでもなさそうだし…。しかも精神世界のデザインやトンデモサイエンスが高評価でびっくり。やっと80年代センスが抜けてきた2001年にこのけばけばしいデザインはちょっと古臭いと見る方が…マトリックスよりも後なんだけど…。その上被害者の生命がかかっているのに犯人のメンタルケアに必死になっちゃう主人公…これが80年代の作品ならまだ分かるんだけど…

ザリガニの鳴くところ ★★★★☆(4.2)
単純にものすごく面白かった。主人公の生い立ちや青春(?)についての描写がほとんどを占めているので、普段ならすごく退屈に感じたと思うけど、何をやっても誰と知り合っても危ういのが終わらず、案の定な展開になっていく…と、結末含めてそこそこ読めてしまうんだけど、それでも面白かった。原作小説があるようだけど、相違点はどの辺なんだろうか。主人公の育った環境を考えると都合のいい展開や設定も多いけど、そういう物語にしては嫌悪感はほとんどなかった。それは原作も監督も脚本も制作も(クレジット上の)全員が女性だったからだろうか。自然の中で暮らしたカイヤ、自然には善悪がなかったのかもしれないからね。

イコライザー THE FINAL ★★★★☆
原題は「Equalizer3」なんだけど邦題はファイナル。まあしつこく続編を求める気持ちはない。マッコールさんの「隣人愛」があの小さな美しい街で人々に囲まれた暮らしという形に結実するなら、それでいいというのが正直な感想。マッコールさんのお仕置は基本的に「自分以外の誰も助けの手を差し伸べてやれない人々」に向けられていて、敵の能力や規模は度外視。マッコールさんの目の届く範囲で市井の人々に危害を加えた瞬間、バカタレの運命は決まってしまうのだし、そこにドラマはあまり必要ない。傷を負ったマッコールさんがまだ死ぬことを許されず、階段を一段一段登り、疲労と葛藤が気力を奪っても、彼の隣人愛だけは尽きることがない。それは彼が見上げた十字架を背負った誰かに似ている…そんな雰囲気も感じられるロケーションに慈悲ゼロお仕置が炸裂でフィナーレ。これでいい…これでいいんだ…パスタ食おう…

バッドガイズ ★★★★☆(3.8)
話題性ばかりのキャスティングにしては良い方。とはいえ山口勝平さんと甲斐田裕子さんがいるとどうしても粗が目につくな…やはり斉藤貴美子さんは最高だな…と思ってたんだけど高橋真麻うめええええええええええリポーター役だからほぼ本職なのだとしても、ちょっと個性のあるキャラだったから上手く読めるだけでは違和感が出たであろう役どころ。アナウンサーって地味に吹替えいいんですよね。それがフリーの方でも基礎が違うのか、テレビ俳優よりよっぽど上手いということは結構ある。内容はまあ、キッズ向けとしてベストなところをきっちり線引いて取っていった感じ。猫かわいい。

ライダーズ・オブ・ジャスティス ★★★★☆
復讐ダメ絶対、とか、犯人確定してないじゃん、とか、そういうことじゃない映画。心の傷とセラピーにあたる様々な行動や感情やらを復讐劇に乗せた物語という感じな上に北欧映画なのでもっと雰囲気で見るタイプの作品だと思う。重苦しさと激しさの両極端マッツも悪くないが、今回はマッツでなくともよかったキャラクターかもしれない。でもきっとこういう拗らせ方をした弱ってるマッツを見たいと思った人がいたんだと思う

RUN/ラン ★★★★☆(3.8)
逃亡スリラーというか、何かの支配から逃れるタイプの作品はありふれてるけど、細かい所がきちんと現代化されていて、その辺すごく好感を持った。かつては主人公が都合よく愚かな行動をすることで緊張感が増し、結局最後は誰かに助けてもらって難を逃れるという展開が多かったけれど、多くのハンディを抱える主人公が自分で出来る限りの努力と挑戦を続けたのがとてもよかった。あるいは途中で差し伸べられる救いの手が、都合よく悪役を信じるなどの頓珍漢な行動がないのも。多くのレビューでは「母の愛」と元になったと思われる実際の事件から「代理ミュンヒハウゼン症候群」にばかり意識が向いているようだけど、着想を得たと思われる事件とは真相の部分で決定的に異なるアレンジが施されていたことで、母の愛も代理ミュンヒハウゼン症候群もスリラー表現のシステムであり、結局のところは主人公を奮い立たせた要素こそ物語の肝だったのではと思う。どうにも母の愛というものに対し神聖視が過ぎるきらいがあるようで、真相が明らかになれば納得の経緯なわけだけど、そこが汲まれてないのは作品がちょっと可哀想。代理ミュンヒハウゼン症候群も部分的に異なる意図が含まれているし、ちょっと違うんじゃないのかな。自分の力で道を切り開いていくことや、自分の意思、自分の選択こそが自由であり生きる意味であるという、まあアメリカ映画らしいテーマだったんじゃないかと思う。ラストも批判が多いようだけど、まあ当然と言えば当然の結末。なぜかこういう加害者を哀れに思い擁護したがる人は多い。というか、それが何であれ、「親に逆らう子」というものを許容出来ないんだろうなあ…

炎の少女チャーリー ★★★★☆(3.8)
こういう終わり方大好物…! ていうかそもそもネイティブ・アメリカンのメンズが大変好みでして、なのでとてもとてもとてもやばい…! あのあとどうなったんだ…! どうなったんだよお前らー!!!少しくらい匂わせて行けよー!!! いや、勝手に深読みをすればあのラストはそれまでの関係はどうであれ取り残された者同士にしか理解し得ない共感、例えがおかしいかもしれないけどストックホルム症候群のようなある種の結びつきが生まれてしまったわけで、全てを知る者がもう他にはいなくて、お互い失うものも持っているものもなくて、手を取り合うことしか出来なかったと思うんですよ。どちらも目の前の相手だけが自分を証明する存在というか。やばーーーーーい!!! エモーーーーーい!!!!!! 主人公が未成年だったからこの程度の興奮で済んでるけど、成人してたらこんなものでは済まない…

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル ★★★★☆(3.8)
きっとおそらく最初で最後の村井ハリソンをスクリーンで拝んできた。もう村井国夫の吹替えで育ってしまったので、本人の声に違和感を感じるレベルで、だけど村井さんの方も年齢を考えるとそれなりのクオリティかもしれないことは覚悟して臨んだんだけど、とんでもない、今でも変わらぬハイクオリティ! 多少モタつく箇所もあるんだけど、そもそもハリソン・フォード自身の年代を考えるとむしろ自然。というか村井さんの方がちょっと若く聞こえるし、なんなら過去の作品より声が低く深くなってて今の方がさらに美声! たまらん! たまらん村井ハリソン!

で、まさかマッツが話題性吹替えかと慄いていたキャストも蓋を開けてみれば安心安定の超絶技巧でほんとに井上マッツと坂本ヘレナの心地良さときたら…。そして大塚バンデラスの有難さ! これよ! これなのよ! というジャストフィット感。

肝心の内容に関してはまあ、絶賛はされないかもしれないけど批判もそんなにない程度、をきっちりまとめた感じ。クリスタルスカルがかなり冒険したと思うので、そういうリスクは取らずに「インディ・ジョーンズっぽさ」を集めて丸めてそぉい!!! ていう。なんせマッツの使い方が正しすぎて笑っちゃうくらい。アンティキティラ島の機械の翻案というかアレンジはかなり好みで、トンデモSF感は強いけど空のシーンのデザインやエフェクトはすごくよかった。だから系統としてはわりとクリスタルスカル系。ナチスとやり合ってるのは変わらなくても、失われた聖櫃や最後の聖戦とは異なる。なので旧三部作とはちょっと離して考えた方がいいと思う。十分楽しいし見応えもあるし感慨深い作品ではあるけど、その辺が好みの分かれ目かなあ。あと、全体的に満足だけど内容にしては長い気はする

ネタバレ

戸田マリオンはずるいわ…だからまあクリスタルスカルを無かったことにはしない直接的な続編ということになるんだけど、正直マットのキャラクターも演じてる人も好きになれなかったから、タイミング的にちょうどよく亡くなってる設定で個人的にはよかった。当時スピルバーグのお気に入りでキャスティングされたって感じで、しかもラストで「この子が後を継ぐかも…!?」みたいな演出が本当に嫌だったから、それが完全に無かったことにされてたのはマジでホッとした。

ところでバンデラスはチョイ役が過ぎませんか。あの程度のキャラクターと考えるとバンデラス大物すぎると思っちゃうんだけど、どうなの…? わたしが思ってるよりバンデラスって小物なの…?

終盤、墜落寸前のマッツとその部下、バカふたりが「マジ詰んだ」って馬鹿ヅラしてる状態でついワロタ。人類を月に送り込んだ物理学者がなんであんなバカなのよw だからまあ、歴史の遺物を「世界は全て数学で解明できる(キリッ」程度の知識で軽々に扱った結果てことなだけなんだけどさ…

バジルが誇大妄想に取り憑かれていたわけではなく、真実を見抜いていた天才だったという展開自体は好きだけど中の人がアレなので、いやそいつヒドラだよ! って脳内がわめく。時代設定もぴったり合ってるし余計にゾラに見えちゃうよ…

アンティキティラ島の機械を元にした「ダイヤル」、それ自体がタイムマシンだとか、それをどこかにセットすると作動するオーパーツだとかではなく、「そもそも時空の裂け目はしょっちゅうその辺で開いたり閉じたりしてて、あくまでもそれを計測する機械」っていうのが好きすぎた。ダイヤルとは言うものの、あれはやっぱり計測器であって欲しかったので。そのさじ加減がほんとによかった

ジョン・ウィック:コンセクエンス ★★★★☆
一応ファイナル…なのか、な? 何気にこのシリーズは画の美しさも素晴らしくて、アクションのスタイリッシュさをより引き立ててるんだけど、それは今作でも健在。あくまでも1作目に比べると「ヘッドショット一発で確実に仕留めて無駄弾は撃たない」というアクションは減ってしまったものの、時間経過の都合上モタつかざるを得なかった2〜3作目よりはテンポも早くて、長い割にサクサク見られる。長回しのように天井からのカメラワークなんてのも面白くて、ほんとにずーっとバトルしてるけど飽きない。惜しいかな犬成分が少なかったけど、まあ結末を考えるとそんなに多用出来なかっただろうしね…。

でも今回はなんと言ってもリナ・サワヤマ! の演じるアキラ!!! 個人的に大注目の人物なので贔屓目に見てるところはあるにせよ、演技もアクションも初めてとは思えない仕上がり、そして名だたる大物キャストの中にいてしっかりと存在感を出せているのがすごい。それらを抜いても単純にかっこいい! 彼女がのちのちどうなったかははっきり描かれていないので、スピンオフがほしい。とてもほしい。そしてもっともっと映画やドラマでお目にかかりたい! エンディングテーマもよかった!

ブラックアダム ★★★★☆(3.8)
文句なくかっこいいロック様は充分に堪能出来るんだけど、如何せんテンポが悪いとか、コミカルとシリアスのバランスが悪いとか、そういうところが面白くない感じに見せてる気がする。DCEUとしても中途半端なカラーというか。あとその5000年の眠りから目覚めたテスアダムのキャラクターがどうにもターミネーター2のT-800っぽくて、それも使い古した感がある。確かにDCEUのパワーバランスを変える強さのキャラだとは思うけど、今さらロック様が「暴力も必要」とか言い出すのも説得力がない。というか去年末公開で「自由のために暴力武力で戦争しようぜ!」というのはタイミングが悪すぎる気がする…。ヒットしなかったのは内容が全てではないと思うけど、まあロック様がもったいないだけで、作品としては続編がなくてもいいのでは…て感じの出来だった

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 ★★★☆☆(3.2)
原題は「JurassicWorld/Dominion」、「ドミニオン 意味」で検索するとザッと概要が出てくる。それが正しいのであれば、この邦題マジで大丈夫なのか…原題は頭文字が大文字で、そっちなら内容と合ってるけど…。とまあ邦題も酷いけど中身もなかなか酷い。これでシリーズが一旦終わることを考えても有終の美とは言い難く、旧三部作の3人が揃ったものの、それを活かせていたとも言い難く…。炎の王国で撒いた雑な種をなんとか刈り取るための後始末に終始して、頭文字大文字の方のドミニオンに全部放り投げてドア閉めた、みたいな。だからやっぱりこの監督さんの評価は改めるべきだと思うんですよ…

月世界旅行 ★★★★☆(3.8)
あまりに有名な人面月のアレ。見たことなかった。というか現代ではショートフィルム、物理レンタルや購入の時代にはこういうのってなかなか見られないものだった。配信のいいところってこういうところでもあるんだよな…というのはさておき、世界初のSF映画というにはネタ元が多く、発想も案外陳腐な感じなんだなと思っていたところ、それら意図的に風刺として描いているかもしれない、とのこと。なにしろ監督さんがもともと風刺画家。これだもの、古今東西エンタメはいつでも批判や風刺や問題提起と隣合わせの文化なんだよなやっぱり。昨今そうしたメッセージ性なんかを批判する傾向が強いけど、そういうのを一切排した作品ってプロパガンダっていうんじゃないの。

ジャスティス・リーグ スナイダーカット ★★★★☆(3.8)
内部のゴタゴタなんか何も知らずに劇場公開版は楽しみ、なんなら2回見に行った。で、しばらく経ってから問題が吹き出してきて、この「ジャスティスリーグ」自体はとても好きだけど、正直いまは興味を失ってる。というところで見てみると、いかにザック・スナイダー離脱後の方向が「人気のあるMCU作品みたいな感じ」だったのかってことがすごくよく分かる。そもそも後任はあのアベンジャーズ1作目を監督した人物であり、その方向なら適任すぎる適任だった。まあそこも問題ありすぎたし問題は何も片付いてないのかもしれんけど、それを踏まえてこのスナイダーカットを礼賛し、劇場公開版を非難するのはちょっと納得いかなかったりする。なぜならスナイダー監督の目指していたものをポップでコミカルな方向に変えさせたのは、ひとえにMCUのコミカルな作品が大ウケしてたからに他ならないし、「MCUはそれでいいんだよ、でもDCでそれは認めない」みたいなのはあくまでもファンの中にある嗜好でしかないわけだし、果たしてこのクソ重いダークなジャスティスリーグだったら商業的失敗にならなかったのかと言えば、そこは別にそうでもないと思う。なぜならこのジャスティスリーグより以前、マン・オブ・スティールとバットマンVSスーパーマンの2作はいつまでもネチネチと「DCは暗くて陰気臭い、ザック・スナイダーは画が重すぎる」という難癖をつけてる人がものすごく多かった。そしてガーディアンオブギャラクシーやらソー:ラグナロクを絶賛していた。そりゃコミカルな方に舵取りしたくもなるだろ。確かにスナイダー監督作としてスタートしていたのだから、監督にご不幸がなければこのカラーのジャスティスリーグになっていたんだけど、それがダークナイトのようなヒットや評価になっていたはずだ…とはあんまり思えないんだよな…。スナイダー監督は好きだし、ディレクターズカット自体は面白かったけど、個人的には正解のない宙に浮いたままの作品になってしまったなと…

アソーカ ★★★☆☆
初めての「納得いかなかったスターウォーズ作品」。とはいえそれを批判する気はなくて、ファンは概ね高評価みたいなのでまあ良かったんじゃないかと。もちろん楽しめた部分はいっぱいあって、それは嬉しかったけど、主人公のアソーカ以上にサビーヌが目立ちすぎたとか、フォースの感応能力って頑張れば身につくものではなかったはず、という、まあ解釈違いかなと。あくまでもこれはスピンオフだし、本編ラインでなくてよかった。いや今後の作品でやられる可能性はあるけどさ…

フラッシュ ファイナル ★★★★☆(4.4)
正直、個人的なシリーズのピークはシーズン3で、その後の4〜8はどうにも不満が多く、1〜3で高まってしまったシリーズへの愛着と不満の間でモヤモヤしながらの視聴だった。だけでなく、シーズンが新しくなるごとに新キャラが増えていき、そのせいではないと思うけどシリーズ終盤はメインキャラが(恐らく演者の意思で)離脱していき、シリーズものに欠かせない「メインキャラによるシリーズファミリー」がどんどん崩れてしまった。シーズン9にあたるファイナルでは結局シーズン1から変わらない状態でレギュラー出演したキャラはなんとふたりしかいなかった。他はたまに出てくるだけだったり、演者は同じでも別人キャラクターだったり。そういう状態だったから、シーズン7〜8あたりなんか物語ほとんど覚えてない。ただただシーズン1〜3に育ってしまったこのドラマの世界への愛だけで見てた。

それを踏まえてファイナル、前から最後はやっぱりリバースフラッシュとの対決、イオバードがラスボスであってほしいと思ってた。顔はどっちでもいいからシーズン1のイオバードがなんらかの形で立ち塞がるファイナルを期待してたんだけど、ソーンはソーンでもまさかのエディというのにはさすがに驚いた。驚いたけど、でも精算というか、シリーズを片付けるという意味ではよかったと思う。やっぱりファンもどこかでバリーとアイリスの幸福にはエディの犠牲があってこそなのにたまに被害者ヅラが過ぎると思うことはあったんじゃないかな。その点はウォリーも同じで、フラッシュの手を焼かせるクソガキキャラを使い切った途端に左遷されて、レジェンドの方でもすぐにお払い箱になって、味方サイドのスピードスターっていう設定の煽りを食ったとしか思えない扱いは制作サイドも気になってました…と言わんばかりの精算エピソード。どうせならジェシーと再会してほしかったし、最後の集まりにはいないし、ちょっと中途半端なシメだった気はするけど、精算エピがあったことは嬉しかった。

というところの、アロー回。なんですかこれアロー最終回仕切り直しですか? これぞ最終回、最終回ってこういう感じですよね普通、っていう。そもそもアローファイナルはアローってキャラクターなのに矢もなきゃ衣装も違うもので都市型のクライムアクションなシリーズだったのに宇宙とか救っちゃってたので、正直ポカンだった。なのでこのフラッシュファイナルの中とはいえ、実にアローらしいエピソードが入り、ディグルとのシーンが入ったのがもう感慨深くて感慨深くて。いやその世界を救うために戦ってる後ろを路線バスが普通に運行中とかいう低予算感はすごかったけど。アローバース、きちんとファイナルを迎えられたのはスーパーガールとフラッシュだけかもしれなくて、スーパーガールの方はナショナルシティの中だけで完結してたし、なんだか「アローバース」のファイナルだったのでは…って気がしてならない。そもそもアローバースが広がることになったのはアローからフラッシュが派生したことによるわけなので、そこがきちんと物語を閉じることが出来て、またそれを見ることが出来て、ほんとうによかった。オリバーはなんだかエラいことになってるし、バリーはフラッシュを続けていくようだし、マルチバースはまたどんどん増えて蘇ってるみたいだし、いやアース2のハリーが消滅したことは未だに許し難いけど、タイムレス・ウェルズが普通に存在しててパーティにも来てるのがなんか嬉しかった。

そこそこ全員集合なファイナルだったけど、やはりシスコは来ず…。みんな大好きシスコだったけど、中の人が選んだのはフラッシュではなくロマコメミュージカルだった。それでも何度かセリフに「シスコに連絡をする」と登場させて、シスコはちゃんとアーガスにいるからね、とダメ押しのように見せてくれたのはありがたかった。ディグルは来てもライラは現れず、アーガスが姿を現さないのもありがたかった。アーガスが直接絡むとどうしてもシスコ恋しさがキツくなってきちゃうから。

そういう意味でも、シーズン1の基礎をある程度そのまま引き継いでたシーズン3くらいまでが安心して見ていられたんだよな〜。個人的にはラルフは好きではなかったので、中の人の問題でフェイドアウトしてくれたのはよかったんだけど、余計に新キャラ頼みになった気がしないでもないし、その流れでいうとアレグラも苦手だったんだよな…スーの方がよかった。それに何よりノラがめちゃくちゃ苦手だったからシーズン5以降は本当〜につらかった。スターラボでバリー、シスコ、ケイトリン、ウェルズが問題に対処してて、噛んできてもウェスト家、くらいで充分だったし、それは見たいけどノラがギャーッてキレるたびにげんなりして、一旦消滅して役割を終えたのかと思って安心してたけど以後も結構頻繁に戻ってくるからしんどかった…。

とはいえ改めて全9シーズン、初期メンバーが毎シーズンまったく成長せずに右往左往する9年間だったけど、楽しかった。大好きなドラマが9年も続いたこと、それをすべて見届けられたのは本当に感謝。一貫して吹替で見たので、吹替キャストの方々にも感謝。どなたも本当に素晴らしかった。

これにて私のアローバースも完結、レジェンドが途中なんだけどサブスクでまとめて見られるところがU-NEXTしかないので、恐らく当分は見ることもない。フラッシュは何年かしたらネトフリでもファイナルまで見られるようになるかもしれないけど、まあ期待しないで待っておくし、シーズン3くらいまで見られれば充分だったりもするけど、そんな感じでこれからも見ていきたいと思う。未だに初期スターラボは見ていて飽きない。本当に大好き。スマホのロック画面をスターラボのロゴにしてあるんだけど、これも余程のことがない限り変えないと思う。たまたま地上波で深夜にシーズン1を放送してたので見てみただけのシリーズだったけど本当に楽しかった。毎年恒例新シーズン楽しみでしょうがなかった。そんな時間をありがとう。今までもこれからも、ずっと大好き!

探偵ロマンス ★★★★☆(4.6)
ブラボー!!! これぞNHKクオリティ。某鑑賞記録アプリでは酷評の嵐だけど、要素を無駄なく使い、無駄に拡大することもなく、エピソードとしても縦軸としてもすっきりとまとまっていて、余計なシーンもなく、「探偵もの」の様式美もふんだんに盛り込み、ロマノフ王朝なんてもはやファンタジックなモチーフも使い、きな臭い時代の嫌らしさ、暗さ、妙な明るさ、今にも空から災いが降り注いで来そうな空気感、そういうものを時代考証をしつつ上手く現代に重ね合わせてる。犯人と物書きと犯罪と探偵という物語の中に、よくここまで自然に現代(SNS、LGBTQ、フェミニズム、テロ、カルトなど全部入り)を馴染ませたなと。というか結局主人公サイドの「正義」が現代的であり、日本ではあまり好まれないタイプのものだったので余計に受けが悪いのかもしれん(世界的に見ればエンタメとしてはスタンダードではある)(それを意識してたのであれば尚更ブラボー)。でもそういう「受けが悪い理屈」の中で暮らしているのはすごく苦しいので、「物語を作る人々」が、例え綺麗事でも、夢物語でも、ファッションだったとしても、フィクションの中の世界でそれを叫んでくれるということが嬉しくて。小柄な方の主役の中の人もそれを夢見てると言ってくださったし、全てひっくるめて素晴らしかった。続編ありそうなので楽しみに待ちたい。

10/2023

ネタメモってどんな感じで書いてますか? と質問を頂いたので、いくつか出してみました。スマホ画面のスクショで、タップorクリックで画像のみ表示になります。内容は完成品とは異なる場合が多々あります。また、一部公開出来ない箇所は塗り潰したりボカシを入れています。

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ネタメモにはメモアプリ/ノートアプリを使っています。夢書きバレ防止のため、ネタを紙に書くことは絶対ありません。たまに図解や相関図が必要になったりすることがあるので、それとなくわからないように小さな紙に書くことはたまーにありますが、書き終わったら即捨てます。

本当に初期の頃はこの程度でした。

なんでかというと、この頃は何を書いても初めて使うネタばかりだったので、細かくネタを書き留めておく必要がなかったからです。使いたいイメージとか要素だけ書いておけば、あとはどう書こうと自由だったので、特にメモは少なくても大丈夫だった。

それでは間に合わなくなってきたのが「七姫物語」あたりからで、予め物語の段取りを決めておいて、どんなエピソードを入れたいのかを書いておかないと、前に書いたことのある展開ばかりになってしまうので箇条書きでメモるようになった。「七姫物語」の時は設定をメモっておかないとすぐに間違えるというのもあった。この頃使っていたのはEvernote。

なので基本書き出す前の覚書は移動中とかにスマホでメモったもの。その段階で全体の段取りが頭の中で把握できたら、メモを確認しつつ書いていく感じ。

現在、展開が少ない中短編だとこのくらい。

けど、長編になるとそうもいかなくて、これが一気に伸びる。

強調部分は整合性に関わる部分なので忘れないように色を変えていることが多いです。たぶん一番メモの分量が多いのは「続・七姫物語 清田編」で、←(↑)の3倍くらいはあると思う。ほとんど辻褄合わせのためのメモ。

でも、所詮メモっておいたものはメモった時のテンションで書いたものなので、本番(?)で書きながらその時のテンションで書きたくなった描写やセリフや展開を優先します。で、あとでメモを見直して、入れたいエピソードがあったのに忘れた、とかよくやります。

現在はUpnoteというメモアプリを使っています。こういうメモの取り方をするので、PC⇔スマホ間で同期出来て、ハッシュタグやカテゴリ分けが出来る機能が必須なのですが、意外とちょうどいいものがなく、最初はEvernoteが使いやすかったんだけど、UI改悪で使えなくなってしまい、途中Simplenoteを使ってみたもののバグが多くて悩んでたところに現れたUpNote。マジ救世主。

(ノートアプリ/メモアプリは色々種類も豊富で高機能なものがたくさんありますが、仕事で使うわけではないので、あくまでもPC⇔スマホ同期・単独ユーザでの使用・テキスト特化・容量多め、が確保出来るものとなると、限られてきます。色々試しましたが結局UpNoteがちょうどよかった。容量に関して有料でないと使い物にならなかったけど、有料プランもサブスク/買い切りが選べて他のサービスに比べて格安。開発元は海外だけど、サポートは日本語でやってくれるのも助かる。ちょっとたどたどしいけど充分。Simplenoteはやりとり全部英語でつらすぎた…)

という感じでメモアプリに頼ってネタメモは書いていますが、寝る前にウトウトしてる状態でネタを思いついちゃったりすると、もうどうしようもない…

09/2023

SD書き始めて10年経ってしまうようなので、ちょっと振り返ってみた。というか友人とのやりとりを探してツイログを漁っていたら、SD再燃した日の記録にブチ当たったので、ちょっとその後を追ってみた。今見ると本当に転がり落ちるように書き始めたようで…

※自分で自分のツイートを振り返っているので、ご注意ください

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2013 9/16

妹にスラムダンクとポタDVD借りた! 全巻一気に!

2013 9/16

いかんスラムダンク止まんねー

どうもこれがきっかけだったらしく、3日後には

2013 9/19

昔考えたサイト名を心底気に入っていて、ずっと使ってる。サイトなんかやっていられなくて放置してたけど新規ファイルのH1に挟んでみたら思ったよりグサっときた

2013 9/19

絵と夢を同居させたくなくて分けてたけど、絵も今は書けないから夢が乗っ取る感じになりそうだな。いや再開するかどうか決めてないけど、作ってみたくなって

ちょうど二次創作出来る気持ちの余裕が出てきた頃で、また書きたいなあ~と漠然と思っていたところにSD再燃で、ついファイルを作ったりしてみたところ、夢書きたいサイトやりたいという方向に気持ちが向いてしまったっぽい。3日で…

と思ったら20日後。

2013 10/9

わかっちゃいたけどやっぱり長いな。長い事が下手の1番の特徴みたいな思い込みがあってムズムズするけどこれはいいや。楽しいから

その20日の間に「メガネ君クロニクル」を思いつき、逆ハーにするため設定を盛りまくり、でも「メガネ君クロニクル」って確か書き出す前に2回くらい設定し直してるはずなので、それを経て夏祭りのシーンあたりまで到達してたことになる。はえーなおい…

でもまだ夢サイト再開してSDの取扱を始めるつもりはなかったはず。自己満足と「書きたい欲」を満たすためにキャラもいっぱい出してチートヒロインで大袈裟なものを書こうとしてた気がする。

なのでそれを書けばきっと気が済んで飽きると思っていたのに、3日後

2013 10/12

逆ハー書いてると、かませ犬にしたキャラに愛着が湧いてくる不思議

2013 10/12

かませ犬とか失礼だよね、引き立て役とか優越感満たす要員とかだよね

全部失礼

2013 10/12

かませ犬で何か~と思ってなんとなく躊躇してるうちに書かないままになったりとかよくあるからト書き的でもいいから書いておいた方がいいよな~

2013 10/12

マイナージャンルのマイナーキャラはそういう気まぐれが誰かを救うんだって身を持って知ってる

完全に「メガネ君クロニクル」の「いとしい日々の名残たちと」を書いている最中。夏祭りのシーンで神奈川4校の目立つキャラをいっぱい出し、でもどうにも台詞が上手く書けないから原作読みまくってキャラ解釈を掘り下げて、そのせいで「こいつらの夢が書きたすぎる」とMAXムラムラしてた気がする。おそらく自分のSD夢書き期間中一番燃え上がってたんじゃなかろうか…

木暮以外のキャラのネタもメモっておいた方がいいよなと思っている…ということは「地上のステラ」「プラクティス・デイズ」「あなたに花を」「トイ・ソルジャーズ」「ミスラの海」「ルーザーズ&ラバーズ」「プロミネンス」のことなので、正味1ヶ月くらいで「メガネ君クロニクル」を含めた初期の長編のほとんどを思いついたことに。なんか脳内物質が出ていたとしか…

でも、この頃SD界隈(携帯サイトエリアを除く)は静まり返っていて、その中でただでさえ供給が少ないキャラはきっと私の再燃の燃えカスだとしても、いつか誰かに届くだろうとは思ってた。

2013 10/30

しかしギャグがかける人ってすごいなあホントに。自分がまったく不得意だから余計なんだけど

「グラッシーズ!」を思いついた模様。

2013 11/06

ここのところ書くの楽しくてバチバチやってたせいか左中指が痛い

そしてどんなに短く見積もっても1ヶ月で中指を壊す

2013 11/10

たまに変にハマると長い上に泥沼化しやすい気がする。それは新規だったり再燃だったりまちまちだけど、どちらにせよ重症化しやすい… 今まさにそれで指が痛いほど書いてる

2013 11/10

需要なんて言葉を気にしなくなったらアウトゾーン

二度と戻ってこられないとは思っておらず…。この時疲労で痛めた左中指は翌年の春頃まで痛み続ける

2013 11/12

よく使うタグと文字をセットにした定型文をショートカット登録していた事に今気付いた。超手打ちしてた。くっそお…

たぶん名前変換用のタグ。それを手打ちしてたとか狂気の沙汰だし、ショートカット登録していたことを思い出さないほど夢中になっていたらしく…

2013 11/18

同時進行ってどうなんだろ。気分が変わっていいような、集中できてないだけのような

あまりにも無計画に書き始めたせいで「メガネ君クロニクル」を書いている途中で詰まり、思いついてメモっておいた木暮以外のキャラの夢を書きたくなった模様。「メガネ君クロニクル」に詰まったのは逆ハーにしようとしてキャラを出しすぎて収集がつかなくなったのと、逆ハー要員にしたキャラの描写が辛くなり始めてたんだと思う。

2013 11/22

どんどん長くなるな…まあいいや私が楽しいから…

それでもまだ頑張って「メガネ君クロニクル」書いてた。楽しいとか言ってるけど、たぶんサイドストーリーでフォロー入れるしかなくなって藤真と三井が辛すぎて泥沼で溺れてたはずだ

2013 11/23

書きかけ放置が一番よくないのはわかってるんだけど、つい思いついた方をやりたくなってしまう集中力のなさ

「プラクティス・デイズ」を書き始めました。

2013 11/24

なんだか止まらなくなって個人的な許容範囲をすでに超えているのに、あれもこれも、になっちゃって、まあもういいかの境地

おそらく、「あなたに花を」と「地上のステラ」を書き始めた。たぶんこのあたりでサイト再開する意志を固めてて、取扱キャラを絞り、長編の他に短編も用意せねばと思っている頃だと思う。こんなふうに「メガネ君クロニクル」が書けなくなってしまった間にいくつも書き出し、だけど全部1~3ページくらい書いたところで書けなくなり、結局一番最初に書き上げたのが「プラクティス・デイズ」だった。当時は「プラクティス・デイズ」の出来が自分で思っている以上に満足できるものだったので、SD夢書いていける! と変な自信がついた。

2013 12/08

とうとう左シフトキーがカキョッとか変な音出し始めた

2013 12/08

苦手な感じのところに突入すると違うタイトル始めたくなる。そうやって同時進行するとわけわかんなくなるから我慢するけど

約2ヶ月でキーボードを破壊。

そして全部見切り発車なので、いわゆる起承転結の「承」あたりが一番の難所で、導入部だけ書いては放置、ということが増えてた。基本的に思いついた「ネタ」ってのは「転」と「結」であることが多いので、特に前半は詰まりがちだった。

2013 12/14

タイトルセンスって独特だなあといつも思う。どんなに文章が上手い人でもタイトルだけはなんかええーってのつける人いるし、内容関係なくタイトルすばらしい人もいるし、要するにいいタイトル思いつかない

特にこの頃はシーンひとつ展開ひとつな「ネタありき」だったので全体像も考えないまま書いており、そのせいでタイトルを考える取っ掛かりがなく、ずっと呻いてた。書き終わってから考えればいいんだけど、なぜかタイトルが決まってるとゴールが見えるので、早く決めたくてほんとに唸ってた。

そして年を越す。

2014 01/08

括弧の使い方でしばし悩む。引用符はあくまでも引用なんだし、現在鍵括弧で代用してるけどそれも違うというかいやな感じになってきた。山括弧か二重山括弧かどっちがいいんだろう。日本語表記的にはどっちでもいいらしい。これどっちもそんなに好きじゃないんだよなあ…

再燃爆発夢書き3ヶ月目にして、あまりといえばあまりな「作文の書き方」をすっかり忘れている状態だったことに気付き、色々調べては間違いを直していた頃…だと思う。なので特に初期のタイトルは何度読み返して修正を繰り返したかわからない……のに、未だに要修正箇所が見つかるという…

2014 01/28

自分で考えて始めておきながら終わらなすぎてなんかもう全然関係ないけどダフトパンクすげえなっていう

ダフト・パンク聞いてたってことは、また「メガネ君クロニクル」に戻っていたんじゃないかと…(内容の出来はともかく「メガネ君クロニクル」の木暮とヒロインにはずっと「Digital love」が似合いそうな可愛い感じのカップルをイメージしてた)

2014 01/30

意を決して見切り発車

その2日後に音を上げ、「満月の夜に革命を」を書き始めた模様

2014 02/25

2日かけたファイルを空のファイルで上書きした……

1ヶ月後、「満月の夜に革命を」16ページ目事件発生。

今でもありありと蘇る悪夢で、16ページ目を書き終わり上書き保存をし、普段の癖でそのファイルを空にして、いつもならそれを「新しいファイル名で新規保存」するところを、そのまま上書き。気付かずにファイルを閉じる。その時の全身のあの冷たさといったら……

理論上は復元は不可能じゃないという情報が多かったので、フリーで試せるファイル復元ソフトを必死で試すも全て失敗。なので泣く泣く書き直しをしたものの、ほぼ完全に同じものを書けてしまい、違う意味でショックで落ち込む。

それはともかく「満月の夜に革命を」は初稿を1ヶ月で書き上げた様子。

2014 03/13

またやった…。今度は桁数オーバーで保存されなかったらしい…今度こそ覚えてないぞ

これは覚えてないぞ…。

愛用しているエディタが1000桁までしか表示できない仕様なので、おそらくそのせいで段落が切れたとかそんなんだったのでは。でも桁数オーバーで切れたということは、普段やらない「やたらと長い段落」を書いたのだろうし、しかし初期のタイトルにはそういうのあんまりないんだけどな…

2014 03/21

バイト数はともかく頁数が100を超えそうな感じです

2014 03/22

100頁超えそうとかツイしたけどとっくに超えてた件

二次創作歴は長いけど、こんなに多く書いたことはなかったので、日増しに増え続けるファイル数に無駄に怯えてた。

2014 04/03

なんかとんでもなく予定を超過してるけど…いいのかなこれ…こんなに長くするつもりないんだけど入りきらぬ…

また果敢に「メガネ君クロニクル」に戻ったはいいけどちっとも終わらない。

2014 04/05

たまにこう、ネタがポタっと落ちてくると得した気分

2日後、どう考えても脳が現実逃避して別のネタを思いつく。

2014 07/06

気乗り優先であっちこっち手つけちゃどれも終わらない罠

まだ「メガネ君クロニクル」が終わらず、そこから逃避しまくってあれこれ書いては書き終わらずに放置、が増えすぎてた。

2014 11/19

祝・5MB突破

約1年で5MB書いた模様。

とはいえそれは「それまでに書いたファイルの重さ」なので、単純に文章とHTMLタグの比率から考えると、4MBくらい書いてたことになると思います。それを全角文字に換算すると、2,097,152文字。400字詰め原稿用紙に換算すると5,240枚くらいになります。いかに私がビビっていたか、わかって頂けるかと…

このあたりで夢書き進捗と思われる書き込みは途絶え、翌月にはサイトを再開する。でもそれはおそらく、やっと「メガネ君クロニクル」を書き終わったから準備を整えたんだと思う。なので再開後もしばらくは「1ヶ月に1回長編更新」という状態が続き、翌春の「ミスラの海」から「星霜フラグメント Plus&Minus」でようやく力尽きる。

自分でも書き始めた頃は夢中になっていた記憶があったけど、ここまで短い間に一気に再燃爆発したとは思ってなかった。そこから考えるとかなり失速したなあとは思うけど、まさかここまで飽きずに書き続けるとも思ってなかったので、ちょっと感慨深い。

この振り返りを見るだけでも、再燃の勢いがいかに爆発的かってことはおわかり頂けるかと思います。結局、この1年で長編を7本、中短編を8本、短編集を2本、スピンオフで長編を3本、中短編を4本書いたことになります。

一方で、現在よりも創作に取れる時間が多かった、比較的余裕のある時期だったというのもありますが、それでもこの量を書けたのは再燃のエネルギーがあったからだと思います。まさに鉄は熱いうちに打て。始まりに必要なのは語彙力やセンスや愛ではなく、勢いと熱量だと思います。

もし、いつかどこかで夢を書いてみたいなって思ったら、迷わず書いてください。そしてまずは「ちょっとしたもの」を完成させてください。燃え上がった時に書くものは大体の場合「あれっ、思ったよりいいじゃん」という出来上がりになります。次を書くともっといいものが出来ます。以下繰り返しです。

そこに愛があれば、この繰り返しで10年はあっという間に過ぎる。

まだまだ書きたいです。

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04/2023

久しぶりの鑑賞記録。映画よりシリーズもの多。

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ほの蒼き瞳 ★★★★☆(3.8) マジでハリー・メリングが最高。あの子がこんな名優に…
THE BATMAN-ザ・バットマンー ★★★☆☆(3.2) そろそろこの手の鬱陶しくなってきた
ファンタスティック Mr.FOX ★★★☆☆ 懲りずにウェス。原作がアレだからアレな感じ
ラストベガス ★★★★☆(3.6) 踊るモーガン・フリーマン最高です…

アントマン&ワスプ:クアントマニア ★★★★☆
楽しかった! アントマンらしく軽やかで深刻になりすぎないテンポがいい! 今回アベンジャーズ側からはスコッティ、ホープ、キャシー、ピム博士、ジャネットだけしか出てこず、新キャラも多くないので、そういう意味でシンプルな良さもある。やっぱりスコッティはヒーローの心を持ってんだよな…! と感慨深くなるシーンもあるし、とてもオーソドックスなヒーロー映画。

が! フェーズ5、そしてマルチバースサーガ本格開始とでも言えばいいのか、新ヴィランのカーンが分かっちゃいたけどマジでどうやって倒すのこんなやつ…。サノスはまだそれでもインフィニティストーンありきなところがあったし、インフィニティウォーからエンドゲームに関してはデシメーションされてしまったことが大打撃だったわけで、解決策はその辺にあるなってのはまあみんな分かってた。と思う。けど今回のあいつはどーなんのかさっぱりわかんねえ…。願望も込みでロキとメビウスがその突破口になってくれたらなとは思うけど…。

しかもこのカーン、サノスより「何を言っても話通じない、理屈が全然異なる思考なので話しても無駄」て感じがものすごく強くて、「これは必要悪なのだ、私はその大いなる役目のために揺るがないのだ」っていうタイプのヴィランだったサノスの数倍厄介な感じがして、とにかく怖かった。というかジョナサン・メジャース上手すぎん…? まだ33歳ですってよ…? 何あの威圧感と狂気が知性と品格の服着てますみたいな迫力…私40代後半くらいの方かと思ってたよ…

しかし。だがしかしどうにもオーソドックスなヒーロー映画なだけに、結局「穏やかな暮らしを送ろうと努力してる主人公(男)の周囲の女たちが厄介事を起こしてその尻拭いをされられてるが英雄になっちゃう」ていう手垢のついたアレだったので、そこはちょっとなあ…と思った。トラブルの原因はジャネットとキャシー、何やかやで問題を解決したのはスコッティとピム博士、ホープはその間にいるけど結局アントマンをサポートするワスプでしかなくて、そういうところはだいぶ残念だった。

あとほんと蟻よ蟻。蟻!!!

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス ★★★★☆(4.2)
オスカーいっぱいおめでとう!!!

先にひとつだけ。キー・ホイ・クァン、役者としてのキャリアがほとんどない人の演技じゃないんだわ。普通にベテラン中堅どころの風格だし、改めて役者って、演じるって、「誰にでもなれる」ってことなんだなと思い知らされるし、やっぱり「いつ始めるか」なんて些細な問題だなと納得して帰ってきた。

未だにその理屈が腹立たしくてつい引用するんだけど、日本の某有名演出家は「長年の努力だけが結果を生むし、キャリアのスタートはせめて18歳くらいまでであるべき。若い頃から業界というものを体で覚えないとダメ」だと言う。キー・ホイの場合、役者のチャンスはなくとも業界にはいたので厳密には異なるものの、この理屈では努力したくても演じる側に入れなかった彼は「ダメ」ということになる。だけど今、彼は高い評価を受け、この作品の監督は「こんなにすごい人をハリウッドは見過ごしてきたんだぞ」と言う。業界のローカルルールに染まり切る「キャリア」なんかなくても、本当に優れた役者は何歳になったっていつから始めたってベストな演技が出来る。観客も業界人が見たいわけじゃない、素晴らしい作品が見たいだけ。

子供の頃、データとショート・ラウンドが大好きだった。彼はたぶん自分よりお兄さんだろうから、きっと今は学生に違いない、勉強が終わったらまたスクリーンで見られるようになると思ってた。でもそんな機会はなく、ネット時代に突入して調べてみても「今は裏方の方に興味があるので役者はやってない」らしいという情報しか出てこなかった。本人曰く、嘘だったらしい。30年以上振りに映画の中の彼に会えて、本当に嬉しかった。もう何十年も役者を休んできたのだから、もう死ぬまで思う存分役者を続けて欲しい。

作品については、それぞれが生きてきた人生によりけり受け取り方が全然違うタイプの物語だと思う。キャッチコピーみたいなものを作って「こんな作品だよ、わかる?」と言いたがる人が多そうな内容ではあるけど、その奇抜さに反して優しい心を持ってる作品だなと思う。全然話題になってないけど、娘役の人もすごくよかった。

アナザーラウンド ★★★★☆(3.6)
酒に溺れるマッツは最高なんすよ。言いたいこと描きたいこともわかる。そこは悪くない。ある種の現代人を縛り閉じ込める閉塞感からの解放ていう側面も見える優しい仕上がりでもある。

しかしだ。

アジア人、特にモンゴロイドにはアルコールを分解する能力が低い、あるいは全く機能していない体質の人が少なくない。その「アルコール脱水素酵素2型の不活性化」は日本人には多く見られるものの、実は白人と黒人にはほぼ存在しないとのこと。なので「酒を飲む」ということ自体が我々日本人の感覚とは極端に異なっている、という前提を頭に置いて見ないとならない作品。(とはいえこの不活性化体質は遺伝するようなので、この先東アジア人との混血が増えると変化するのかもしれない) あるいは舞台となるデンマークでは「法的にお酒を飲んでいい年齢」に決まりはなく、アルコール度数により店で購入出来る年齢のボーダーラインがあるだけなので、社会的にも「飲酒」という概念、文化は全く違う。つまりそれが長い歴史に与えてきた功罪も全く異なる。そこを押さえておかないと、ただの酒飲みの言い訳映画にしか見えないので注意が必要。正直、日本で上映するならR15くらいでもよかった気がする。

また、監督は制作の途中で家族を亡くしたことから内容を方向転換しており、飲酒文化をテーマにしていることは同じだが、より「人生賛歌」の作品になっている、ということも頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれない。そうしないと「人生をよりよく生きるために好きなだけ酒を飲んじゃえ」という物語に見えてしまうので。

マッツはほんと最高なんだけどね。

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 ★★★★☆ (3.8)
マッツ大正解だしアルバスとやり合うシーンほんと最高だったし麒麟ちゃんかわいいしジェイコブ相変わらず素晴らしい人だしクイニーよかったね…! とか、いいところいっぱいあるんだけど、なんせ前回あの盛り上がりで終わっておいてこれ…? というオチのクリーデンス、そして数年越しの取ってつけたようなアリアナの真実。アバーフォース出るっていうからすっごい楽しみにしてたけどその程度?! っていう。ダンブルドアの秘密ってサブタイだけどそんな大した秘密でもないし、みんなダンブルドアってアルバス1人のことだと思ってただろうけど家のことも込みだし、ゲラルトに対して愛情があるってことも別に秘密って程じゃ…そもそも本作よりずっと前に明かされてたことだったしね。だからわたし監督がよくないと思うのよ…ポタの時に制服を脱がせてパーカーに変えた人だし、ポタ以外の作もあんまり…って人だから、前作でようやくそれっぽいの出来るようになったんだと思ってたけどまた戻った、っていう。

個人的には前作からずっとバンティが気になってて、彼女を本当に今作中で示されているキャラクターのまま受け取っていいのか、ずっと疑問を感じてる。子世代におけるセブルスであれだけ読者を振り回した過去があるわけだし、どうにも彼女の「唐突に現れたティナより密接な関係にある人物、人物について助手という以外詳細なし」というところが気になって気になって。「でも愛してるの」「全て把握しているとは限らない(うろ覚え)」もサラッと流していいもんだろうか…

ほぼ公式なのかな? バンティは元々ニュートのファンで、のちに友達になり助手に、ってあるけど、ニュートがそんな簡単に?????? てのもちょっと疑問だし…。もしそのまま「先生を盲目的に慕うだけの助手」だとしたらちょっと意地が悪いし、そんな雑な仕事…と思うんだけど。そういうキャラだとシリーズ続いたら殺されそうだなあ。シリーズ自体が怪しいけども

イニシェリン島の精霊 ★★★☆☆(3.2)
まあ、雑に言えば煮詰めすぎて焦げたブロマンスというのも間違いではないと思う。世の男性は何かというと「女は怖い」というけど、そういう種類の「怖さ」を互いに全開にしてしまったおっさんとおじいさんの愛憎が美しい島の景観の中で繰り広げられるので、正直醜悪だなあとも。方々の解説によれば監督の生い立ちから来る様々なものを比喩だったり直接的にだったり込めているらしいんだけど、刺さりもしなければ唸るほど上手くも感じないというか…。アイルランド内戦に引っ掛けているという側面が強いのかもしれないんだけど、だとすると余計に実感として物語が遠くなるというか、現地で、近くで育った人ほど肌感覚で見られていないのでは、とも思う。何が込められているにせよ、凄まじくウェッティなおっさんとおじいさんが愛憎、というのが面白く感じないと見られたものじゃない。動物たちと妹の存在がなければ本当に苦痛な景色。そんな世界を描いてるのだから、正しいのだけども。

かといって、この手の作品は「奇妙に賢くない人物」や「極端に横暴な権力者」や「唯一まともな美しい人物」などが必ずセットになっていて、そういう意味では結構ありふれた作品だなあと。アンチムラ社会作品としてはかなり尖ってるのかもしれないけど、島を出ればムラ社会から解放されるわけでなし、振り上げた拳が下ろせないのはともかく、狭い場所だけで話が終わればいいけどね…と

バッド・バッチ S2 ★★★★☆
めちゃくちゃ気になるところで終わりやがって~~~!!! 次でファイナル、時期的にマンダロアの大粛清という可能性もあるし、それでなくともまだ18BBYくらいだろうから、寿命のことを考えても彼らの結末としてはどうしても「兵士としての人生を全うして散る」か「人間としてひっそり生きていく」のかの二択しかないと思うのね。実際反乱者たちで一時レックスは後者を選択していた時期があるので、果たしてハンターたちがああいう生活に慣れることが出来るのかっていうのは現時点では少々望み薄。途中兵士にしかなれない自分たちを少し引いた目で見られるエピソードがあったけど、結局自分たちの意志とは関係なく戦いの中に引きずり込まれていってしまうし、特にハンターとしてはオメガには人間として生きていってほしいと思ってると思うけど、当のオメガにのつもりがまったくないので、まだ子供の域を出ないキャラとは言え、あまりハッピーエンドも期待できず…。言ってもディズニー作品なので子供の域を出ないオメガが無惨に死ぬことはないのかもしれないけど、家族だと思っているクローン・フォース99をどれだけ失うかは本当に未知数。全員が生き残れば良い物語…とは思わないけど、クローン戦争終結後のクローンたちの処遇もストーリーの題材のひとつだと思うから、できれば多少の希望を感じさせる終わり方であればな…と願ってはいる。クローン・ウォーズS7最終話で心がズタズタになった記憶はまだ遠くないので…

マンダロリアン S3 ★★★★☆
そうは言っても世にいう「完璧なスター・ウォーズ」とは思ってない。やはりスター・ウォーズとはジェダイの物語だと思うので、グローグーがフォースセンシティブなだけではジェダイの物語とは言えないと思うし(実際修行は放棄してる)、バトルがアツいだけでスター・ウォーズだとも思えないのが正直なところ。ディズニープラスのスピンオフとしては、いわゆるネット論客が言いがちな「ポリコレ/棒」成分(差別やめような表現)がとても少なく、かつての男性中心のスター・ウォーズらしさが強いし、そもそもSWファンはやたらとEp5とボバ・フェットが好きなので、題材がマンダロリアンというのも評価の役に立ってるんじゃないかな。

かといってマンダロリアンシリーズが評価出来ないとかそういうことではなくて、これ自体は大好きなシリーズだし、グローグーていう凄まじいキャラクターを生み出した功績は計り知れないんだけど、やはり世の評価とは相容れないな~と実感した次第。

なのでなんといっても今シーズンのハイライトはグローグーがいかにしてオーダー66を脱したかのアレであり、某キャラが実写初登場で突然出てきたとか、あるいは途中ビッグ過ぎるゲストがあったとか、見どころはたくさん。マンダロアパートは正直それほどアツさを感じもせず、マンダロリアンのエピソードとしてはS2のタトゥイーンやフロッグレディのエピソードの方が楽しめたのが本音。そもそもマンダロリアンパートが抗争バトルアクションめいているだけで、それほどストーリーが強くないからかも。ダークセーバーの件もそんな騒ぐことなのか…と別の意味で驚いてたりもする。

このマンダロリアンを含んだあたりの集大成になるらしい映画が1つ控えてるので、マンドーとグローグーの物語がどう今後展開していくのかしないのかはまだわからないけど、ひとまず一段落、お疲れ様でした。できれば続いてほしいけど、どうかな…

ウィロー ★★★☆☆
元となった映画「ウィロー」は大好きな大好きな大好きな作品。シンプルで素朴だけど無駄がなく贅沢に要素を詰め込んだ、ネバーエンディングストーリーやラビリンスと並ぶ80年代ファンタジーの傑作だった。なのでその直接的続編のシリーズと聞いて浮き足立ったんだけど、蓋を開けてみたらヤングアダルト向けの軽~い感じのエモエモアクションファンタジーになっていて、タイトルこそウィローなんだけど、当のウィローがまったく活躍せず、しかもウィローというキャラクターが結局大した人物ではなかったという設定になっていて、なんというか…寂しい限り。

というかまさかこれをオリジナルリアタイ世代に向けて作ったわけではないと思うけど、かといって現役のYA世代にウケるのか…? という疑問はある。YA世代ってこれ見たい気になるのか…? でも日本の場合、主人公の女の子が金髪碧眼で痩せていれば評価されるので、まあ大丈夫なのでは。タイトル、「エローラ」にしちゃえばよかったのにね。

スーパーガール ファイナル ★★★★☆
主軸は相変わらずネタ切れ感がすごかったけど、いいファイナルだった。S1が大好きなので初代スーパーフレンズが話してるところだけで大満足。レナが大好きなので、彼女が無事だっただけで完璧。最後の最後にシャツがはち切れんばかりのジェームズの胸筋をありがとうございました。でも、このシリーズの指針というか、道標だったのはいつでもキャット・グラントだったなって、やっぱり思った。カーラは特別過ぎる特別なキャラクターだけど、ただの人間であり長短清濁全てを持つグラントさんこそがスーパーガールを体現してるんじゃないかな。

スーパーナチュラル S14★★★★☆(3.6) S15★★★★☆
大好きというほどでもなく、シリーズ後半に差し掛かってちょっと首を傾げるような展開もありつつだったのでザッと一見という程度なんだけど、長く愛されたシリーズの完結というものには、造り手の作品やキャラクターに対する愛情の程が見えるので、そういう意味では良い完結だったと思う。

フラッシュ S8 ★★★★☆(3.8)
まさにネタ切れ、シリーズとしてキャラクターや設定は好きだけど、次でファイナルでいいよね、という説得力はすごい。それにちょっとした不安を感じさせるイオバードの「可能性」にちょっとハラハラしてたのに、その挙げ句が顔バリバリ~「オレだよ~!」は大草原不可避。ファイナルS9にシスコと何らかのスナートが出てきてくれないかな~と期待はしてるけど、難しそうだよね…

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02/2023

脱・Twitter、そして自分専用おひとり様Twitterもどきを作るにいたるまで。

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そろそろTwitterは離れた方がよさそうだよな…とは前から思っていたのですが、情報が全て集まってくる便利さに負けてズルズルと使い続けておりました。しかしパンデミック以降Twitterの状況は悪化するばかりで、どうにかしてこのTwitter社会から抜け出さねばと決意したのが2022年。けど、洋画洋ドラに関する情報はほしい…というところで折り合いがつかずにいたのですが、とうとう先日無料APIが廃止になり、強力なミュート機能があるサードパーティ製アプリが死亡。もうだめだ終わった。

でもエンタメ情報はほしい! 10年も日常を呟いてきたからいきなり離れると離脱症状が出そう!

というわけで、「自分専用おひとり様Twitterを作ろう」という結論に至ります。

使い分けとしては、
通常のMEMO…SDの話題を含むサイトとしてのメモ
ブログ…内容にかかわらず長文になったらここ
お返事用メモ…拍手やメルフォ専用の場所
Twitterもどき…これまでTwitterに呟いていたエンタメ雑感や日常のことなど

で、そのTwitterもどきには「てがろぐ」を使おうと思いつきます。phpじゃないと怒られそうなこの時代にあってperl、だけどまだまだ開発は続行されていて、安心してお借り出来るCGIプログラム。元々おひとり様Twitterのように使える仕様なだけあって、機能は充分…どころかちょっと多すぎるくらい。このてがろぐをTwitterもどきとして使います。

しかし私は洋画洋ドラでグダグダ言うのが好きなので、情報源としてのTwitterとはまだ縁が切れません。ので、今のところはエンタメ専用リストを作成し、それを中心に情報を取得、これまでRTしてきた関心のあるツイートはてがろぐに引用することに。

この程度のことなのですが、いざ準備をして使ってみると、これが最高に快適でした。すぐに燃え上がるトレンドもなく、攻撃的なお気持ちツイートが飛んでくることもなく、Twitterの押し付けがましいおすすめもなく、思想も政治も愚痴も正論も自慢もなく、とてもとても静か。ただひとつ、リストにはミュート機能が効かず、PCではブラウザの拡張機能でブロックすることが出来ますが、スマホではその方法がないというのは未解決の問題で、一応解決策は見つけてあるのですが、個人アカウントを全部ミュートしないとならないという難点があり、まだ実践してない。

↑やりました。Twitterはリストにミュートが効きません。なので情報垢だけをまとめたリストを作って基本そこだけ確認するようにしたら、ミュートが一切使えなくなる。ので、リストとタイムラインを入れ替える、という手段を使います。普段フォローしている個人アカウントを全てリストに突っ込み、全員ミュートします。これでメインのTLから情報垢以外のアカウントが消えます。そうするとミュートの効いた情報垢のツイートのみが表示されるようになる、という仕組み。実況などでフォローしているアカウントのツイートを見たい時は、リストを使う。ここにミュートは効かないけど、PCブラウザでやるようにすれば、拡張機能でミュートすることが出来るので、大丈夫。

これでもう私は大河の実況だけにTwitterを使えばいいわけです。それも年々フォロワーさんたちとのテンションのズレが大きくなっているなと感じることも多々あり、いずれ離脱できればそれもよし。

これは当然個人の考え方になりますが、そもそも見ず知らずの、ネットがなければ知り合いようもない他人と毎日分単位秒単位で密接に日常を共有するという行為自体が、人間のコミュニティにとってはキャパオーバーなのでは…と思うのです。SNSのせいで豹変した人が身近に何人もいます。ゆる~く繋がって「今なにしてる?」「カフェでお昼なう!」「ぽんぽんぺいん~」なんてのんびりしていられた頃はよかったのですが…。残念です。

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02/2023

現在ディズニープラスでかなりの数が配信されてるので隙間時間に探偵さん見てる。と、かなり昔に友達と探偵さん本を出そうかという話になったことを思い出した。

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友人A「コナンは平次よ平次! 抱かれたい!!!」←オネェさん
友人B「オレはあんまり引っかかるキャラいないかな~」←当時トランスジェンダーぽかった女性
私「新蘭とかかわいいよね」
友人A「あっ新蘭好きなの? じゃあ今度エロ小説送るわ」
友人B「オレにはホモ送ってくれ」
という会話があったので、そこから友人Bと盛り上がってしまい、なぜか本にしようという話になった。私が新蘭、友人Bが平コだった気がする。で、その場で描いてみようという話になり……
私「…………自分絵っぽくすると蘭にならん」
友人B「うーん、そうなんだよな…」
私「コナンだけなら服とかメガネでそれっぽく見えないこともないんだけど」
友人B「平次描けたら送れって言われたけどこっちも難しい…」
私「確かにかっこいいけど平次感薄い」
友人B「おっちゃん描いてんじゃねーよwww」
~20分後~
私「大変だ! ツノつけたら何とかなる!」
友人B「ほんとだ!!!」
私「これかなり練習いるな…」
友人B「ツノのない和葉はどうしたらいいんだ…」

話は流れた。

12/2022

鑑賞記録+2022色々見たものまとめ。相変わらず映画館はほとんど行ってなくて、主にサブスクで見てるので昨年以前のタイトルも多いです。

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2022まとめ・映画ベスト

プロミシング・ヤング・ウーマン
ブラック・パンサー
ジェイコブと海の怪物
ナイトメア・アリー
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム
クルエラ
ヘヴィ・トリップ
エノーラ・ホームズの事件簿2
グラスオニオン

新作は半分くらいだけど、中でもプロミシング・ヤング・ウーマンはちょっと別格かも。ヘヴィ・トリップも違う意味でやばかった。配信オリジナル作品て当たり外れ多いけど、当たるとデカい気がする。今年は3桁届かず現時点で92本。ドラマばっかり見てたからもっと少ないと思ってたけどけっこう見られてたな~

2022まとめ・シリーズベスト

ぐでたま
ストレンジャーシングス4
ムーンナイト
オビ=ワン・ケノービ
Ms.マーベル
シーハルク ザ・アトーニー
キャシアン・アンドー
カーズ オン・ザ・ロード

今年もマーベルとSWのドラマは全部最高でした…。フェーズ4が面白くなかったっていう批判もそこそこあるみたいだけど、合わなくなったら離脱すればいいだけ。あと愛犬を失ってしんどい心にしゃきぴよが実によく効いた。まだ暇さえあれば見てる。

ブレンダンとケルズの秘密 ★★★★☆(3.8) 安定の動く絵画。ケルズの書を知らなかったのでアレだけど
マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト★★★☆☆ いまいち良さが分からなかった
プレデター ザ・プレイ ★★★★☆(3.6) 安定の犬のおかげ
スランバーランド ★★★☆☆(3.4) 苦手なやつだった
マリグナント 狂暴な悪夢 ★★★★☆(3.6) そう来たか…系。ネタは好き
魔法にかけられて2 ★★★★☆(3.8) 相変わらずイディナ・メンゼルが異次元
ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋 ★★★☆☆(3.4) 世にも奇妙なアレに慣れてるとそれほど…
トロール ★★★★☆(3.6) のりたま!
ハロウィンの呪文 ブリッジホローは大騒ぎ!? ★★★★☆(3.8) お父さん面白い。関さんの吹替えがまたよい
グラス・オニオン ★★★★☆(4.2) めっっっっっちゃ面白かった!!!!!!
目指せメタルロード ★★★★☆(3.6) なんて可愛らしい(ヘヴィトリップ見ちゃうとね…)
グッド・ナース ★★★★☆(3.6) 色々中途半端だけど主演ふたりがよいので…
ドミニオン ★★★★☆(3.6) 現地いい迷惑だなほんとに
Mr.ロボット ★★★★☆(3.6) これが現実に起こると信じきってる人がいて困ってる

ONI ~神々山のおなり ★★★★☆
とにかくかわいい。めちゃくちゃかわいい。やっぱり日本人が関わるとかわいさの種類が違うし、愛らしさや無垢なかわいさの威力が違う。主人公のおなりも可愛いけど、かっぱのかわいさはずるい。加えて、世界に出すとなると綺麗事を並べた自画自賛になりがちなところ、日本にも下らない差別があり傲慢さがあり愚かなことをやらかすのに人間も神もないという物語になっているのは、実はとても珍しいと思う。作中本当に誠実に物事を見ていたのはなりどん、かっぱ、カルビンの3人しかいない。というか二言目にはおもてなしとか言い出す日本でカルビンがああいう扱いを受けているという描写、よく入れたな~と感心しきり。むしろ未だにあれが本質なので。

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー ★★★★☆(4.2)
実を言えば、チャドウィック・ボーズマンの死は、未だにつらいです。全然乗り越えられてない。今後のMCUの精神的な要になる人だと信じて疑わなかったので、その喪失感は新世代が続々登場してもなかなか癒えなかった。ていうかそれはファンやBPの制作に関わる人みんな同じだと思うんだけど、それとともに「もうティ・チャラは死んでしまったんだ」ということを再確認し、シュリとともに「乗り越えるためのスタート」を切らねばならない、という作品だった気がする。作中何度もティ・チャラがいないことを痛感させられ続けて、つらくて、シュリと一緒に泣いて、という。今回、ひとつの「オチ」にあたる例の件は、せめてものMCUへの希望だったのかな…と思うものの、それがどう生きてくるかはなんとなくモヤッとしたものも。

そしてリリ! まだアイアンハートプロトタイプって感じだけど、もう好き…! オコエ姉さん最強伝説更新て感じもよかったし、母上すっげえかっこよかった。国連でケンカ売る度胸、たまらぬ…! さらっとLなシーンもあったし、女子率も有色人種率もぐいぐい高くなってきてて、ますます今後が楽しみ。

あとじわりじわりとX-MENの足音が聞こえて来てるのがソワソワしちゃう。てかミュータントでいいのか、あれは…?

禅 グローグーとマックロクロスケ ★★★★☆(4.4)
もはやセラピー。可愛さだけがフワフワ浮いてる、まさに優しい世界。

エノーラ・ホームズの事件簿2 ★★★★☆(4.2)
前作を超える面白さ。1とは前提が異なるとはいえ、自由度が増したエノーラの活躍は鮮やかで軽やかで元気でみずみずしい。だけどその中にあるテーマや物語の軸は大事なことを扱っていて、その塩梅が絶妙。でも楽しい。完璧な「少女向け」な映画だと思う。別に男の子が見たって作品としては面白いはずだけど、気に入らないだろうし。トラブルメーカー的なエノーラをやれやれって感じでサポートしてくるママの方がよっぽどヤバい人物だったり、お兄ちゃんは抜け目がないのにどこか抜け感があって、血は争えないファミリー感にも和む。延々蔑ろにされてる侯爵もウケる。

(日本の作品だったら彼に対して素直にならない上に他の女関係には厳しいエノーラが批判されただろうけど、侯爵はそれが嬉しいタイプなんだと思う…なんであんなのがいいのって言われてもいやそこがいいんだよって真顔で言い出すタイプだよあれは…)(破れ鍋に綴じ蓋カプいいよね…)

ミステリとしての複雑さを持ち出すなら軽い方かもしれないけど、そこのみを楽しむための作品というわけでもないので、気軽に見られるけどそこも手抜きしてないよ、というまとまりの良さがいい。主演の人はまだ実年齢18歳だけど制作にも関わっていて、それが功を奏してると思う。等身大の感性というのかな。自分の力で道を切り拓きたいという、青年の多くが持つ意欲を上手く使ってる。続編楽しみ!

ハリガン氏の電話 ★★★★☆(3.6)
スティーブン・キング原作、そして彼らしい題材と物語。オチのないふんわりした世にも奇妙な感じのホラーでありながら、最近トレンドになりつつある「いい加減ネット、やばくない?」ネタ。正直今の自分の感覚はネット社会を離れたくなっているので、非常に親近感のあるお話だった。そしてドナルド・サザーランドがマジで今にも死にそうなおじいちゃんになっていたことの方がショックというか、ホラーじみていた。もう87歳でいらっしゃるので当然と言えばそうなんだけど…

ぐでたま ~母をたずねてどんくらい~ ★★★★☆
ぐでたまについてはその名前と生卵のキャラってことしか知らない状態。それも別に好きとかいうわけではない。ただどうにも予告のしゃきぴよが可愛いので見てみたら、なんというかもう、しゃきぴよの可愛さが凄まじくてとんでもなかった。ぐでたまもかわいいけど、喋って動くフワフワ羽毛のしゃきぴよがたまらん。演じている方の演技も素晴らしくて、あの…手のひらサイズのぬいぐるみとかないんですか…? なんで実写化すんのにグッズ増やしてないの…? バカなの…? という状態。

ゴジラvsコング ★★★☆☆(3.2)
モンスターバースは大好きなんですが…なんかこう面白みがあんまり…。ゴジラ、コング、キングオブモンスターズまでの3作はすっきりした構成で、その分怪獣プロレスが際立つエキサイティングさがあったんだけど、今回は色々と無駄が多くて…。あくまでもモナーク主体でないとこれまでの3作からの繋がりも弱く、なぜコングさんが捕獲されてるのか、いつ、誰が、どうやって連れてきたのかも全く触れず、終いにゃゴジラvsコングどころかゴジラvs〇〇〇〇〇になっちゃってんじゃん! という。過去3作に比べて怪獣側の事情が全然ないのも問題なのでは。単に人間が引っ掻き回したせいで暴れてるだけの王とコングさんという、身も蓋もない内容だったなあと。あるいは他の作品を彷彿とさせる展開や演出が多くて、さらりと小ネタをブチ込みまくってたJVRに比べると雑な感じもして…。てか小栗はさ…いいのかあれで…。吹替えが酷いのも相変わらずで、カイル・チャンドラーに田中圭だけでも酷いのに、高校生に爆笑田中って。田中みな実もキャスティングされてるし、田中祭りがやりたかったのか? あとどうして毎度毎度ド低音巨漢の吹替えを尾上松也にやらすのか…

モンスターバース、1作目ギャレス監督は超絶センスで押し切り、2作目JVRはオタクフルパワーで押し切り、3作目に至ってはドハティ監督普通にガチオタでゴジラ×モスラまでブチ込んで押し切り、そのあとにこれはさすがに荷が重かったのかもしれんけど…怪獣クラブ新規会員募集中。

ピノキオ ★★★★☆ (3.8)
納得の賛否両論真っ二つ。ブルーフェアリーの件で揉めてるのかと思ったら、なるほどそう来たか、と。個人的には嫌いなアレンジではないけど、たぶんこれって「変わりたいと望むことを否定するな」という解釈で怒られそうだなあと。「ありの~ままの~」を有難がって熱狂した人々が言えたことじゃないはずだけど。でもデザインはかなり良くて、プレジャーアイランドの下品さとエンタメ性の塩梅がとてもよい。終盤のゼペットじいさんのツッコミが良かったw

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ ★★★☆☆(3.2)
映像や造形美やキャストの演技は素晴らしいが、翻案がどうにも…。長く温めていた翻案のようだけど、オチが結局上記ディズニーの実写版と変わらず、そこは図らずもディズニーに対して否定的な意見を持ったことのある監督としては良かったんだろうか…と勝手にモヤってもいる。双方がオチとして選んだ形は個人的には問題ないと思うけど、こちらの「オチにいたるまでの流れ」がちょっと合わなかった。

シー・ハルク ザ・アトーニー ★★★★☆
例によってまったく予備知識もなく期待もしておらず、ふーん、女版ハルクねえ、なんでいちいち男がオリジナルのキャラで女版を作らなきゃいかんのだろう…と思いつつ、まあ一応見ておかないと今後に響くかもしれないから…なんてテンションで見始めたけどものっっっっっそい面白かった! 主人公のジェンが大好きになった!

ここ2~3年のMCUは女性キャラが主人公の作品が多く、それを一部では批判されてるらしいんだけど、そういう風潮を読んでか読まずか、最終回までに華麗な嫌味を盛り込みつつ、この面倒くさい社会で生きる女性のしんどさと面白さとを軽やかに描いてるのさすがすぎる! 一応コメディなのでポップなテンションで物語は進むんだけど、何気に核心をついた上手いセリフやキャラクターが続々登場するので、まったく飽きない。

エンタメ情報なんかのコラムでも取り上げてたけど、「怒ることで怪力の超人に変身するハルク」になってしまった女性に、ハルクの先輩であるいとこが「怒りをコントロールしてハルクを制御する方法」を教えようとするんだけど、それに対して「あのねえ、女は生きてるだけで毎日怒りをコントロールしなきゃならないの。女ならそんなの簡単にできる」と言わせたの、本当にすごいと思う。名誉男性にもならず、ぎゃふんと言わせるでもなく、スーパーパワーで正義のヒーローになるでもなく。殴り殺すより「法に則って」カタつけよう。こういうところMCUほんと好き。

ザ・ウォッチャー ★★★★☆(3.6)
実話を元にしたホラー、サスペンス、スリラーで、元の事件が未解決の場合の選択肢は少ない。ドキュメンタリー並に事実を描いて未解決のまま終わらせるか(未解決になってしまったこと自体が題材)、新解釈による犯人あるいは顛末の創作か(if的なミステリ)、第三者視点による事件のトレース(事件自体の体感)などがよく見られるパターンだと思うけど、これはそのどれもが中途半端だった。個人的にはある程度犯人候補の提示や新解釈で事件を再構築して物語にしてほしいタイプなんだけど、そういうアプローチはなかった。サスペンスフルな演出はよかったけど、人間てコワイネーで済むような話でもなかったし、オカルトっぽさもあったし、カルトホラーの定番「伝統と清貧を重んじる信心深いおさげで白人のおばさん」は出てくるし、まとまりも感じず…。また、海外ドラマではあるあるなので仕方ないんだけど、メインの登場人物がものすごくキレやすくて、すぐ頭に血が上って軽率な行動に出たり、やらんでもいいことをやって窮地に陥るといういつものアレがたっぷりなので、またか~という飽きも早めに来る。

キャシアン・アンドー ★★★★☆(4.2)
主人公が5年後にどうなるか全て分かっている上で見る、その5年後に至るまでの物語。どうせ何度も使えないキャラなんだし、いわゆるスパイアクション的な、もっとポップなものを想像してたんだけど、とんでもなかった。マンダロリアンはじめSWのドラマシリーズはわりと楽しいものが多いから、また家族みんなで見られる系のになるのかと思ってたら、まさに今語られるべきクソ重いS1だった。というかS2は2年後でーす、っていう地味につらい長さで割と中途半端なところで終わってくれやがりまして、しかも5年間自由に使える時間があるのに、作中多分長くても1年くらいしか経過してない状態で、どうすんのよこの後…というハラハラ感は凄まじい。しかも他のシリーズと共通する登場人物がいるので、そこをどう処理するのか、しないのか、それも緊張感ある。

そもそもこのシリーズの元となった「ローグ・ワン」はスピンオフだと舐めてかかったファンをボロボロになるほど打ちのめし、特別な能力を持たない人々の中にあるシビアな「戦争」を描いたことで評価の高い映画。そのカラーをしっかり踏襲し、ひとりのアウトローな人間が時代に翻弄されているうちに大きな反乱の中に取り込まれていく様を、またさらにリアルに描いてる。そのリアルというのも、超能力者めいた騎士やぬいぐるみみたいな宇宙人が出てくるスターウォーズという世界を極限まで「人間社会」としてデザインし、人間が恐怖政治で圧政を強いていた時代を暗く冷たく描いている。実際この頃は人間による支配の時代で、フォースなんてものはおとぎ話の世界のものだと思っている人が多くなってきた頃なので(その辺はちょっと無理があるけど)、そういう意味でもリアル。多種多様な宇宙人が行き交っていた街は働く人間ばかりがしかめっ面で闊歩するだけの街になり、当然人間の中にも「負け組」がいて、暗い場所で鬱屈した思いを抱えている。あるいはただ生まれた星で独自の文化を築いて生きていただけなのに、突然現れた帝国軍に住処を乗っ取られ、長年続いた祭礼は監視下におかれる。とにかく細かく細かくリアルな世界が作られていて、視聴している自分の現実の物語なのかと思うほど、遠慮なく「反乱に至るまでの道」を描いてる。ディズニーという巨大な組織を嫌う人は多いけど、しかしこのところこうした物語には本当に遠慮がなくて、そういう尖り方を持っていられることはすごく評価できる。マーヴァが死を前にして語りかけたのは、フェリックスの人々なのか、あるいは…。

(特にアルダニの帝国将校のキャラクターは上手かったな~。正装を着るのにまごつく息子を母親が手伝っていると「おい、子供じゃないんだから自分で何とかさせろ! 俺のベルトがおかしいから見てくれ!」この台詞秀逸すぎる。こんなに端的に全てを内包した台詞よく思いつくよな…。しかもこの後に続くのが「太ったんじゃないんですか」「いいや違うベルトがおかしい」なのもすごすぎる)

中でも刑務所パートは名シーン揃いの至高の回となっていて、謂れなき罪に課せられた労役からの脱獄、逃亡はアツすぎた。サプライズキャストのアンディ・サーキスの演説はキャシアンが言わせたものとはいえ、さすがの迫力、説得力。またキャシアンを動乱の渦に引きずり込むルーセンがステラン・スカルスガルドのせいか何を言ってもやってもなんとなく信用出来ないさじ加減で、固く強い意志の元で反乱を企てているというのに、まだ隠してることがあるのではと思ってしまう。

一方で、のちに帝国に反旗を翻すリーダーとなり、最後まで生き残って新たな共和国を作るに至るモン・モスマの描き方もよかった。シャンドリラというレジェンズにしか細かな設定のない星の議員である彼女の世界も豪奢なようでいて重苦しくなり始めていて、特にひとり娘が誰に洗脳されたわけでもなく偏った教義に傾倒していくさまは見ているこちらの背筋を凍らせるほどの静かな恐怖で、彼女が今後どういう物語を経てあの「宣言」にたどり着くか、それも楽しみ。パドメやベイルさんに比べるとサブキャラ・脇役でしかなかった彼女は本当の意味で反乱同盟軍を率いた英雄のはずなので、それを改めて描いてくれるのはありがたい。物語はいつでもキャシアンやエズラやバッドバッチたちを主人公に選ぶけれど、彼女のような指導者が死なずにあの激動の数年間を生き抜いてくれなかったら帝国は倒れることはなかったので…

また、今回一番評価したいのは実は「都市・街のデザイン」と「民族のデザイン」で、このふたつがスター・ウォーズシリーズの中でも突出して秀でていて、特にメインの映画シリーズではSFらしい空想科学都市だったのに対して、本作では「現実のコルサント」とでもいうべき街並みと生活の場が表現されていて、特にシリルの実家には打ちのめされるほど感動した。あの空想科学都市には当然こういう「場所」があるべきであり、その空想科学とこちらの現実との融合が見事すぎて。撮影には現実の建物を使いつつ、「コルサントの一般人の世界」のデザインには舌を巻くばかりで…。かと思えば主人公が作中で立ち寄る場所には「民族」が当然いて、それらの造形も徹底して作り込まれていて、なのにその自然さが、もう褒める言葉がないんだけど、とにかくすごくて。

あとはルーセンの船ですか。最高すぎて泣きそうだった。あんなかっこいいもの隠してやがったのか…というかあれを思いついた人天才。

One way out! One way out! 二年後にもう一度この世界に戻れますように。

11/2022

こんなところでなんですが、今朝方15年連れ添った犬が他界しまして、それ以前に私自身も毎年恒例11月の体調不良で万事控えめに過ごしていたのですが、さすがに飼い犬を亡くすというのは心身ともに堪えますね。15歳とは思えない元気な健康体からの突然死だったので心構えをする間もなく、なので夢小説を書けるコンディションでもなく、お休みというか、まあまた書けるようになるまで放置とさせていただきたいと思います。

とはいうものの、むしろペットロスに陥らないためにもサイト運営との関わりは極力減らしたくないですし、合間を見てやっていたくるっぷへの移植だとか、このブログに独り言を書いてみたり、そんなことをちょこちょこやってみようかと思います。

11/2022

このところTwitterの居心地が悪いあまり、「ていうか、そもそもTwitterにへばりついて日常に起こったことを投稿しなきゃならない意味は」などと今更何を言ってんだ、というようなことを考え始めており…

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私がTwitterを始めたのは東日本大震災の時で、情報収集や友人と連絡を取るのが楽だったというのが始まり。そこから数年は投稿はほとんどせずに見てるだけだったのに、アベンジャーズ地上波放送でテンションが上がり、実況の楽しみを覚えてしまってからはとにかく密に付き合うようになってしまった。

当時は楽しかったんですよね、趣味を持って活用してるタイプの人がとても多くて、それぞれの楽しみを抱えた人同士がワイワイと遊んでるみたいな雰囲気で。それこそ2ちゃんねる時代の「ネットとうまく遊ぶ方法」みたいなものを心得てる層が多く、すぐ大喜利に走るのもそういう傾向があったからだと思う。

一応メリットというか、良い面もあって、私の場合は大河実況クラスタということになると思うんだけど、真田丸をきっかけに親しいフォロワーさんを得て色々お喋りしたとか、そういうところはもちろんプラスに受け止めてる。あるいは相変わらず情報収集には1番まとまっていて「1箇所で済む」メディアなので、そこは変わらず活用してる。

でも、要はTwitterが「商売道具」になり始め、スマホの普及により「PC時代のネット経験の浅い層」が一気に流入したことで、かつてあれだけ悪者にされていた2ちゃんねるなど比較にならない醜悪な側面を見せ始めていて、もう関わるべきじゃないのでは…と思い始めていて、たぶんこれは覆ることもなさそうだし、冒頭に書いたように「私生活をいちいち公表する意味は」という根本的な問題に立ち返ると、確かにSNSなんかいらねえのでは…に落ち着きそうになっている。

以後も情報収集のツールとしては利用すると思うし、Twitterでしか繋がっていないフォロワーさんとはこれからもTwitterを介してお付き合いさせていただくんだと思うけど、私には「Twitterという社会」がもう、気持ち悪すぎる。いやTwitterだけじゃなくてYoutube社会も気持ち悪いけど。「マスコミは嘘をついている! だからそれを暴いているネットは真実!」って本気で言う人が現実に、目の前に現れる恐怖。

情報収集も、昔は情報サイトを1軒1軒回って集め、あるいはRSSを活用し、まとめブログなんかもよく見てた。それに戻りたいとは思わないけど、Twitterのようにいつの間にか「社会」を形成してしまっていて、いくら技術が進歩したところでメタバースなんかほんの10年でここまで腐るよと予言しているかのような現状を考えると、もっとシンプルな情報収集の手段はないものかなと…

一応くるっぷはTwitterライクなSNSとしての機能をほとんど備えているので代用にならなくもないんだけど、でもあそこはあくまでも創作系の場だし、情報収集には向かないし、創作やらない人はアカウント作らないだろうし。

てなことをゴチャゴチャ考えるあまりこうしてブログみたいな場所を作ったりもしたんだけど、そもそも論に考えが飛躍するとやっぱり「そんな場所で問わず語りをする意味は」になってしまうので、もう少し軽く考えたいとは思ってみる。自分の記録として日記のようなものになればいいんだけど、それだって普通、他人に見せるものじゃないし…(ループ)

メタバースに流行がうつり、いつかどこかのメタバースに所属しなければならないのなら、私はディズニーのメタバースに住みたいとは思ってる。スターウォーズが絡んでいればの話だけど。

10/2022

双馬は子供の頃からスター・ウォーズで育ったタイプのファンなのですが、「SWってどういう順番で見ればいいの? たくさんあってわからない」というのは意外とよく聞かれます。 (いやSWなんか少ない方だぞMCUなんかなと言いたいのは我慢)

だいたい「公開順に見れば大丈夫」と言って済ませますが、最近スピンオフが増えてきてややこしくなってきてるのも事実。なので入門編的にちょっとまとめてみた。予備知識ありでベビーヨーダを見よう!

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とはいえ、SWはタイトル自体は多くないです。映画9本、スピンオフのアニメが4、ドラマが3。基本的には映画9本だけ見れば問題ないです。それが「スター・ウォーズ」なので。スピンオフはあくまでその9本が面白かった人が見ればいい…のですが、もし「ベビーヨーダ出てるやつ見てみたい! 最近ディズニープラスで配信されてるやつは何を見ておけばいいの?」となると、スピンオフ知識が必要になってきます。

なので、まずは映画9本を見る。その次にディズニープラス以前のスピンオフを見れば、現在配信中のあれこれが理解できるようになります。タイトルだけ並べると…

映画公開順

  • スター・ウォーズ Episode4 新たなる希望
  • スター・ウォーズ Episode5 帝国の逆襲
  • スター・ウォーズ Episode6 ジェダイの帰還(旧タイトル:ジェダイの復讐)
  • スター・ウォーズ Episode1 ファントム・メナス
  • スター・ウォーズ Episode2 クローンの攻撃
  • スター・ウォーズ Episode3 シスの復讐
  • スター・ウォーズ Episode7 フォースの覚醒
  • スター・ウォーズ Episode8 最後のジェダイ
  • スター・ウォーズ Episode9 スカイウォーカーの夜明け

簡単に言うと、は子世代、は親世代、は孫世代、です。もちろん1作目がキツかったら以後はやめた方がいいです。試してみるなら、場合によっては子世代と親世代だけでもいいかも。孫世代はちょっと事情が異なるので、後回しでも大丈夫。

もしシリーズをリレーしてみようかな、と思ったら、他人の感想やレビューを見ずに鑑賞することをおすすめします。SWファンは文句言いの人が多いので、偏った先入観を植え付けられる可能性があります。

映画9本(または6本)が大丈夫そうなら、スピンオフも見られます。

スピンオフのみ公開順(タイトル別)

  • スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(映画版)
  • スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(テレビシリーズ) 全7シーズン
  • スター・ウォーズ 反乱者たち 全4シーズン
  • ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー
  • ハン・ソロ スターウォーズ・ストーリー
  • スター・ウォーズ レジスタンス 2シーズン
  • マンダロリアン (S1-S3~継続中)
  • スター・ウォーズ:バッド・バッチ (S1~S2、S3で完結)
  • ボバ・フェット/The Book of Boba Fett
  • オビ=ワン・ケノービ
  • キャシアン・アンドー (S1、S2制作中)

世代マークがないものは映画と映画の間の時期の作品。は完結。は完結なのか続編が作られるのかわかっていません。は劇場公開作品なのでレンタルでも見られます。は配信オリジナルコンテンツのため、ディズニープラス以外で視聴できません。ですが、現在スター・ウォーズの映像コンテンツは全てディズニープラスで視聴できるので、まとめて見ようと思ったらそれが1番楽です。

ただ…スピンオフが厄介なのは、時系列が飛び飛びという点です。映画9本の合間を縫って展開しているので仕方ないんですが、あるいはテレビ版クローン・ウォーズ7シーズンはファイナルまでの公開に開きがあり、スピンオフだけを公開順で見ていくと混乱する可能性があります。

なので、全てを理解できるように並べてみます。

理解度優先の視聴順序

完全な時系列ではなく、公開順も考慮しているのは、シリーズものにありがちな「リフレイン演出」や「過去シリーズを知る人が楽しめる仕掛け」がとにかく多いためです。SWの面白さの本質はここにあるかもしれないので、時系列を追うだけだともったいない。

  • スター・ウォーズ Episode4 新たなる希望
  • スター・ウォーズ Episode5 帝国の逆襲
  • スター・ウォーズ Episode6 ジェダイの帰還(旧タイトル:ジェダイの復讐)
  • スター・ウォーズ Episode1 ファントム・メナス
  • スター・ウォーズ Episode2 クローンの攻撃
  • スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(映画版)
  • スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(テレビシリーズ) シーズン1~シーズン6
  • スター・ウォーズ Episode3 シスの復讐
  • スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(テレビシリーズ) シーズン7
  • スター・ウォーズ 反乱者たち シーズン1~シーズン4
  • ハン・ソロ スターウォーズ・ストーリー
  • ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー
  • スター・ウォーズ Episode7 フォースの覚醒
  • スター・ウォーズ レジスタンス
  • スター・ウォーズ Episode8 最後のジェダイ
  • スター・ウォーズ Episode9 スカイウォーカーの夜明け
  • マンダロリアン
  • スター・ウォーズ:バッド・バッチ
  • ボバ・フェット/The Book of Boba Fett
  • オビ=ワン・ケノービ
  • キャシアン・アンドー

これを完全な時系列に入れ替えると

  • スター・ウォーズ Episode1 ファントム・メナス
  • スター・ウォーズ Episode2 クローンの攻撃
  • スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(映画版)
  • スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(テレビシリーズ) シーズン1~シーズン6
  • スター・ウォーズ Episode3 シスの復讐
  • スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(テレビシリーズ) シーズン7
  • スター・ウォーズ:バッド・バッチ
  • ハン・ソロ スターウォーズ・ストーリー
  • オビ=ワン・ケノービ
  • キャシアン・アンドー (S1配信中)
  • スター・ウォーズ 反乱者たち
  • ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー
  • スター・ウォーズ Episode4 新たなる希望
  • スター・ウォーズ Episode5 帝国の逆襲
  • スター・ウォーズ Episode6 ジェダイの帰還(旧タイトル:ジェダイの復讐)
  • マンダロリアン
  • ボバ・フェット/The Book of Boba Fett
  • スター・ウォーズ Episode7 フォースの覚醒
  • スター・ウォーズ レジスタンス
  • スター・ウォーズ Episode8 最後のジェダイ
  • スター・ウォーズ Episode9 スカイウォーカーの夜明け

は色別で、ほぼ同時進行や同時期、直接繋がるなどのエピソード。

こんな感じでしょうか。ディズニープラスで視聴できる「フォース・オブ・デスティニー」は様々な時代の短編集、「ヴィジョンズ」は本筋とは無関係の短編集。件のベビーヨーダは「マンダロリアン」と「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」に出てきます。

あるいはこんなこともよく聞かれます。

「金ピカのロボットと丸くて青いロボットはどこに出てくるの?」
「ほとんどの作品に出てくるよ。出番が多いのはEp1~6やクローン・ウォーズ」

「『愛してるわ』『知ってるよ』はどれ?」
「(ネタバレなのでは…)」※子世代のどれかです

「有名な人、出てたっけ?」
「日本で知名度が高いのはハリソン・フォード、ナタリー・ポートマン、ユアン・マクレガーあたり? スターありきのキャスティングは少ないよ」

「日本がモデルになってるのはどれ?」
「色々あるけど基本噂。ジェダイが「時代劇」から来てるとか、ダース・ベイダーの鎧(伊達政宗)とか、R2-D2とC3PO(隠し砦の三悪人)など。モデルというよりオマージュが多いよ」

「フォースって超能力のこと?」
「ちょっと違う。万物に存在するとされる、普通の人には感知出来ないエネルギー体のこと。これに干渉・操作できる能力を持つ人がジェダイの騎士になれる。一般人との差は細胞内の共生生物の数」

May the Force be with you!

「それなに?」
「フォースとともにあらんことを、ってやつ。神のご加護がありますように的な使い方をされる」

「推しキャラとかいるの?」
5時間くらい喋りますがいいですか

May the Force be with you! and May the Force be with us!

09/2022

久々に鑑賞記録。ちょっと溜まってきたので。今年はドラマとかシリーズを再見ばかりしていて映画は本数がとても少ない。というか感染者数の関係で映画館も全然行っておらず、配信に浸りきってます。

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セブンス・サン ★★☆☆☆(2.4) えっほんとに2015年の映画なの…? という
エスケープ・ルーム ★★★☆☆(3.2) メイズ・ランナーみたいにしたかったんだろうか
アイデンティティー ★★★☆☆(3.4) タイトルでネタバレしてない…?
フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 ★★★☆☆ やっぱり私には理解できない世界
ロード・トゥ・パーディション ★★★☆☆(2.8) 男が好む究極の父と息子ものって感じ
デジャヴ ★★★☆☆(3.4) 設定面白いけど分かりづらい
ブック・オブ・ライフ ~マノロの数奇な冒険~ ★★★★☆(3.6) 南米デザイン炸裂超絶かわいい
ナイル殺人事件 ★★★☆☆ ミステリを主体に考えるとちょっとアンフェアかなあ
ナイトメア・アリー ★★★★☆(3.8) B・クーパーがやべえ。あのラストシーン一発録りとか凄すぎる
ザ・プリンセス ★★★☆☆(3.4) 分かりやすいいつものアレ。でもスカッとする
ヒッチコック ★★★☆☆(3.2) 名優&名優すごい…
デンジャラス・バディ ★★★★☆(3.8) メリッサ好きすぎる…ほんとにポール・フェイグは女性を描くのが上手い
死霊館 悪魔のせいなら、無罪。★★★☆☆(3.4) itが当たったからってこのサブタイ…
レミーのおいしいレストラン ★★★★☆(3.8) 批評家撃退メニューが読めてしまって残念
パーム・スプリングス ★★★★☆(3.6) 世の評価ほどには感じなかった。ミスティのキャラがいい

プロミシング・ヤング・ウーマン ★★★★☆(4.2)
「そこまでしなくても、やりすぎ」
「そんなことで? 動機が微妙」
「主人公と友達にも責任(非)はある」
という感想を抱く人は多いと思う。あるいは、
「身近な問題じゃないから感情移入出来なかった」
「当事者は大変だろうなあ。想像出来ない」
「誰でもこんなことに巻き込まれる可能性がある。気をつけよう」
と思うかも。

そんな人々に「てめえら待ってろよ地獄に叩き落としてやるからな」と中指をおっ立てる映画。上記のありふれた感想の(特に後半3つ)何がマズいのかが分からない人にはこの作品の何が凄いのかも全く伝わらないという作品でもある。タイトルは「将来有望な若い女性」という意味で、これも秀逸。

また、そんな風に不用意に感想を言うと「自分がどんな人間なのか、過去にどんな若者だったか」がバレる仕様になってる。バレます。でも、一体自分がこの作品の構造の中の「誰」なのかを確かめるために見てみるのもいいかもしれない。(おそらく日本では特に)題材となっている「問題の種類」が身近に感じられない(場合が多い)作りではあるけど、「問題の種類」に関係なく、この作品が描いている「こと」は社会が抱えてる、そして限界に近付きつつある爆弾なので、性別年齢関係なく自分が当てはまる場所がどこかにあるはず。もちろんこの作品の構造の中に含まれないという人は存在するけど、含まれないということも実は問題。読解力よりも実体験により受け取り方が変わってきてしまうので、場合によってはとてもつらく悲しい作品かもしれない。ものすごく不愉快かもしれない。そういう多面性も含めていい作品だった。ねえ、自分は無関係、本当にそう言い切れる?

ジュディ 虹の彼方に ★★★★☆
ジュディ・ガーランドの過酷な生涯については大まかには知っていたので、そういう意味での感銘や感傷はなかった。この評価もひとえにレネー・ゼルウィガーの名演への称賛。クセのある役どころを演じるのが上手い役者さんだと思ってたけど、「若い女性」を脱してその演技に深みと凄みとある種の軽やかさが出て素晴らしい出来。歌唱シーンが吹替えなしだという点がクローズアップされがちだけど、それよりも日常会話の自然さの方がすごい。

…と思っていたら、作中の晩年のジュディに対して「多くを求めすぎ」「自分勝手でイライラする」などの感想が多くて驚いた。作中でも描かれているように、ジュディ・ガーランドは成長期に痩せ薬と称して(当時はそう信じられていた)覚醒剤を飲まされ続け、食事を制限され、睡眠もろくに取れなかった。47歳という若さで亡くなった、と書かれることが多いが、むしろよく47まで生き、3度も出産出来たと思うべき健康上の問題があったはず。冒頭からきちんと描写があるように、これは搾取の中で愛を求めて懸命に生きたひとりの「被害者」の物語と見られるべきだと思う。そんな悲惨な人生の中でも彼女は努力(レッスン)をし、ステージと観客の間にある愛を信じていた表現者だった。観客はエンターテインメントの中に存在するものが生身の人間であることを忘れ、いつでも自分たちを満足させてくれる「サービス」を行わなければならないと勘違いしている。引退や休業は許さず、解散などしようものなら2日目には再結成はまだかと騒ぐ。先日も脱SNSを告白したスターがいたけれど、それに触れる記事や意見は彼の決断に理解を示しつつも「寂しいけど」「残念だけど」と恨み節を付け加えることを忘れない。本当に彼を案じるなら愛を伝えるだけで十分なはずだった。昨今日本では「推しは尊い」という感覚が一般的になりつつあるけれど、その尊さが常に供給されなくなった時、ファンは簡単にジュディを壊した「搾取者」となり果てる。感想の中には「ジュディはこんなに愛されている」という意見も多かった。とてもそうは思えない。人々が愛しているのは「ドロシーとオーバー・ザ・レインボーとオズの魔法使いの記憶」であって、ジュディではなかった。ジュディにはそんなものより身近な家族や友人の愛と、適切なケアを受けられる生活が必要だった。観客がいくら愛を叫んでも、それらがなければ大スターは47歳で孤独に死ぬ。それをまざまざと見せられた気がした。

そういえばアヴィーチーが亡くなったときも「金も女も名声も持ってるのになんで自殺するんだろう。セレブは贅沢だ」という意見をたくさん見た。一体人間を何だと思っているんだろう。

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル! ★★★★☆(4.4)
久しぶりに死ぬほど笑った。フィンランドの片田舎に住む幼馴染メタルバンド4人がフェス出演を目指す…というなんか青春系のいい話っぽい概要だけど中身はやりたい放題のコメディで、何となくでもメタル文化が分かればめちゃくちゃ面白いと思う。というかもう、開始1秒の画で既にじわっと来てスイッチが入ってしまい、メンバー紹介だけで笑いが止まらないという中々の拷問。青春友情な要素もあるけど湿っぽくなく、メッセージ性も弱く、陰キャメタラー4人がひたすらバカだけど憎めなくて、北欧の短い夏を感じさせる刹那的な弾けっぷりに何故かちょっと癒されるという、よく分からない作品だった。

今どうなんでしょうか、私が子供の頃、こういうジャンルの音楽は全部「ヘビメタ」と言われていて、実際はもっと細かいジャンル分けがされていて音楽的にもかなりの差があるんだけど、一般的には「反社的な悪い人たちの好む音楽」という認識をされていて、あるいはマトモな音楽だとすら扱ってもらえてないような感じだった。だけどこの作品でも描かれてるように(あるいはデトロイト・メタル・シティにもあるように)、メタラーに「圧倒的非リアの陰キャ厨2オタク気質」な人が多いのは昔からあるあるなんですよ。「無害な音楽」やってる人の方がよっぽどクズ、ということは現実にあり、こちらは「比較的裕福な家庭で育った人当たりのいいオシャレさん」だったりするのもよくある話。あるいは実際に検挙されるような犯罪なら別の音楽ジャンルの方が実績があったり。もちろんそうじゃない人もいますが、この「メタルってだけで何故か非難される」のはもしかして全世界共通なのかもしれない、その「あるある」が面白すぎた。私自身に経験があるのはV系~ハードロックなアマチュア界隈でしたが、ほんとにヤンキー上がりみたいな人はとても少なかったし、バンドマンもファンも「元いじめられっ子」ばかり、また驚異の母子家庭率の高さで、まあそれだけに今度は粘着だったり夢見すぎてたり、それはそれで困る面もありましたけど、世間が「ヘビメタとか…」と眉をひそめるような世界ではなかった。そういうメタル文化の縮図としても面白かった。

ところで作品の日本公式サイトによりますと、フィンランド人口550万人のところメタルバンドが推定3000組いるそうなんだけど、これを日本の都道府県に当てはめると兵庫がだいたい同じくらいの人口になる。兵庫にメタルバンドが3000組、と考えるとどれだけヤバいのかが伝わってまたじわじわ来ますw 人口約1800人ごとにメタルバンドがひとつくらいの割合。じわる…

ジェイコブと海の怪物 ★★★★☆(4.2)
人によってはとてつもない傑作。私もすごい作品だと思う。一見、子供向け海洋冒険もののアニメ映画で、もちろん子供にはそう見える。だけど大人の目で見ると様々な問題を物語の中にギュッと詰め込んでるのがわかる。というかそういう問題ってひとつかふたつ詰め込むのだって大変なのに、いくつも詰め込んでるのに破綻もせず、かといって正解を押し付けるのではなく、希望を持たせすぎることもなく、この手の問題提起型作品のステージをひとつ上げたのではとすら思う。ただし、偏った考え方を持ち、多様な考え方があってはならないというタイプには絶対響かない作品ではある。形式上悪役が存在するけど、そっちの方が正しいと感じる人も多いかもしれない。

まあそれとは関係なく動物キャラが可愛かったりアクションシーンが爽快だったりコミカルなシーンもあったりで単純に作品としても面白い。

ついでにタイトルのジェイコブが牧っぽい雰囲気で頭が固くてニヤニヤが止まらない。てか実際の主人公はジェイコブというよりメイジーという女の子で、その幼女に振り回される牧…じゃなくてジェイコブほんとニヤニヤする。それにしても武内駿輔さんは洋画吹替えにおける希望の星ですね! 年齢を考えると上手すぎる!

ベイマックス! ★★★★☆
ショートシリーズだけど、内容はすごい。こんな短いのほほんとしたアニメーションの中に、これだけメッセージを詰め込みつつ、縦軸も入れつつ、無理なく無駄なくスッキリまとまってるのさすが。全編通してポジティブな多様性を取り入れてるけど、かなりあからさまに描いている割には日本でも好意的に受け入れられてて、そもそものベイマックスの人気をもってすれば嫌悪感も出ないんだなあと変に感心。ケアの意味、意義、社会においてそれがどう機能すべきかということも優しく考えられる両作。特に4話の「あなたは健康です」が刺さる。健康です。

チップとデールの大作戦 ★★★★☆
めちゃくちゃ面白い……てほどでもないけど面白かった。実写と2Dと3D混ぜても違和感ないのすごい。てか今回の絵柄のチップすげえかわいい! でも2Dでも3Dでもケツがかわいいことには変わりなくて! 内容が自虐ネタとか他社disりネタたっぷりなので「ディズニーっぽくない」という評が多いけど、まあ魔法にかけられてとかの延長線と思えばそんなに意外でもない。にしてもなんで悪役はあの人に白羽の矢が立ったんだろう? 多分小ネタを拾いきれてないと思うけど、ひとまず不気味の谷でフイタ。吹替えのキャスティングも粋なことをしてる。レスキューレンジャーズテレ東版見られるようにならないかな~

クルエラ ★★★★☆
ザ・ジェニー・ビーヴァン・ショー! 正直、物語はチープに感じた。クルエラ・ド・ヴィルは毛皮マニアでダルメシアンを殺して毛皮を剥ごうと誘拐した、そういう人物のはずなので、そもそもマレフィセント同様「実写のヴィランオリジンストーリー」は興味がなかった。実写化されるのは女性ヴィランばっかりだし、ヴィランのヴィランたる個性を消して正義の悪役に変える意味もないと思ってたし。なので★4つの評価はほぼほぼコスチュームデザインのジェニー・ビーヴァンさんへつけたもの。各賞総ナメ状態なのも納得。凄まじい。途中エマ・ストーンが衣装に食われてるシーンもいくつかあり、コスチュームに携わった人々の気迫のようなものが感じられて、作中でクルエラが喧嘩腰でファッションデザインに夢中になっているのは衣装に携わった人々の熱意を表現しているのではと思えるほど。ほとんどアクション映画。ドレスで殴り合ってる。キャラとしてはエマ・トンプソンがやっぱり最高。この人本当に何でも演じられるんだな…。犬もかわいい。かわいいけどクルエラが実はちゃんと愛犬家みたいなのはどうなんだろうなあ…。個人的には96年の「101」が真っ当な実写化という気がする。今でこそ低クオリティなキャスティングばかりで炎上商法を疑うような話題性吹替えばかりだけど、この「101」の山田邦子さんのクルエラの吹替えは本当に素晴らしかった

私ときどきレッサーパンダ ★★★☆☆(3.2)
リアリティと2Dなコミック的表現と3Dのごく自然な融合は確かにすごい。レッサーパンダもめちゃくちゃかわいい。モッフモフ。けどなあ…最近のピクサーいつも思うんだけど、これ、小さい子供が見て面白いのかな。小さい子供っていうのは幼稚園児くらいから1桁までくらいとして、こんな思春期の娘と母親の戦争たのしい…? って思ってしまう。わけが分からなくても見られちゃうってのもまああると思うんだけど、ニモとかモンスターズインクのような単純に楽しいアニメーション映画ってのはもう作られないのかなあ…とちょっと気持ちが離れ始めてる。あるいは主人公と同い年の13歳の女の子がこれ見て「いい子でいるのはやめる! 自分のアイデンティティのために戦う!」って思うかな。どことなく「大人が酒飲みながら黒歴史を振り返って『10代は最悪』って言いながら騒いで今ではすっかり分別のある大人になった(と思い込んでいる)自分に酔う」みたいな匂いを感じる。北米と日本では色々事情も異なると思うんだけど、13歳ってそう演じているのも含めてもっと大人っぽいんじゃ…と思うのも違和感のひとつ。メイキングを覗いてみたら監督は「レッサーパンダ使いたかっただけ。比喩や物語は全部後付け」って言ってたので、しょうがないのかもしれないけど。それにしても主人公のお母さん、さすがに異常じゃなかろうか。校内に忘れ物を届けに来るシーンとか、こういう表現を「愛」とか「子供を思うがゆえの」とかで美化するのはとても苦手。やられる方の身にもなれよ、普通こんなに丸く収まらんよ、親友たちがいなかったらどうすんだ、という。それと同じくらい邦題もひどいけどね…

ムーンナイト ★★★★☆(4.4)
あんまり話題にならなかったけどすっげえ面白かった! MCUのシリーズは好みが分かれるから超低評価な人もいるけど、刺さると傷が深いいつもの感じ。エジプト神話をベースにしつつもそこは設定程度で深入りせず、主人公を主体とした内面の物語から大きく逸脱しないで進むので、刺さり気味で見てると終盤結構大変。徐々に謎が明らかになっていくけど諸々無理もなく、難解そうにデザインしつつも単純明快。かといって主人公に比重が傾きすぎて作品全体のバランスが悪いということもなく、他のメインキャラにも細やかに気を配って作られているのはまあ言うまでもないことだけど、さすが。シリアス過ぎず、悪ふざけもせず、結構真面目に向き合ってる物語。オスカー・アイザックの超絶技巧の名演はもちろん、吹替えの関さんもすごい。これが劇場公開映画だったらヘタクソな話題性になって全部ブチ壊しになってたはず。配信用のシリーズで見られて本当によかった。でも続編くださいいいいいい

ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス ★★★★☆(3.8)
全部カタカナで書くと長すぎるけど変な邦題よりは遥かにマシ。ワンダがつらいのは今に始まったことじゃなくてワンダヴィジョンの辛さがそのまま延長されてしまって、なんだか先生の物語というより、ワンダの物語に先生が巻き込まれてしまったみたいな感覚だった。むしろ先生のハイライトは冒頭の結婚式からヒラリとやるところなのではと。件の同性愛描写に関してはいつものようにエッその程度でというくらいだったので一瞬気付かないほど。チャールズも久々に嬉しかった。

ストレンジャー・シングス S4 part2 ★★★★☆(4.4)
1ヶ月置きましてS4完走。ほんとにこのシリーズは面白すぎてわけが分からん。個人的にはどうでもいいところとか、それどうなんかなって思うところもあるのに、「物語」が面白すぎる。けど、エディの件とかマックスの件とか色々あるんだけど、なんせウィルがつらかった。あのシーンの意味するところが何であれ、ホーキンスのウィーラー家の地下でずっとD&Dやっていられたら幸せだったんだろうに…。 てか相変わらずスティーブが絶妙なキャラで、でもそれがむしろ逆にこれは人気に合わせて作られてるんかなあと疑いたくなったり。にしてもシリーズが進むごとにエリカがめっちゃ頼りになってきてシンクレア兄妹応援したくなる。怒涛のS4マジで面白かったけどあんまり多くを語りたいシーズンではなかったかも。S5早く来て欲しいけど来たら終わっちゃうといういつもの

Ms.マーベル ★★★★☆(4.2)
国産のティーン映画なんかを興味ないと言うと「若い子に嫉妬してるからだ」とか言われるんですけど、こっちはめちゃくちゃ面白かったので国産合わないだけです。というか女子高生がスーパーパワーに目覚め、頼りになるメンズと親友に囲まれて困難に立ち向かい、バトルしたり悩んだりときめいたりするっていう、まあさして国産のティーン映画と変わらんと思いますけど凄まじく面白かった…。あるいは主人公カマラのルーツやその背景にもスポットを当てて、アメリカでの、という前提はあるものの、カマラを取り巻く世界を真面目に描いたことは意義深いことだと思うし、現実にその環境に生きている人たちのためにも素晴らしい作品になったのではないかと。ごくごく一部の偏った思想の人たちのために同じ烙印を押され続けてきた人々は当然温かくもあり優しくもあり、誰もがそうであるように自分たちのライフスタイルで日々を生きてるという穏やかな描写はとてもよかった。一方で最終的には「普通なんかない」で締めくくったのも挑戦的なアプローチだったと思う。生まれたばかりのヒーローの物語としていいバランスだったと思う。

ブルーノ、カムラン、カリーム。最初はカムラン推し(カマラの相手として)だったけど、カリームを推したいという如何ともし難いこの(頭抱) 髪型といい、キャラ性といい、赤いスカーフといい、卑怯なんだよカリーム…

ジュラシック・ワールド サバイバル・キャンプ S5 ★★★★☆(3.6)
日本でのジュラシックパーク人気を考えるとちょっと異常なほどに認知度が上がらなかったこのシリーズも完結、ファイナル、そして最後はちゃんと「ジュラシック・ワールド 炎の王国」へと繋がる終わり方をしてるんですが、さてドミニオンで何かあったかどうか。S4S5はファイナルをパート1パート2で分けた構成、という感じで、S1~S3とは同じようでカラーの違う作品になってしまったことは残念だった。何よりS4から突然恋愛を絡めだし、ヤスミナとサミーの件なんか本当に取ってつけたような無理矢理さが垣間見えるし、ブルックリン周辺のこともS4で突然コースを変えた歪みを無理に戻してるような、そういう強引さが鼻についた。S1~S3が本当に面白かっただけに残念だけど、いつでも見られる配信作品、S1~S3は今後も楽しみたいと思う。

アンブレラ・アカデミー ★★★★☆(3.8)
ちょっと隙間があったのでうっかり見てしまった。大好き!どハマり! ……というほどでもないけど空き時間にダラダラ見が出来るくらいには面白い。特にS1は音楽がとてもよい。聞けば本業ミュージシャンの方が書いた原作だそうで、さもありなん、というキャラクター、世界観、ストーリーテリング。全員協調性もなく身勝手なキャラという前提もあるし、問題が片付ききらないうちにシーズンが終わって持ち越し、というのを繰り返してるので結末を知りたくて見続けてしまう感じ。S4でファイナルの予定らしく、それを知ってたら完結してから見たのに…というS3公開直後の視聴。やってもうた

オビ=ワン ★★★★☆(4.4)
つらかった。ものすごくつらかった。最終話の中盤、ほんとにしんどかった。でも終盤バカみたいに泣いた。終盤のあれこれ、6年待った甲斐があった。慎重なセリフだったけど刺さりまくってつらいとか悲しいとかなんなのかよく分からんけど号泣クオリティだった。

ていうか私は、オビに謝ってほしくなかったんですよ。銀河帝国の誕生を許し、シスの独裁を20年も続けさせてしまったことを「ジェダイ(主に評議会)の責任」だと言う人は多いんだけど、どうやってあれが止められたっていうんだ。皇帝は長年聖堂の地下に細工をしてフォースを汚し、ヨーダの第六感を鈍らせたという設定があるらしいんだけど、そこまでやられたらどうしようもないじゃん。なんで全部オビのせいってことになってんの、何もかも全部皇帝と、言ってもアニーのせいでしかないよ! アニーがI hate you!してんのは全部逆恨みじゃん!謝らないでよ! と思ったらもう涙が止まらなくなって。オビはただの1度も傲慢に飲まれたことはなく、ジェダイという「生き方」を徹頭徹尾守って生きた人なので、彼もまた被害者だったし、同時期にアニーやヨーダみたいな感応能力の化け物みたいなのに挟まれてたから弱く見えるかもしれないけど全てにおいてトップクラスのジェダイだったし、もっともっと栄光に包まれてジェダイとしての生を全うできたはずだと思うので、謝ってほしくなかったんですよ。あれはまあ、弟と思って面倒見てきたアニーの火傷でただれた顔を見てしんどくなってしまって言ってしまった…くらいだとは思うんだけど、それでもあんな風に謝らないでよ…!と今でも悲しくなるのが正直なところ。

とはいえその「強さでもトップクラス」ってプリクエルではそれほど分かりやすく描かれてなくて、CWだと立場的な問題や戦闘より外交しなきゃならんことも多いから、派手に自分の力を解放することはほとんどなかった。ので! あのパワー全開の岩攻撃は私が長年抱いてきた「オビだって凄まじい能力の持ち主なんだぞ!」というフラストレーションが一気に解消されてしまい、もうほんと涙が止まらない。その前にはソレスの構えが出てくるし、ライトセーバーを何度か振り回してから走り出すとか、とにかくちゃんとオビがプリクエルでやってきたような「体に染み付いたアクション」をちゃんとやってくれたので涙が以下略。

あるいは「ダース・ベイダーがアナキンを殺した」という表現が本人の口から出たものっていうのはなかなか面白かった。これも含め私が考えていたよりオビはパドメに対して強い思いがあるみたいで、彼女の最後の言葉をどこかで信じたい、出来れば自分もあの思いを持ちたいという苦しみがあったのかもと思えてきた。

しかしタトゥイーンでのオビが腐り過ぎだろう…とは思う。ひとり寂しい時は修行しなさいってマスターの助言すっぽかして、だってクワイ=ガン出てきてくれないんだもん、て子供か。まあそこは日々の糧を得るために俗世にまみれなければならず、ジェダイとしての振る舞いを一切封じられ、なんならコルサント暮らしが長いのでド田舎での生活が思ったよりしんどかったとか、色々同情的な解釈は出来るけども。あと、10年だぞ10年、とはいうものの、身体能力はともかく、大人の10年て言うほど長くないので精神的な疲労と言うか、公式の言う「心が折れてるオビ」っていうのがちょっと不自然かなあとは。

よかったのはあとオーウェンですよね…。でも結局Ep4の時点で甥とはそれほど親愛が強い関係でもなく、都会へ行くなと頭ごなしに言うだけでお互いを理解も出来ておらず、取って付けた感は強い。あのようにルークを思う気持ちがあったから厳しく接してきた…という安っぽい親の愛情ドラマっぽさはある。

途中で方向転換したらしいけどターラの件はマジで本当にやめて、そういうの!(サティーン過激派) もうジェダイの騎士とは言い難い状況だし心折れてるから恋愛してもいいよね、ってそういうことじゃないからこれに限っては!

途中、まさに中弛みしたせいで評価は低い。それはわかる。でも中の人たちは演じて楽しかったみたいだし、リミテッドシリーズだけどファン次第では、って公式が言い出してるし、S2あるといいなあ。

再見:踊る大捜査線TVシリーズ、THE MOVIE123、ファイナル、交渉人真下正義、容疑者室井慎次
久しぶりに見たけど何なんだろうこの時代関係ない面白さは…画面の隅々まで面白い…。興味本位で鑑賞記録アプリのレビューを見に行ってみれば放送当時生まれてもいなかった世代が★5をつけて絶賛してるという、もはや異常。ただ、今回FODプレミアムで見たんですけど、TVスペシャルが配信されてないというクソ仕様で、そこら辺を網羅したかったら物理的にレンタルしてくるしかないという、フジの自社コンテンツの扱いに絶望した!!! めんどくさい!!!

再見:王様のレストラン
鎌倉殿の13人を見ている今見直すと味わい深すぎるキャラたちの名前、そして安定の面白さ

再見:お水の花道
明菜ーーー!!! 愛してるよ明菜ァーーーッッッ!!!!!! やっぱり明菜かわいい。めちゃくちゃかわいい。可愛すぎる好きすぎる。そして見事に主演クラスの役者さん以外のキャストがほとんど消えているという…。しかも店のボーイでセリフもたまにしかない役で妻夫木聡が出てきた衝撃。

上記3作全部に出演しておられた伊藤俊人さんの死が未だに悔やまれます。

09/2022

話題性吹き替えの話

話題性吹き替えとは、アフレコ経験が乏しい、あるいは声だけの演技が拙いにも関わらず話題作りのために起用されるキャストのことを言います。セリフが聞き取りづらい、顔が浮かんでしまう、他のキャストがプロばかりなので浮く…などの理由で作品に集中できないとして、これを嫌う映画ファンは多いです。あるいは近年では不祥事のためにあとで録り直しになるケースも多々あり、だったら最初からプロの声優をキャスティングしてほしいと考える方はとても多い。他にも「セリフに持ちネタを使うなど作品に割り込む」「年齢や体格などがかけ離れていたりで声が合っていない」「作品に対して敬意がない」など、映画好き界隈では炎上しがち。

という話になると話題性キャストのファンの方などに「映画ファンは差別的で排他的。頑張っているキャストに失礼。これをきっかけに映画ファンになる人がいるかもしれない」と怒られるわけなのですが、いわゆる一般的な程度の映画ファンは年々減少、早送り視聴やファスト映画が問題になるなど、話題性吹き替えでは映画ファンが増えないことは20年くらいかけて証明済みです。そもそも話題性キャストのファンの方はその方のファンであり、余剰で新たに映画という趣味を抱え込むケースは極稀かと思います。

なので勘違いされがちなのですが、映画ファンは何も「専業声優以外のキャストは許さない」わけではないんです。単に「クオリティ考えて」という切実な願いを抱えているだけで、キャストは誰でも頑張っていますし、映画が見たいのであって、話題性キャストの声が聞こえればOKではない、というだけの話なのです。頼むからちゃんと演技できるちゃんとした人をキャスティングして! という。

ということで、個人的に「話題性吹き替えが素晴らしいキャスト」を集めてみました。専業声優さんではない、いわゆる「芸能人吹き替え」に相当するものだけ。

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大和田伸也「ライオン・キング」ムファサ
昨今ひどい話題性キャストに固執しているディズニー・スタジオ・ジャパンがいい仕事した例。そもそも大和田さんは素晴らしい美声の持ち主ですし、最高のキャスティングだったがゆえに、CG版の際には「ムファサは大和田伸也で!」という意見がたくさん出ました。その甲斐あってか続投になりましたが、他がひどいキャスティングだったので台無しになりました。「アウトブレイク」のダスティン・ホフマンの吹き替えも素晴らしいです。

金田明夫「スター・ウォーズ」シリーズ、ジャンゴ・フェット他、全クローン
話題性のためではなく、単に偶然のキャスティングだったそうですが、20年近くに渡り、90以上のキャラクターを演じ続けておられます。最初の作品では脇役相当のキャラでしたが、現在金田さん主演のシリーズが2つもあり、しばらく終わりそうにもない。顔は同じなのに別人のクローンたちの演じ分けは圧巻。

松たか子
ご存知エルサの中の人ですが、松さんが初めてアニメのアフレコにキャスティングされたのは「ブレイブ・ストーリー」です。もちろん謳い文句は「声優初挑戦!」でしたが、あの通り完璧なお芝居で、ほぼほぼ芸能人キャストの作品の中でもひとりだけ異様に上手いという初挑戦でした。

神田沙也加
本当に惜しい方を亡くしました。上手いだけでなく聞き取りやすく、またキャラクターに対する愛情や敬意をしっかりお持ちの方でした。本当に残念でならないです。

竹内結子「インサイド・ヘッド」ヨロコビ
こちらも同様に惜しい方を亡くしました。同作にキャスティングされている方と比べても「アニメーションにお芝居を乗せる」ということをすごく意識されていたかと思います。残念でなりません。

田中裕二「モンスターズ・インク」マイク・ワゾウスキ
ご存知マイク・ワゾウスキ。サリー役の石塚さんと合わせてほぼほぼ見た目でキャスティングされたかと思いますが(ディズニー・スタジオ・ジャパンはよくそういうことを言う)、キャラクターに100パーセントフィットしていて最高の出来でした。最近配信専用のシリーズでキャスト交代になりましたが、こちらの方は予告キャストでいわば最初の担当の方なので、惜しいけど歓迎できます。

ぐっさん「カーズ」シリーズ、メーター
上手に、自然にお芝居を出来る人はいくらでもいるのですが、このメーターのように「キャラクターを演じる」ということは実践されない方が多い。なのでここまできちんと声を作り、喋り方をオリジナルに合わせ、その上でお芝居が巧みというケースは多くありません。

山田邦子「101」クルエラ・ド・ヴィル
実写版「101匹わんちゃん」、グレン・クローズが演じたクルエラの吹き替え、これこそ話題性キャスティングだったかと思いますが、その出来の素晴らしさはまさに「もっと評価されるべき」演技でした。何しろ話題性吹き替えで出来に差が出るのが笑い声。周りがプロの声優さんばかりなのでこれがとにかく浮いて集中を乱す。だというのに山田さんのけたたましい高笑いと来たら。

上川隆也「ファインディング・ドリー」他多数
一度、上川さんが吹き替えしていると気付かないまま見ていたことがありました。上川さんのお声は聞き慣れていますので、ファインディング・ドリーのハンクくらいだったら気付くはずですが、その時は身長が高くマッチョで本人の声もド低音という人物の声を吹き替えていらっしゃって、そのため声を太く低くして演じておられたんです。洋画の吹き替えはかなりの本数を見ていると思いますが、いわゆる話題性でここまでやった方は見たことがないです。

中村アン「ファインディング・ドリー」デスティニー
正直「また話題性かあ…」という出来だと思っていましたが、デスティニーというキャラクターをきちんと再現する形で演じておられて、違和感もなく、素晴らしかった。

草刈正雄「オリエント急行の殺人」エルキュール・ポアロ
普段のドラマで割とモゴモゴした感じの喋り方をされることがありますので、どうかなあと思っていたのですがとんでもなかった。ポアロのイメージと合わないなどの意見はあるかもしれませんが、オリジナルを演じているケネス・ブラナーのイメージを損なうことのない名演でした。

友近「ゴーストバスターズ」エリン・ギルバート
女性版ゴーストバスターズの主演でしたが、やっぱり友近さんだと気付かないレベルのクオリティ。共演の渡辺直美さんもお上手でしたが、友近さんはレベルが違った…

中川翔子「ヴェノム」アン・ウェイング
そもそもみんな大好きラプンツェルの方ですが、それを差し置いても素晴らしいのがこのヴェノム。いわゆる「吹き替え喋り」を心がけていらっしゃって、話題性にありがちな「映像は表情の大きい欧米人なのに喋りが日本語のボソボソ」という違和感をまったく感じさせないお芝居で、中の人を感じさせない。

松岡茉優「カーズ/クロスロード」クルーズ・ラミレス
また話題性かよ…と思いながら見に行ったら大当たりだったまつまゆさん。とにかくお声がくっきりはっきりしていて話題性の最大の難点「聞き取りづらい」がゼロ!

藤森慎吾「モンスター・ホテル」シリーズ、ジョニー
この方も「カーズ/クロスロード」にご出演されていますが、そっちではなくモンスター・ホテル。かなり多く「持ちネタの割り込み」があるのですが、そもそもジョニーがそういうキャラクターなのでセーフであり、それを差し引いても上手すぎる演技で全く気にならないという稀有な例。

斉藤慎二「ジャングル・クルーズ」マクレガー・ホートン
某朝の情報番組の天の声をされているのを偶然見たのですが、その時のお声と話し方が良かったので「こういう人をキャスティングしてくれればいいのになあ」と思っていたら案の定。普通にお上手で自然なので普通に馴染んでて普通に作品を楽しめます。それが何より大事なことなんです。

吉田美和「アトランティス 失われた帝国」オードリー
この作品、他にも普段顔出しの俳優さんが何名もキャスティングされているのですが、本業が歌手である吉田さんが一番上手いというすごい状況になってるので一見の価値あり。

酒井敏也「MIB」シリーズ
あの独特の癖のあるお声がトリッキーなキャラクターにマッチしていてとても面白いんです。もっとやっていただきたいのですが…

小澤征悦「キングスマン:ファースト・エージェント」オーランド・オックスフォード公
主人公なのでそれなりにセリフは多いし、アクションものなので掛け声なども当然多いのですが、話題性であることがまったく気にならない自然なお芝居で素晴らしかったです。

石原さとみ「モンスター・ハウス」ジェニー
安直かもしれないですが、いわゆる「アメリカ人の女の子」な演技がめちゃくちゃ上手かった。

泉谷しげる「モンスター・ハウス」ネバークラッカー
上記同作のじいじ。聞き取りづらいかなあと思ったけどとんでもなかった。

中村獅童「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」マックス・ディロン / エレクトロ
思えば昔、デスノートでリュークを演じていた時はまだたどたどしいというか、違和感があった。が、現在エレクトロというよりもはやジェイミー・フォックスをトレースしてるとしか思えない完璧な吹き替えで、また獅童さんだと気付かない始末。

羽賀研二「アラジン」
もはや芸能人吹き替えのレジェンド中のレジェンド。元祖「話題性キャストだと思ったら上手すぎて映画ファンのテンションが爆上がり」案件。おそらくこれも「(日焼け肌で)顔が似てる」とかいう理由だったはずですが、蓋を開けてみたら驚異の名演で今もこの羽賀版アラジンがベストな方は少なくないはず。

番外編1
織田裕二「バック・トゥ・ザ・フューチャー」テレビ版
主人公マーティを織田裕二、相棒のドクを三宅裕司が演じた地上波放送スペシャル版のこの吹き替え、映画ファンに蛇蝎のごとく嫌悪されている吹き替えのひとつです。ですが、私はこの「Wゆうじ版」はそこまで批判されるほど低クオリティではないと今でも思っています。特に織田さんはそもそも「後先考えない負けん気の強い男子」というキャラクターを演じるのが抜群に上手い方です。それがマーティというキャラにぴったりマッチしていて、聞き取りづらいとかいうこともなく、クオリティ的には申し分ないはずなんです。これ以降の話題性吹き替えにはもっと酷い出来のものが大量にありますが、実はこのWゆうじ版放送当時に話題性キャストというものは今ほど当たり前ではなかったのも手伝ってか、BTTFといえば「Wゆうじは許さない」と言うのが一種のお約束のようになって今も続いている気がします。

番外編2・ミスキャストだけど上手い
唐沢寿明「ポーラー・エクスプレス」
本当にこのキャスティングをした人はバカですか。唐沢さんの演技自体は素晴らしいんですよ。ミュージカルシーンもありますが問題ないどころか普通のセリフよりも素晴らしい出来。だけどキャラクターはトム・ハンクスの顔をしていて、おっさんの顔したキャラクターから唐沢さんの若々しいお兄ちゃん声が出てきてる。オリジナルの都合上サンタクロースの声も演じなきゃいけないので、おヒゲのでっぷり太ったサンタさんからかっこいいお兄ちゃん声が出てくるんですよ。ほんとにバカですか。

田中圭「GODZILLA キング・オブ・モンスターズ」マーク・ラッセル博士
近年稀に見る酷いキャスティング。キャスティングの理由を担当者は「田中さんもプライベートでは父親だから」と答えていますが、もうアホかと。上記唐沢さん同様田中さんの演技は素晴らしいです。吹き替えとしても120%のクオリティでした。だけどいかんせん彼が演じさせられたのは50代の激シブおっさんカイル・チャンドラーです。そこから田中さんのお兄ちゃん声が出てくる地獄絵図。映画ファンの間では田中さんが可哀想という意見が大多数であり、田中さんの声に相当するお仕事が来ることを願ってやみません。せっかくの名演がもったいないの一言です。

番外編3・個人的なはとても好きな、ぎこちないけどナイスキャスティング
樋口可南子「ドクター・ストレンジ」エンシェント・ワン
初めての吹き替えだったようなので、ぎこちない部分もありますが、それにしてもティルダ・スウィントン演じる僧侶という役柄に樋口さんがマッチしすぎてて個人的に大変好きなキャスティングです。あるいは樋口さんご自身がエンシェント・ワンを演じてもハマるのではと思ってしまう。ティルダ様と年代も近く、スキンヘッドも絶対お似合いになる!

菅野美穂「ベイマックス」キャス・ハマダ
特に最初の映画はたどたどしく感じるところもあります。が、映画以降ベイマックスのテレビシリーズでもキャスの吹き替えを全て担当され、最近公開されたショートシリーズでも続投、話題性の場合劇場公開ではない作でもキャラを演じ続けることは実は稀なので、それだけでも評価できます。ご本人とキャスというキャラクターのイメージがとても近いこともプラスになっていて、最近の作では当初の違和感はなく、こちらも菅野さんが実写でキャスを演じてもいいくらい。アジア系だし、絶対そのままいける。

つまるところ、映画ファンの願いはただひとつ、声を気にせず作品に集中できるキャスティング、です。例えば誰でも知ってるレベルの山寺宏一さん、山ちゃん。七色の声と表現されることが多いですが、特に洋画の吹き替えで人間を演じている場合、山ちゃんであることはすぐにわかります。だけど脳内に山ちゃんの顔がチラついて作品に集中出来ないということはない。山ちゃんの声は認識できるけれど、そこに山ちゃんはおらず、登場人物やキャラクターがいるだけになる。それを望んでるだけなんですよ。

以前、匿名の映画プロモーターが「芸能人を使うのはテレビで取り上げてもらうため。それがなければ映画は宣伝力が弱い。正直、毎月映画館に通うような『映画ファン』は眼中にない。年に一回しか映画館に来ないような、話題性キャストに釣られてやってくる人がターゲット」だと言っていたことがあります。一理あるのかもしれません。しかし2020年、話題性キャストを一切使っていない鬼滅の刃がとんでもない数字を叩き出しました。これも詭弁だったことが証明されてしまいました。

(あるいは異例のヒットを記録した「ボヘミアン・ラプソディ」はそもそも吹き替えの上映がありませんでした。シンガロング上映という特異性はありましたが、宣伝のために芸人やアイドルを起用することもなく、批評家には酷評されまくったにも関わらず大当たり。時代はとっくに変わっています)

そもそもこれほど話題性吹き替えが増えたのは、ジブリがこれを強く打ち出して大ヒットを連発したことにあると思っています。しかしその「邦画最高峰」だった千と千尋の神隠しは鬼滅の刃に首位を明け渡し、「テレビで顔を売っているキャストの方が売れる」は過去の話になりました。

同様に「日本版エンドソング」もだいぶ問題があるし、洋画の日本版ポスターがダサすぎる問題もありますが、クオリティ軽視の話題性吹き替えがなくなることを切に願っています。

08/2022

創作系SNSの話

メインをくるっぷにシフトしていくことはほぼ確定しています。まだピクシブの方が安定した環境とユーザー数を持っていますが、サービスとしては長居するような場所でもなく、くるっぷの「ピクシブとTwitterのいいところだけをまとめたSNS」て感じも気に入っているし、有料プランも期待がかかります。

現在は少しずつ短編の投稿を行っているだけですが、フォローがあれば原則無差別リフォローします。

くるっぷ 双馬アカウント
※くるっぷどんな感じ? → フォローしたユーザーの投稿(絵でも文でも新刊告知でも)だけが流れてくるTwitterという感じ。見る専バッチコイ、見る専が好きなことを呟きライクに投稿するのもOK。ピクシブと違うのはランキング機能がないとか、FANBOXがないとか、そんな程度。有料プランも110円からなのでお手軽。

くるっぷの様子を見つつ、最終的にはピクシブからフェイドアウトしていければ…と考えていますが、どうなるかな。フォロワー200でもビビりまくっているのに、ありがたいことにまだ増えてて、目が泳ぎっぱなしです。

pictmelfemもいいんですが、昨今は雑食の方が多いので、ピクシブやくるっぷのように「ひとつのサービスでBLもGLもNLも夢も全部見られるサービス」の方がどうしても便利ですよね…。

08/2022

ブログはじめました。

と言っても特別なことはなにもなく。メモに書くには色々違うかな、というものを隔離する程度のことですが、例えばこれまでメモに置いてきた鑑賞記録の記事自体はこっちに置こうかなとか。

数年前から薄々気付いてはいたんですが、どうもTwitterが日常的に楽しめる場所ではなくなってきていて、その代わりに自分のために吐き出す場所が欲しかったというのもあり。私のTwitterデビューは東日本大震災の頃なのですが、その頃と比べると殺伐が過ぎるし、もはや「全員コテハンの2ちゃんねる」といった様相を呈しているので付き合いきれなくなってしまった。

ので、最近気付くと北欧ロックばかり聞いているとか、そういうどうでもよすぎることを綴る場として。

サイトに関係したことを書くことはあるかもしれませんが、SDの小話を置いたりはしませんので、そういう意味でのチェックは不要です。

07/2022

やっぱりくるっぷがバランスよさそう🤔

・現在β版だけど基本的な投稿スタイルは全てカバー
・ユーザーをフォローしてタイムラインで確認するスタイル
・作品投稿しないユーザーが感想や日常のつぶやきをポストしても大丈夫
・いいねやRT的なものはあるがランキングなどはなし

まだ始まったばかりのサービスだからIDに余裕がある。なりすまし防止で1度使用されたIDは破棄されたら使えなくなるそうなので、ID簡単なのにしたい人とかは早めに作っておいた方がいいかも。pixivとTwitterのいいところだけ上手くまとめてある感じで、大人しく使ってる分にはストレスもなさそう。

まだ何も投稿してないけど、そのうち短編いくつか移植してみます。ここが安定してユーザー数が増えたら避難所閉じてもいいかもしれない。例によってフォロー頂いたら問答無用でリフォローさせて頂きますが、作品などは拝見出来ません🙇‍♀️

07/2022

ここ10年ばかり日常的にTwitterに生息してたんですが、さすがにきな臭くなりすぎて居心地のいい場所ではなくなってしまい、原点回帰じゃないけど自サイトがあるじゃん…という気になってるので顔を出す頻度が上がるかもしれないです。ただここってお知らせも兼ねてるので昔の日記的なものは混ぜない方がいいなあとも思いつつ。荒れることもあったけど昔の掲示板+日記って今に比べたらのんびり穏やかだったなあと…

さておき、ざっくりSNSなんですが、今のところ
・Pixiv
・pictmelfem
・くるっぷ
にアカウントがあります。くるっぷはアカウント作っただけで何もしてないんですが、タイムラインベースでPixivとほぼ同様の活動が可能かつ創作をしない人でも活用できるということで、上手くいけばここがPixiv難民Twitter難民の受け皿になってくれるといいなあと。

Pictmelfemも棲み分けという点では素晴らしいサービスなんだけど、00年代と違って「夢も男女もBLもGLも全部おいしく食べる」という方が多くなってきているので、特に閲覧だけのユーザーにとっては「一箇所で済ませたいのに」という面倒臭さがあるんじゃないかと…。かと思えばユーザー数100万人というのもPictblandの話を引っ張ってきてるんじゃないのかなあと。ほんとにピクモフだけで100万人行ったのかどうか…

なのでまだ様子見だし、個人サイト(ここ)が基本なのは変わらないんですが、くるっぷがもう少し活発になってくれたらPixivも撤退できるかも。