Luces.

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09/2022

久々に鑑賞記録。ちょっと溜まってきたので。今年はドラマとかシリーズを再見ばかりしていて映画は本数がとても少ない。というか感染者数の関係で映画館も全然行っておらず、配信に浸りきってます。

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セブンス・サン ★★☆☆☆(2.4) えっほんとに2015年の映画なの…? という
エスケープ・ルーム ★★★☆☆(3.2) メイズ・ランナーみたいにしたかったんだろうか
アイデンティティー ★★★☆☆(3.4) タイトルでネタバレしてない…?
フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 ★★★☆☆ やっぱり私には理解できない世界
ロード・トゥ・パーディション ★★★☆☆(2.8) 男が好む究極の父と息子ものって感じ
デジャヴ ★★★☆☆(3.4) 設定面白いけど分かりづらい
ブック・オブ・ライフ ~マノロの数奇な冒険~ ★★★★☆(3.6) 南米デザイン炸裂超絶かわいい
ナイル殺人事件 ★★★☆☆ ミステリを主体に考えるとちょっとアンフェアかなあ
ナイトメア・アリー ★★★★☆(3.8) B・クーパーがやべえ。あのラストシーン一発録りとか凄すぎる
ザ・プリンセス ★★★☆☆(3.4) 分かりやすいいつものアレ。でもスカッとする
ヒッチコック ★★★☆☆(3.2) 名優&名優すごい…
デンジャラス・バディ ★★★★☆(3.8) メリッサ好きすぎる…ほんとにポール・フェイグは女性を描くのが上手い
死霊館 悪魔のせいなら、無罪。★★★☆☆(3.4) itが当たったからってこのサブタイ…
レミーのおいしいレストラン ★★★★☆(3.8) 批評家撃退メニューが読めてしまって残念
パーム・スプリングス ★★★★☆(3.6) 世の評価ほどには感じなかった。ミスティのキャラがいい

プロミシング・ヤング・ウーマン ★★★★☆(4.2)
「そこまでしなくても、やりすぎ」
「そんなことで? 動機が微妙」
「主人公と友達にも責任(非)はある」
という感想を抱く人は多いと思う。あるいは、
「身近な問題じゃないから感情移入出来なかった」
「当事者は大変だろうなあ。想像出来ない」
「誰でもこんなことに巻き込まれる可能性がある。気をつけよう」
と思うかも。

そんな人々に「てめえら待ってろよ地獄に叩き落としてやるからな」と中指をおっ立てる映画。上記のありふれた感想の(特に後半3つ)何がマズいのかが分からない人にはこの作品の何が凄いのかも全く伝わらないという作品でもある。タイトルは「将来有望な若い女性」という意味で、これも秀逸。

また、そんな風に不用意に感想を言うと「自分がどんな人間なのか、過去にどんな若者だったか」がバレる仕様になってる。バレます。でも、一体自分がこの作品の構造の中の「誰」なのかを確かめるために見てみるのもいいかもしれない。(おそらく日本では特に)題材となっている「問題の種類」が身近に感じられない(場合が多い)作りではあるけど、「問題の種類」に関係なく、この作品が描いている「こと」は社会が抱えてる、そして限界に近付きつつある爆弾なので、性別年齢関係なく自分が当てはまる場所がどこかにあるはず。もちろんこの作品の構造の中に含まれないという人は存在するけど、含まれないということも実は問題。読解力よりも実体験により受け取り方が変わってきてしまうので、場合によってはとてもつらく悲しい作品かもしれない。ものすごく不愉快かもしれない。そういう多面性も含めていい作品だった。ねえ、自分は無関係、本当にそう言い切れる?

ジュディ 虹の彼方に ★★★★☆
ジュディ・ガーランドの過酷な生涯については大まかには知っていたので、そういう意味での感銘や感傷はなかった。この評価もひとえにレネー・ゼルウィガーの名演への称賛。クセのある役どころを演じるのが上手い役者さんだと思ってたけど、「若い女性」を脱してその演技に深みと凄みとある種の軽やかさが出て素晴らしい出来。歌唱シーンが吹替えなしだという点がクローズアップされがちだけど、それよりも日常会話の自然さの方がすごい。

…と思っていたら、作中の晩年のジュディに対して「多くを求めすぎ」「自分勝手でイライラする」などの感想が多くて驚いた。作中でも描かれているように、ジュディ・ガーランドは成長期に痩せ薬と称して(当時はそう信じられていた)覚醒剤を飲まされ続け、食事を制限され、睡眠もろくに取れなかった。47歳という若さで亡くなった、と書かれることが多いが、むしろよく47まで生き、3度も出産出来たと思うべき健康上の問題があったはず。冒頭からきちんと描写があるように、これは搾取の中で愛を求めて懸命に生きたひとりの「被害者」の物語と見られるべきだと思う。そんな悲惨な人生の中でも彼女は努力(レッスン)をし、ステージと観客の間にある愛を信じていた表現者だった。観客はエンターテインメントの中に存在するものが生身の人間であることを忘れ、いつでも自分たちを満足させてくれる「サービス」を行わなければならないと勘違いしている。引退や休業は許さず、解散などしようものなら2日目には再結成はまだかと騒ぐ。先日も脱SNSを告白したスターがいたけれど、それに触れる記事や意見は彼の決断に理解を示しつつも「寂しいけど」「残念だけど」と恨み節を付け加えることを忘れない。本当に彼を案じるなら愛を伝えるだけで十分なはずだった。昨今日本では「推しは尊い」という感覚が一般的になりつつあるけれど、その尊さが常に供給されなくなった時、ファンは簡単にジュディを壊した「搾取者」となり果てる。感想の中には「ジュディはこんなに愛されている」という意見も多かった。とてもそうは思えない。人々が愛しているのは「ドロシーとオーバー・ザ・レインボーとオズの魔法使いの記憶」であって、ジュディではなかった。ジュディにはそんなものより身近な家族や友人の愛と、適切なケアを受けられる生活が必要だった。観客がいくら愛を叫んでも、それらがなければ大スターは47歳で孤独に死ぬ。それをまざまざと見せられた気がした。

そういえばアヴィーチーが亡くなったときも「金も女も名声も持ってるのになんで自殺するんだろう。セレブは贅沢だ」という意見をたくさん見た。一体人間を何だと思っているんだろう。

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル! ★★★★☆(4.4)
久しぶりに死ぬほど笑った。フィンランドの片田舎に住む幼馴染メタルバンド4人がフェス出演を目指す…というなんか青春系のいい話っぽい概要だけど中身はやりたい放題のコメディで、何となくでもメタル文化が分かればめちゃくちゃ面白いと思う。というかもう、開始1秒の画で既にじわっと来てスイッチが入ってしまい、メンバー紹介だけで笑いが止まらないという中々の拷問。青春友情な要素もあるけど湿っぽくなく、メッセージ性も弱く、陰キャメタラー4人がひたすらバカだけど憎めなくて、北欧の短い夏を感じさせる刹那的な弾けっぷりに何故かちょっと癒されるという、よく分からない作品だった。

今どうなんでしょうか、私が子供の頃、こういうジャンルの音楽は全部「ヘビメタ」と言われていて、実際はもっと細かいジャンル分けがされていて音楽的にもかなりの差があるんだけど、一般的には「反社的な悪い人たちの好む音楽」という認識をされていて、あるいはマトモな音楽だとすら扱ってもらえてないような感じだった。だけどこの作品でも描かれてるように(あるいはデトロイト・メタル・シティにもあるように)、メタラーに「圧倒的非リアの陰キャ厨2オタク気質」な人が多いのは昔からあるあるなんですよ。「無害な音楽」やってる人の方がよっぽどクズ、ということは現実にあり、こちらは「比較的裕福な家庭で育った人当たりのいいオシャレさん」だったりするのもよくある話。あるいは実際に検挙されるような犯罪なら別の音楽ジャンルの方が実績があったり。もちろんそうじゃない人もいますが、この「メタルってだけで何故か非難される」のはもしかして全世界共通なのかもしれない、その「あるある」が面白すぎた。私自身に経験があるのはV系~ハードロックなアマチュア界隈でしたが、ほんとにヤンキー上がりみたいな人はとても少なかったし、バンドマンもファンも「元いじめられっ子」ばかり、また驚異の母子家庭率の高さで、まあそれだけに今度は粘着だったり夢見すぎてたり、それはそれで困る面もありましたけど、世間が「ヘビメタとか…」と眉をひそめるような世界ではなかった。そういうメタル文化の縮図としても面白かった。

ところで作品の日本公式サイトによりますと、フィンランド人口550万人のところメタルバンドが推定3000組いるそうなんだけど、これを日本の都道府県に当てはめると兵庫がだいたい同じくらいの人口になる。兵庫にメタルバンドが3000組、と考えるとどれだけヤバいのかが伝わってまたじわじわ来ますw 人口約1800人ごとにメタルバンドがひとつくらいの割合。じわる…

ジェイコブと海の怪物 ★★★★☆(4.2)
人によってはとてつもない傑作。私もすごい作品だと思う。一見、子供向け海洋冒険もののアニメ映画で、もちろん子供にはそう見える。だけど大人の目で見ると様々な問題を物語の中にギュッと詰め込んでるのがわかる。というかそういう問題ってひとつかふたつ詰め込むのだって大変なのに、いくつも詰め込んでるのに破綻もせず、かといって正解を押し付けるのではなく、希望を持たせすぎることもなく、この手の問題提起型作品のステージをひとつ上げたのではとすら思う。ただし、偏った考え方を持ち、多様な考え方があってはならないというタイプには絶対響かない作品ではある。形式上悪役が存在するけど、そっちの方が正しいと感じる人も多いかもしれない。

まあそれとは関係なく動物キャラが可愛かったりアクションシーンが爽快だったりコミカルなシーンもあったりで単純に作品としても面白い。

ついでにタイトルのジェイコブが牧っぽい雰囲気で頭が固くてニヤニヤが止まらない。てか実際の主人公はジェイコブというよりメイジーという女の子で、その幼女に振り回される牧…じゃなくてジェイコブほんとニヤニヤする。それにしても武内駿輔さんは洋画吹替えにおける希望の星ですね! 年齢を考えると上手すぎる!

ベイマックス! ★★★★☆
ショートシリーズだけど、内容はすごい。こんな短いのほほんとしたアニメーションの中に、これだけメッセージを詰め込みつつ、縦軸も入れつつ、無理なく無駄なくスッキリまとまってるのさすが。全編通してポジティブな多様性を取り入れてるけど、かなりあからさまに描いている割には日本でも好意的に受け入れられてて、そもそものベイマックスの人気をもってすれば嫌悪感も出ないんだなあと変に感心。ケアの意味、意義、社会においてそれがどう機能すべきかということも優しく考えられる両作。特に4話の「あなたは健康です」が刺さる。健康です。

チップとデールの大作戦 ★★★★☆
めちゃくちゃ面白い……てほどでもないけど面白かった。実写と2Dと3D混ぜても違和感ないのすごい。てか今回の絵柄のチップすげえかわいい! でも2Dでも3Dでもケツがかわいいことには変わりなくて! 内容が自虐ネタとか他社disりネタたっぷりなので「ディズニーっぽくない」という評が多いけど、まあ魔法にかけられてとかの延長線と思えばそんなに意外でもない。にしてもなんで悪役はあの人に白羽の矢が立ったんだろう? 多分小ネタを拾いきれてないと思うけど、ひとまず不気味の谷でフイタ。吹替えのキャスティングも粋なことをしてる。レスキューレンジャーズテレ東版見られるようにならないかな~

クルエラ ★★★★☆
ザ・ジェニー・ビーヴァン・ショー! 正直、物語はチープに感じた。クルエラ・ド・ヴィルは毛皮マニアでダルメシアンを殺して毛皮を剥ごうと誘拐した、そういう人物のはずなので、そもそもマレフィセント同様「実写のヴィランオリジンストーリー」は興味がなかった。実写化されるのは女性ヴィランばっかりだし、ヴィランのヴィランたる個性を消して正義の悪役に変える意味もないと思ってたし。なので★4つの評価はほぼほぼコスチュームデザインのジェニー・ビーヴァンさんへつけたもの。各賞総ナメ状態なのも納得。凄まじい。途中エマ・ストーンが衣装に食われてるシーンもいくつかあり、コスチュームに携わった人々の気迫のようなものが感じられて、作中でクルエラが喧嘩腰でファッションデザインに夢中になっているのは衣装に携わった人々の熱意を表現しているのではと思えるほど。ほとんどアクション映画。ドレスで殴り合ってる。キャラとしてはエマ・トンプソンがやっぱり最高。この人本当に何でも演じられるんだな…。犬もかわいい。かわいいけどクルエラが実はちゃんと愛犬家みたいなのはどうなんだろうなあ…。個人的には96年の「101」が真っ当な実写化という気がする。今でこそ低クオリティなキャスティングばかりで炎上商法を疑うような話題性吹替えばかりだけど、この「101」の山田邦子さんのクルエラの吹替えは本当に素晴らしかった

私ときどきレッサーパンダ ★★★☆☆(3.2)
リアリティと2Dなコミック的表現と3Dのごく自然な融合は確かにすごい。レッサーパンダもめちゃくちゃかわいい。モッフモフ。けどなあ…最近のピクサーいつも思うんだけど、これ、小さい子供が見て面白いのかな。小さい子供っていうのは幼稚園児くらいから1桁までくらいとして、こんな思春期の娘と母親の戦争たのしい…? って思ってしまう。わけが分からなくても見られちゃうってのもまああると思うんだけど、ニモとかモンスターズインクのような単純に楽しいアニメーション映画ってのはもう作られないのかなあ…とちょっと気持ちが離れ始めてる。あるいは主人公と同い年の13歳の女の子がこれ見て「いい子でいるのはやめる! 自分のアイデンティティのために戦う!」って思うかな。どことなく「大人が酒飲みながら黒歴史を振り返って『10代は最悪』って言いながら騒いで今ではすっかり分別のある大人になった(と思い込んでいる)自分に酔う」みたいな匂いを感じる。北米と日本では色々事情も異なると思うんだけど、13歳ってそう演じているのも含めてもっと大人っぽいんじゃ…と思うのも違和感のひとつ。メイキングを覗いてみたら監督は「レッサーパンダ使いたかっただけ。比喩や物語は全部後付け」って言ってたので、しょうがないのかもしれないけど。それにしても主人公のお母さん、さすがに異常じゃなかろうか。校内に忘れ物を届けに来るシーンとか、こういう表現を「愛」とか「子供を思うがゆえの」とかで美化するのはとても苦手。やられる方の身にもなれよ、普通こんなに丸く収まらんよ、親友たちがいなかったらどうすんだ、という。それと同じくらい邦題もひどいけどね…

ムーンナイト ★★★★☆(4.4)
あんまり話題にならなかったけどすっげえ面白かった! MCUのシリーズは好みが分かれるから超低評価な人もいるけど、刺さると傷が深いいつもの感じ。エジプト神話をベースにしつつもそこは設定程度で深入りせず、主人公を主体とした内面の物語から大きく逸脱しないで進むので、刺さり気味で見てると終盤結構大変。徐々に謎が明らかになっていくけど諸々無理もなく、難解そうにデザインしつつも単純明快。かといって主人公に比重が傾きすぎて作品全体のバランスが悪いということもなく、他のメインキャラにも細やかに気を配って作られているのはまあ言うまでもないことだけど、さすが。シリアス過ぎず、悪ふざけもせず、結構真面目に向き合ってる物語。オスカー・アイザックの超絶技巧の名演はもちろん、吹替えの関さんもすごい。これが劇場公開映画だったらヘタクソな話題性になって全部ブチ壊しになってたはず。配信用のシリーズで見られて本当によかった。でも続編くださいいいいいい

ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス ★★★★☆(3.8)
全部カタカナで書くと長すぎるけど変な邦題よりは遥かにマシ。ワンダがつらいのは今に始まったことじゃなくてワンダヴィジョンの辛さがそのまま延長されてしまって、なんだか先生の物語というより、ワンダの物語に先生が巻き込まれてしまったみたいな感覚だった。むしろ先生のハイライトは冒頭の結婚式からヒラリとやるところなのではと。件の同性愛描写に関してはいつものようにエッその程度でというくらいだったので一瞬気付かないほど。チャールズも久々に嬉しかった。

ストレンジャー・シングス S4 part2 ★★★★☆(4.4)
1ヶ月置きましてS4完走。ほんとにこのシリーズは面白すぎてわけが分からん。個人的にはどうでもいいところとか、それどうなんかなって思うところもあるのに、「物語」が面白すぎる。けど、エディの件とかマックスの件とか色々あるんだけど、なんせウィルがつらかった。あのシーンの意味するところが何であれ、ホーキンスのウィーラー家の地下でずっとD&Dやっていられたら幸せだったんだろうに…。 てか相変わらずスティーブが絶妙なキャラで、でもそれがむしろ逆にこれは人気に合わせて作られてるんかなあと疑いたくなったり。にしてもシリーズが進むごとにエリカがめっちゃ頼りになってきてシンクレア兄妹応援したくなる。怒涛のS4マジで面白かったけどあんまり多くを語りたいシーズンではなかったかも。S5早く来て欲しいけど来たら終わっちゃうといういつもの

Ms.マーベル ★★★★☆(4.2)
国産のティーン映画なんかを興味ないと言うと「若い子に嫉妬してるからだ」とか言われるんですけど、こっちはめちゃくちゃ面白かったので国産合わないだけです。というか女子高生がスーパーパワーに目覚め、頼りになるメンズと親友に囲まれて困難に立ち向かい、バトルしたり悩んだりときめいたりするっていう、まあさして国産のティーン映画と変わらんと思いますけど凄まじく面白かった…。あるいは主人公カマラのルーツやその背景にもスポットを当てて、アメリカでの、という前提はあるものの、カマラを取り巻く世界を真面目に描いたことは意義深いことだと思うし、現実にその環境に生きている人たちのためにも素晴らしい作品になったのではないかと。ごくごく一部の偏った思想の人たちのために同じ烙印を押され続けてきた人々は当然温かくもあり優しくもあり、誰もがそうであるように自分たちのライフスタイルで日々を生きてるという穏やかな描写はとてもよかった。一方で最終的には「普通なんかない」で締めくくったのも挑戦的なアプローチだったと思う。生まれたばかりのヒーローの物語としていいバランスだったと思う。

ブルーノ、カムラン、カリーム。最初はカムラン推し(カマラの相手として)だったけど、カリームを推したいという如何ともし難いこの(頭抱) 髪型といい、キャラ性といい、赤いスカーフといい、卑怯なんだよカリーム…

ジュラシック・ワールド サバイバル・キャンプ S5 ★★★★☆(3.6)
日本でのジュラシックパーク人気を考えるとちょっと異常なほどに認知度が上がらなかったこのシリーズも完結、ファイナル、そして最後はちゃんと「ジュラシック・ワールド 炎の王国」へと繋がる終わり方をしてるんですが、さてドミニオンで何かあったかどうか。S4S5はファイナルをパート1パート2で分けた構成、という感じで、S1~S3とは同じようでカラーの違う作品になってしまったことは残念だった。何よりS4から突然恋愛を絡めだし、ヤスミナとサミーの件なんか本当に取ってつけたような無理矢理さが垣間見えるし、ブルックリン周辺のこともS4で突然コースを変えた歪みを無理に戻してるような、そういう強引さが鼻についた。S1~S3が本当に面白かっただけに残念だけど、いつでも見られる配信作品、S1~S3は今後も楽しみたいと思う。

アンブレラ・アカデミー ★★★★☆(3.8)
ちょっと隙間があったのでうっかり見てしまった。大好き!どハマり! ……というほどでもないけど空き時間にダラダラ見が出来るくらいには面白い。特にS1は音楽がとてもよい。聞けば本業ミュージシャンの方が書いた原作だそうで、さもありなん、というキャラクター、世界観、ストーリーテリング。全員協調性もなく身勝手なキャラという前提もあるし、問題が片付ききらないうちにシーズンが終わって持ち越し、というのを繰り返してるので結末を知りたくて見続けてしまう感じ。S4でファイナルの予定らしく、それを知ってたら完結してから見たのに…というS3公開直後の視聴。やってもうた

オビ=ワン ★★★★☆(4.4)
つらかった。ものすごくつらかった。最終話の中盤、ほんとにしんどかった。でも終盤バカみたいに泣いた。終盤のあれこれ、6年待った甲斐があった。慎重なセリフだったけど刺さりまくってつらいとか悲しいとかなんなのかよく分からんけど号泣クオリティだった。

ていうか私は、オビに謝ってほしくなかったんですよ。銀河帝国の誕生を許し、シスの独裁を20年も続けさせてしまったことを「ジェダイ(主に評議会)の責任」だと言う人は多いんだけど、どうやってあれが止められたっていうんだ。皇帝は長年聖堂の地下に細工をしてフォースを汚し、ヨーダの第六感を鈍らせたという設定があるらしいんだけど、そこまでやられたらどうしようもないじゃん。なんで全部オビのせいってことになってんの、何もかも全部皇帝と、言ってもアニーのせいでしかないよ! アニーがI hate you!してんのは全部逆恨みじゃん!謝らないでよ! と思ったらもう涙が止まらなくなって。オビはただの1度も傲慢に飲まれたことはなく、ジェダイという「生き方」を徹頭徹尾守って生きた人なので、彼もまた被害者だったし、同時期にアニーやヨーダみたいな感応能力の化け物みたいなのに挟まれてたから弱く見えるかもしれないけど全てにおいてトップクラスのジェダイだったし、もっともっと栄光に包まれてジェダイとしての生を全うできたはずだと思うので、謝ってほしくなかったんですよ。あれはまあ、弟と思って面倒見てきたアニーの火傷でただれた顔を見てしんどくなってしまって言ってしまった…くらいだとは思うんだけど、それでもあんな風に謝らないでよ…!と今でも悲しくなるのが正直なところ。

とはいえその「強さでもトップクラス」ってプリクエルではそれほど分かりやすく描かれてなくて、CWだと立場的な問題や戦闘より外交しなきゃならんことも多いから、派手に自分の力を解放することはほとんどなかった。ので! あのパワー全開の岩攻撃は私が長年抱いてきた「オビだって凄まじい能力の持ち主なんだぞ!」というフラストレーションが一気に解消されてしまい、もうほんと涙が止まらない。その前にはソレスの構えが出てくるし、ライトセーバーを何度か振り回してから走り出すとか、とにかくちゃんとオビがプリクエルでやってきたような「体に染み付いたアクション」をちゃんとやってくれたので涙が以下略。

あるいは「ダース・ベイダーがアナキンを殺した」という表現が本人の口から出たものっていうのはなかなか面白かった。これも含め私が考えていたよりオビはパドメに対して強い思いがあるみたいで、彼女の最後の言葉をどこかで信じたい、出来れば自分もあの思いを持ちたいという苦しみがあったのかもと思えてきた。

しかしタトゥイーンでのオビが腐り過ぎだろう…とは思う。ひとり寂しい時は修行しなさいってマスターの助言すっぽかして、だってクワイ=ガン出てきてくれないんだもん、て子供か。まあそこは日々の糧を得るために俗世にまみれなければならず、ジェダイとしての振る舞いを一切封じられ、なんならコルサント暮らしが長いのでド田舎での生活が思ったよりしんどかったとか、色々同情的な解釈は出来るけども。あと、10年だぞ10年、とはいうものの、身体能力はともかく、大人の10年て言うほど長くないので精神的な疲労と言うか、公式の言う「心が折れてるオビ」っていうのがちょっと不自然かなあとは。

よかったのはあとオーウェンですよね…。でも結局Ep4の時点で甥とはそれほど親愛が強い関係でもなく、都会へ行くなと頭ごなしに言うだけでお互いを理解も出来ておらず、取って付けた感は強い。あのようにルークを思う気持ちがあったから厳しく接してきた…という安っぽい親の愛情ドラマっぽさはある。

途中で方向転換したらしいけどターラの件はマジで本当にやめて、そういうの!(サティーン過激派) もうジェダイの騎士とは言い難い状況だし心折れてるから恋愛してもいいよね、ってそういうことじゃないからこれに限っては!

途中、まさに中弛みしたせいで評価は低い。それはわかる。でも中の人たちは演じて楽しかったみたいだし、リミテッドシリーズだけどファン次第では、って公式が言い出してるし、S2あるといいなあ。

再見:踊る大捜査線TVシリーズ、THE MOVIE123、ファイナル、交渉人真下正義、容疑者室井慎次
久しぶりに見たけど何なんだろうこの時代関係ない面白さは…画面の隅々まで面白い…。興味本位で鑑賞記録アプリのレビューを見に行ってみれば放送当時生まれてもいなかった世代が★5をつけて絶賛してるという、もはや異常。ただ、今回FODプレミアムで見たんですけど、TVスペシャルが配信されてないというクソ仕様で、そこら辺を網羅したかったら物理的にレンタルしてくるしかないという、フジの自社コンテンツの扱いに絶望した!!! めんどくさい!!!

再見:王様のレストラン
鎌倉殿の13人を見ている今見直すと味わい深すぎるキャラたちの名前、そして安定の面白さ

再見:お水の花道
明菜ーーー!!! 愛してるよ明菜ァーーーッッッ!!!!!! やっぱり明菜かわいい。めちゃくちゃかわいい。可愛すぎる好きすぎる。そして見事に主演クラスの役者さん以外のキャストがほとんど消えているという…。しかも店のボーイでセリフもたまにしかない役で妻夫木聡が出てきた衝撃。

上記3作全部に出演しておられた伊藤俊人さんの死が未だに悔やまれます。