鑑賞記録。放置が続いて文量が(:3_ヽ)_
ダーク・タワー ★★★☆☆
映画館で見た。イドリス・エルバが見たくて見に行ったんだけど、作品自体はそこそこ、という感じ。3年くらいしたら午後ローで放送しそうな感じ。イドリス・エルバ演じるガンスリンガーという凄腕のガンマンによる怒涛のスタイリッシュガンアクション…てプロモーションしてたはずなんですけど、アクション監督もう少し仕事しようよ…という部分がなきにしもあらず…。やはりガンアクションは引きで見たいのと、ある程度細かい動作はクローズアップしてくれないと何がすごいのかよくわからないというか、また衣装が重くて固い素材で、なおかつ背中に斜めがけに荷物背負ってるもんだから、銃を打つアクションの醍醐味である、上半身のシルエットが重いんですよ…。腕が上がりきってないの。ついでにイドリス・エルバ本人の無双感が邪魔をして、苦悩する演技の説得力ないことw いやあなた本気出さなくても皆殺しに出来るんじゃないの?っていう最強オーラがダダ漏れで、それはそれはかっこよかったんですけど、惜しい!実に惜しい! 主人公の少年役の子がとてもよかったのと、音楽良かったのと、短いのでサクッと見られるのはよかった。
レッドソニア ★☆☆☆☆ びっくりするほど面白くないw けど約30年前に20億かけて作られてんだよね…すごい市場だなあ
エイリアン4 ★★☆☆☆ これでエイリアンシリーズ全部見た! でも一番記憶に残ってるのは肩毛…
コララインとボタンの魔女 ★★★☆☆ ホラー要素強め。ストップモーションだから余計にホラー感つよいw
スコーピオン・キング4 ★★☆☆☆(2.5くらい) 相変わらずマサイアスはイケメンなんだけど…まあVシネみたいなものなのでw
ジキル&ハイド ★★☆☆☆(2.5くらい) 不安定な旦那様と唯一の理解者のメイドちゃんというだけでけっこう楽しい
紀元前1万年 ★★★☆☆ 普通につまんない映画だと思います。2008年公開なのにノリが80年代だし、なんでここまでグダグダになったのか不思議。だけど敵方に非常に好みなキャラが出てきて楽しかった。最後そいつも残念な感じで終わったけど「そうじゃねえええアレはこういう風にしたら胸熱になるだろおおお」って妄想楽しいのでプラスに考える。名前もよくわからないそのキャラに★3つ。
マチルダ ★★★★☆(3.6くらい) すごいものを見てしまった…。脳筋映画を豊富にラインナップすることで知られる午後のロードショーにて、新年早々珍しく子供が主人公の「痛快ファンタスティックコメディ」という謳い文句で放送されたものなのですが、痛快でもファンタスティックでもコメディでもなく、ややホラーでバイオレンスでエグいキッズ映画でした…。さすがオレたちの午後ローさんだぜ…。虐待を受けて育った天才少女が学校でも虐待に遭いながら、状況を打破しようと暗躍する物語なのですが…これたぶん小学校低学年くらいの子が見たら痛快ファンタスティックコメディなのかもしれないんですが、大人が見るともはやそんなレベルの話ではなく…。ただ、古めの児童書とか絵本なんかだと子供が主人公のぶっ飛んだ物語って割と多いですよね? 登場する大人がシャレにならん悪人だったり、なんかもう虐待とかいうレベルじゃないだろとか。なんかあの雰囲気。その上悪役を演じてらっしゃる女優さんの怪演が素晴らしいので余計に怖気がw …てところで調べたらやっぱり児童書だった! しかもロアルド・ダール! 夢のチョコレート工場(チャーリーとチョコレート工場)の!そりゃエグいわけだ! というかすげえ古い感じがしたけど1996年! ID4とかトレイン・スポッティングとかと同年代とは…映像の感じがモロ70年代~80年代で…でもなんかすごくいい映画だったんですよ…不思議だ…
劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日 ★★★★☆(3.8くらい) 元々TVシリーズのファンだけど、未見だった。思った以上に面白かった。シリーズの基本姿勢を逸脱することなく、劇場版ということで突っ込んできたキャストを持ち上げてそれありきにするのでもなく、あくまでも主軸は「歴史に埋もれた名も無き人々の営み」にしてあるのが嬉しい。サブタイと宣伝文句(安土城焼失の謎に迫る!とかいうのだった)のせいで安土城焼失の謎があまりしっかり書かれていない…と批判的に見られているようですが、なんとそこはほとんど関係ないのでした。サブタイと宣伝文句が悪い。中身は良いです。メインキャストで上島竜兵さんが出てますが、これがまたよかった。すごくよかった。嶋田久作さんも出てますが、これがまーかっこよかったですw
再見ジャスティスリーグ/まさかの2回目に行かれることに。ほんとに気持ちがいい良作。
再見スター・ウォーズ 最後のジェダイ/年明け1本目。2度目だからゆったり見たいと思ったけど普通に号泣
しかしスター・ウォーズ、荒れてるんですよねえ…。「最高/最低」で真っ二つに割れてて、一部では「今回の『最後のジェダイ』を正史から外そう」という運動に万単位の署名が集まったりもしてて、日本でも老若男女に関わらず「駄作だ!」という人と「最高でした…」という人に分かれている。
ただ面白いのは、私自身「ファンであるシリーズ物」をいくつも抱えていて、その中で方向性の違いとかいうバンドの解散みたいな理由で新作に絶望したことは何度もあります。なので、今回「最後のジェダイ」に激怒している人たちの憤りは痛いほどよく分かるんです。だから激怒レビューを読んでも「ああそうだよね、わかるわかる、嫌だよね…!」と全力で頷きながら、自分では「最高でした…(拝)」という状態で、私の中も真っ二つw
その辺をちょっとグダグダと。ネタバレしてます
今回Ep8に激怒している勢、全て確認したわけではないんですけども、ざっくりと
・Ep7の伏線回収など映画として甘い
・レイは特別な血統ではなく、ろくでなしの親から生まれた人間だった
・カイロ・レン始めとする悪役の在り方
・フィンとローズのパートの必要性
・ヨーダの使い方
私が見た感じではこのあたりが目立ちました。
スター・ウォーズファンには「Ep5が至高」という人がとても多く、プリクエル(Ep1~Ep3)はもちろん何をやっても怒られるという前提があります。それに縛られ、Ep7のように古参に媚びても怒られ、今回のように方向性を刷新しても怒り、そこそこ全体的に評価が高かったのは「ローグ・ワン」くらい。しかしこの面倒くさいEp5信者というのは、公開当時成人世代ならもう還暦超えてるんです。今スター・ウォーズを作っているのはディズニーです。これからの世代に「新たに」受け入れてもらう必要があるし、キッズたちが「ジェダイになりたい!」って思うような作品作りをしていく必要があると思うんです。今更ボバ・フェット引っ張り出してくるメリットはあんまりないわけですよね。公式認定である「正史」、設定外を意味する「レジェンズ」、サルラックに飲まれたボバ・フェットが実は生きていた…というのは現時点ではレジェンズで正史ではないように、もうそこいらないわけですよ。
「最後のジェダイ」というだけあって、ジェダイ・オーダーの教えを直接引き継いだジェダイは、ルークの死をもって確かに途絶えてしまったわけですが、そここそ今回の肝なんですよね。正直「古いものは排除、新しいものは正義」という展開はしつこすぎて飽きてるんですが、もう世代交代すりゃいいというものではないし、新世代が「由緒ある血統」だとか「有名人の血縁」でなければならない理由もなく、また今回は戦争の善悪ですら欺瞞であるというような問いかけも入ってきた。
今回、非常に「あぶり出し型の古参振り落とし」なんですよね。まず「フィンとローズのパートの必要性」。長い、意味がない、メッセージ性が強すぎる等々、疑問の声も多い。ここも「映画として」NGを出される箇所だと思います。ですが、これは主に男性と思いますけど、批判を続けている間についつい腹立ち紛れに「ローズの人種と容姿」をけなしてしまうんですよね…。黒人差別もまだもちろんあるでしょうけども、最近よく目にするのはアジア人差別と、容姿差別。フィンとローズは、そういう被差別層のかたまりなんですよね。そのふたりが虐待を受けている子供と出会い、虐待されている動物を解放し、戦争とは何たるかを目撃し、そして最終的に自己犠牲や正義のための犠牲すらも否定するパートになってる。
次にレイが「ただの一般人」であること。これ、実は10年以上前から問題になってる件だったんですよね。私が目にしたのは日本のマンガ・アニメ作品に対する「なんで主人公はいつも特別な血統なんだ」という批判でした。これはタイミング的にNARUTOやBLEACHのことを言ってるんだと思いますが、まあそれより30年古いスター・ウォーズもそうです。旧三部作もプリクエルも主人公は特別過ぎる存在で、アナキンなんかキリスト状態。「特別な生まれの者が特別」は当たり前のようで明確な差別ですので、常にキッズの夢を創造する立場であるディズニーはまず否定したいところだったのでは。それを「レイが特別な出自を持たないなんて興ざめ!」となってしまった人は、もう「対象外」なんです。万人に100パーセント絶賛される創作なんてありえないですから、必ず「どこの層を対象にするか」は設定されているはずです。スプラッターホラーに愛と平和のキラキラ演出入れないと同じ。
そういう意味で今回、例えフィクションであっても「差別は認めない」「万人に平等なチャンスを」というディズニーの決意表明でもあったのではないかと思うんです。その上で仮にも「ウォーズ」なので戦争を、争いを扱うわけですが、それもこれまでの勧善懲悪だけでは済まさないからな、という宣言でもあったのではと…。悪の大魔王を勇者が倒して大勝利!はもうやらないからな、という意思表示なのではと思えます。その証拠に、旧三部作とプリクエルでやってた「対になるナンバリングでラストシーンの構図が同じ」をEp7の時からやってないんですよね。前回はレイがルークにライトセイバーを差し出して終わり。今回はもう名のあるキャラですらなく、奴隷扱いを受けている「フォースの感応能力を持つ少年」、その彼の指にルークの同盟軍(反乱軍)のシンボルであるスターバードがあるという終わり方。ジェダイの教えが引き継がれていくのに、血統や出自は関係ないわけです。というかジェダイ・オーダー時代からジェダイとなるべき者に関しては階級や種族差別はなかったんですけどね。けどルークとアナキンがアレだったので、改めて道を指し示しておく必要はあったかと。
と同時に悪役であるカイロ・レンも、完全なシスではなく、未だ自分を信じてくれなかったルークへの私怨から色々こじらせたものすごい現代型で、結局決別はしますけども、ライトサイドのレイとは表裏一体、どちらにもライト/ダークの側面が潜み、善悪の境がものすごく曖昧になってる。スノークの殺され方があんまりあっけないので、そこも「結局スノークが何者だったのかも語られなかった」と批判されてますが、つまり、それだけ取るに足らない存在だったわけですよ。ベン・ソロを誘惑して闇落ちさせただけの存在。もし彼がシスだったのだとしたら、ふたり一組であり、弟子に殺されるというシスあるあるそのものな最後なので、特に問題はないはずです。もうそういう悪役もいらないんでしょうね。悪役にクールさはいらない。みっともない存在でいいのでは? そんなものに憧れる必要なんてないから。
そう考えると、カイロ・レンがちょっと痛々しい「ダース・ベイダー信者」って皮肉ですね。あれってスター・ウォーズファン状態じゃないですか。いつまでも旧作のスターシンボルから離れられなくて、何でもかんでも面白くないって喚いてる。悪のシンボルが崇拝される物語とは決別したい、そのためには過去の物語の生き残りであるルークも一緒に舞台から降りる必要がある。ルークは最後、カイロ・レンに向かって「いつでもそばにいる」と言い残して消える。レイではなく、カイロ・レンに言ってその役目を終える。カイロ・レンがファンの依代だと考えるとものすごく面白いw 「全て間違ってる」けど「ずっとそばにいる、また会おう」って言うんだけど、それも遠隔で見せている幻覚だし、そう考えるとほんとに皮肉w
てかこの仮説面白いw もしそうだとしたなら、「フォースは選ばれし者にのみ許される特別な超能力ではない」という「ミディ・クロリアン設定は殺さないからな宣言(プリクエル批判への決別、ルーカス設定で行くことの公式発表)」にも取れるし、「古い物語は終わらせるけど、君たちの思い出の中、旧作たちはずっとそばにいるよ」という古参への別れの言葉にもなるし、しかも「頼む」って差し出したカイロ・レン(旧世代のシンボル・特別な血統)の手をレイ(新世代のシンボル・卑しい生まれ)が取ることはなく、勝手にライトサイドの道を邁進していくことになるわけだし、今後は大丈夫なのかと心配するレイに対し、これまた旧世代の導き手であるレイアは「準備はできてる」と言う。「大丈夫、いつか正義は勝つのよ」ではないんですよね。被差別対象の塊であるローズは瀕死の重傷を負うけど生きてるし、実はジェダイのテキストはレイによって持ち出されているし、Ep9でどう締めるか見ものではありますけど、中々に意欲作だったなあと思う次第です。
ヨーダの扱いに関してはフォースとリビングフォースに関する許容量の差、でしかないですよね。「なんで霊体が指をひょいってやって雷が落とせるんだよ」という批判をいくつも見ましたが、「霊」体ってのがそもそも表現上の話なだけで、ヨーダやオビは「フォースと一体化している状態(リビングフォース)」であり、フォースとは「万物の間に流れるエネルギー体」のことであり、つまりヨーダは現在意思を留めた「フォース(の中に溶け込んでる霊)体」なので、別に指でひょいってやって雷を落とすのは別に問題ないはずなんですよ。フォースは万物の間にあり、意志のあるフォース体がそれを操ってるわけなので。それが許せないタイプはミディ・クロリアン設定もダメなんじゃないのかな…。
そういうわけで、実に巧妙な「ふるい落とし」だったのではとも思う。
じゃ、なんで私がふるい落とされなかったかというと、そこはプリクエルが好きだからではと思います。SWに関しては公式に不満を持ったことはなく、プリクエルも大好き。強いて言えば「スター・ウォーズファン界隈の『ダークサイドがかっこいい、ライトサイドはヘボい』風潮が嫌い」なので、今回のふるい落としでは難なく壁を突破できたのではと。だいたい、力を使い果たしたルークの向こうに沈みゆく2つの太陽があるというシーンだけでもう号泣ですわ。名も無きフォース感応能力者の少年の指にスターバードがあるだけで嗚咽ですわ。その上レイロ過剰供給とか以下略